2016年7月9日土曜日

禁煙できる人できない人

外来や病棟でみていると、どうしても禁煙できない人にはある特徴があります。

勿論最初からこちらの禁煙のオススメを”無理”と言って聞く耳を持たない人は勿論話にもならないのですが、当方が禁煙の話を進めていく時に少しでも反応をしてくれる人は結構な確率で減煙にまではいってくれます。
では、一部の人達は禁煙に成功して残りの人達はなぜ成功しないかと言われてもそれはダイエットの成功不成功などと一緒で結局は嗜好品の遮断に対する意志の強さの差なんでしょうが。

そう言ってしまっては身も蓋もありませんが、私の外来で禁煙に成功した人達はほぼ例外なく、お話をしたその日のうちに禁煙に突入した人達でした。一番男らしかったのは私の診療用のデスクに胸から出したタバコとライターをそのままドンとおいて、「俺は出来るよ。もう吸わんからな。」とニッコリ笑って啖呵を切っていったおじいさん。
おじいさんですから、禁煙もある程度がんの予防という意味ではタイミング的には遅いのですが、それでもリスクを軽減するという意味では素晴らしい行為。

実は癌にもまして恐ろしいのは、前にも言ったように慢性閉塞性肺疾患なんですが、一度発症してしまうと残念ながら今の医学では時計の針を逆向きに出来ない恐ろしい疾患です。
意識はあるのに、次第に喉の奥に少しずつ少しずつ綿栓を詰めていくような苦しさが長く長く続いて、痰や咳に慢性的に苦しめられ、呼吸不全の恐怖とも戦わなければなりません。

しかも、他の人にはちょっとした風邪で済むようなものが、そういった基礎疾患を持っている人には肺炎になる得ることも多々あり、場合によってはそれが死に繋がることもあるのですから、たかが風邪と馬鹿にすることなど到底できません。

私の場合、決意表明をしてくださった患者さんにはそういったことをまとめたパンフレットを直に患者さんにお渡ししてお話した内容に嘘がないこと、その疾患の恐ろしさをさらに脳裏に焼き付けてもらうべく、写真入りの解説で決意表明の物理的後押しをさせてもらっております。

タバコはお金を払って自分の健康を害する行為です。近年、うなぎのぼりに上昇しているのは肺癌発生率。出来ることなら止めましょう。まだまだ間に合います。今日から如何でしょうか。

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

胸から出したタバコとライターをそのままドンとおいて、「俺は出来るよ。もう吸わんからな。」

いや~格好良いおじいさんですね~!
男らしいっす。
私もあと2キロ減量、そのおじいさんみたいに男らしく行こうかな。笑

small G さんのコメント...

他人には禁煙を説得しておいて、己は腹の出っ張りを押さえつけることに失敗しております。
今日もある病棟の患者さんと、その人の禁煙と私の減量を競う約束をしてしまいました。orz

こういうのは勢いが大事ですので、なんとか波に乗りたいものですが・・・。

それでも、75キロの人間が2キロ減らすのと、50キロの人間が2キロ減らすのでは容易さが全く違いますので、難しい問題なんですけどね。
いわんやそれ以下の人にとっての一キロ減量は凄い努力が要りますし。

難しい問題。大問題です!w