2015年1月27日火曜日

日本の「奨学金」と呼ばれるローンには手を出すな!

昔は日本育英会、今は独立行政法人学生支援機構というのだそうです。

前にもこのブログで書きましたが、私はアメリカで低所得者層に分類される所得(所謂フードスタンプ受給資格のある家庭に分類されておりましたが、勿論そんな恥ずかしい物は受け取りませんでした。w)しか有りませんでしたが、それでも小さな子供達三人と嫁さんでつましく暮らしておりました。

研究者として独立する為にアメリカでは朝から晩まで一流の研究所でヒーヒー言いながら働いていました。更にそれから5年、ポジションを得て外の大学に出て更に更にヒーヒー言いながら何とか家族を食わせてきました。w 勿論贅沢なんぞこれっぽっちもしておりませんでしたが(出来ませんでした)、そのころから日本の実家からしきりに「ある連絡」が入ってくるようになりました。それは日本育英会から延滞金の催促のメールが矢のように届いてるというもの。

そうです。少しずつ返していって、かつその返還の額に関しても個別の事情を話して減額してもらっていたのですが、もうそういったニゴシエーションも時間的に効かなくなりました〜ということで、これ以上の猶予はならんとの通知。
裁判にかけて回収するという御丁寧な脅迫状も同封されておりましたので、是非を問うている場合では有りません。w
私は当時1種の「育英会マネー」を「借りて」いたのですが、その「無利子条件」も延滞の前ではゴミクズ。返さなければなりません、しかし、円高の前では到底そんな金絞り出せませんので色々と考えた多くの要素の中で実はこの「日本育英会からの延滞金支払い督促」こそがポジションを捨て、研究を止めて日本への帰国をもっとも決定づけたという笑い話。

もう一つ上のポジションであるテニュア・トラックに入れば何とか返還への道も開けたのですが、そこに至るまでの不確定要素と研究予算の獲得の厳しさはアメリカにいて競争している人間ならだれでも知っています。また、当時は今と違い円高!10万ドル近く稼がなければちょいと返還は厳し目。取り敢えずこの件に関して家族には全く罪はないので、私がギブアップして日本で仕事をすればよいだけの話ということで結論は出ました。

この日本最大の公的大口学生ローン貸付機関である独立行政法人学生支援機構は今でも自分で出す学生ローンを奨学金と読んで学生をだまくらかしていますが、あれは世界標準で言えば全くもってただの貸付金、つまり学生ローンです。w
多くの皆さんがイメージしている返還不要の給付金をこそ奨学金と呼ぶのが世界標準です。もし、今、何とかやりくりすれば独立行政法人学生支援機構から金を借りずに学校に行ける人がこのブログを読んでいるのであれば「何としてでも借りるのを回避する」のが一番賢いやり方だと思います。

若しくは他の方法で何とかやりくりする方法を考えることができればそっちを選んだほうが絶対に良いと思います。
もし借りるならこれが「学生ローン」だとしっかり認識して借りてください。勿論、サラ金とは違う金利ですが、学生ローンは学生ローンです。

私が研究者としてprofessorshipを得た時、NIHは研究者を増やすべく、金のない基礎系の研究者たちの学生時代のローン返済を肩代わりするプログラムを定期的に出していました。
また、私の娘は大学で毎年毎年6万ドル程度の授業料をほぼ9割減額されてその分が(無償)給付金としてカウントされていました。それが、アメリカの姿です。いろいろとアメリカも問題はありますが、establishされた大学であれば、成績さえ良ければ金を与えてチャンスを与え、将来のアメリカを変える可能性のある人間に惜しみなく金をばらまくのです。
アメリカの多くの一流の大学には聞いたら口をアングリあけるほどの様々な成績優秀な貧乏人の救済システムがありますよ。

公的機関が学生ローンを奨学金というインチキなネーミングの砂糖をまぶした形で将来の読めない学生たちに貸し出し、鵜飼のようなシステムで金を回収し続けるんですから、日本の教育の先行きは、、、ですよ。自分は成績は良いけど金は無いって連中は大学はアメリカ行った方が「遥かに」いいかも。w
教育にかけられている予算がどれほどハコモノ建設や老人たちの社会保障費に比較して低額か興味のある方はネットに沢山データありますのでご覧になってください。ズッコケますから。あと、外国人にはこの機構から文字通りの「給付金」が出されていますからお忘れなく。しかもそのお金の最大の貰い手のやってくる国は・・・。

私は収入的には医師という比較的恵まれた職業ですから、仕事を必死こいてやれば今回の奨学金は何とか返せます。しかし、仕事が無かったり、病気がちだったり、仕事があってもギリギリの収入の同い年の同胞たちが家族を抱えて将来への貯蓄もできず、延滞金付きの金を返さなければならないだろうギリギリの生活を想像すると正直、独立行政法人学生支援機構に対して腹が立ちます。

そしてその子たちが成績が良くても、その状況からまた独立行政法人学生支援機構から「親子二代で」金を借りざるをえないとか言う事になってたら、なんか世代を超えて公的機関から呪われイタブラれる負の輪廻のようにしか見えません。

かくして格差は固定されるということなのかな・・・。

これに関してはまだまだ書きたいことがあるんだけど、金にならないしストレスばかり溜まるので、全額払い終えてから毒を吐きましょうかね〜。

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2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

初めまして、
私の長男がsmallGさんが働いていらした大学でレジデンスをしております。
Gさんのお嬢さんは優秀な生徒さんなので、高額なグラントを取得できましたが、うちの息子のようにそこそこの頭の生徒は全額ローンを組んで大変な生活をしております。
メディケアからもっと貧乏な学生に予算をに廻して欲しいです。
yahooには毎日学生ローンのことが載っています。
生活を圧迫していますから。

日本だけではありません。
上下の差はグラントやローンでもアメリカでは大きいです。

まさに親子2代で大変です。
お嬢さんは素晴らしいですね。

small G さんのコメント...

レジデンスに入るだけでも大したものです!
しかし、レジデンシーにおける教育ローン問題はまさに「更に上のレベル」の問題の一つです。
大学まではお金が出ても、その上になるとまさに「目玉が飛び出るレベル」のお金が必要で、卒業して学位を取得して年収十万ドルになっても到底返せないほどの利子がつくのがアメリカの教育ローンですよね。(今、アメリカの高等教育の病根がここにあると言っても過言ではないでしょう。)
オマケにこれは自己破産が効かないという恐るべきシステム!利率もこの低金利時代に7%くらいあるとか、ほとんどアメリカ政府は銀行業界の奴隷ですよ・・・。
娘が大学出たらUCLAかシカゴで大学院に行こうかななどと言っているという噂を嫁さん経由で聞いたのですが、、、内心は早く就職してもらいたいです。マジで。私ならレジデンスをすると言われたら、正直なところ「大学までは出したから後は自分でローン組んでね、、、」としか言えません。私が日本人に言えるのは「アメリカで行くなら高校と大学まで」ということでしょうか。

お褒めの言葉有難うございます。しかし、娘はいわゆる「賢い」のではなく、真面目にコツコツという点が大学に評価されての成績だと思います。ただ凡才なれども「努力する才能だけ」はあると思ってます。(親馬鹿で申し訳ありません。mOm)