2017年12月5日火曜日

才能X努力=天才

羽生永世七冠誕生!

ニュースを聞いて遂に来たかと思いました。15歳でプロになってからの破竹の進撃は誰もが知るところですが、それを47歳の今でも続けることのできる知力、精神力、そして体力に敬礼です。30年間にわたる覇王の偉業とでも言うべきでしょうか。

もともと随分前に七冠達成という偉業を成し遂げていましたが、その後も勝利を重ね続けて遂に想像の遥か上を行く”永世”七冠という永遠に他の誰もが届かないと思われるタイトルを授けられました。最後に勝った竜王は渡辺竜王という”竜王と言えば渡辺竜王”と言うくらいの強者ですが、その渡辺竜王にも羽生永世七冠と谷川名人の指す棋譜に「あまりの名局に感動して動けない」などと言わせる程の力を持つわけで、今後この羽生さんを超える人というのは出てくるんでしょうか。

才能は当然のごとくありながら、ありとあらゆる方法で勝負の質に磨きをかけつつ将棋界全体のために自らの戦法の解説を全く惜しまないというのは言ってみれば”次元の違う強さ”を持つ者のみが許される将棋に対する方法論なんでしょうね。数学の望月新一教授もabc予想の研究では、すべての最新の方法論を数学者に開陳しながら前進し、理解して自分よりも先に行ってくれるならそれは喜び・・・と語るようなレベルの人ですが、私にはこの二人の天才にそのような”自分の解き明かそうとする世界の進歩”に対する同じ熱い思いを見る気がしました。

もともと才能のある人が、まさに水を得た魚のようになれる世界へ幸運を得て没入し、ありえないほどの知能と情熱を傾けて没頭した世界の先に見えている何かを掴もうとする姿は凡庸を絵に描いたような私には全く理解できないものですが、世の中にあまたいる”賢い”と言われる人達もこの努力を傾けるに相応しい世界を見つけることが出来なかったり、何らかの形で挫折してしまったりする人がほとんど。

真の苦難を含めて克服できるほどの精神力を持つほどの人は世の中には実際はまずおらず、そこそこの喜びを得ることで一生を終える人が世の中のほぼ全てであることを考えると、こういった天才の発言には刮目して記憶すべきものがたくさんあると感心した一日でした。

それにしても羽生先生とAIが対戦するのはそろそろと言われ続けて随分経っておりますが、それは近々起きるのでしょうか。

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