2016年7月28日木曜日

新潮文庫の百冊も・・・

本屋に行った折に、久しぶりに「新潮文庫の百冊」の小冊子が目にとまりました。

少なくとも、私が小学生の頃には普通にどこにでもあったように覚えていますが、この百冊シリーズは私が小さいころでも、明らかに少しずつ少しずつ中身が入れ替わっていることには気付いていました。
実際のところその選がどの様に行われているのかは全く知る由もありませんが、その選び出された本の一群は、少なくとも私が知っている本に限って言えば、そのどれをとっても「ああ、ナルホド」というレベルの本ばかり。

やはり、ベストセラー、ロングセラーの本達にはそれなりに選ばれ、読まれ続けるだけの何らかの理由があるというものでしょう。問題作、感動作、笑い、考え、悲しむ・・・。人の心の隙間や襞にスッと滲み入ってくるような作品を通して、それを捉える自分がどんな人間なのかを逆に考えさせるような逸品揃いだと素直に感じました。

岩波文庫などにもこれに類するようなものがあるようで、例えばここにも読書の達人が選ぶ岩波文庫の100冊といった冊子の存在がきちんと記録されています。これを一覧で眺めてみると、新潮のものに比べて基本的に日本や世界レベルで評価の定まったガチの古典が多いことがみて取れます。
これは社の方針の違いというよりも、目指すものが完全にベクトルが違うことによるものでしょう。しかし、間違いないのは確実に何れの本も歴史にその名を刻んでいくであろう本だということでしょうか。岩波のものは既に世紀単位でcertifyされたものが多く、新潮のものはどちらかと言えばこの百年以内のもの、そしてごく最近のものも混ぜて諸々あるといったところです。

岩波はどちらかと言うと岩波文庫の”目録”と言う形での出版のほうが有名ですけどね。

こうやって見てみると、新潮文庫の百冊にずっと残っている日本の古典、世界の古典は、やっぱり読む価値があるものが揃ってるな〜って改めて思いますよ。

でも、アメリカの娘達には私が感動した日本の本の感動を説明するだけのバックグラウンドの共有が出来ないことがちょっとだけ悲しいですね。特に娘達も本は大量に読んできているだけに、彼女たちの場合、それがほぼ全部英語の本(勿論彼女たちも当然、英語圏の素晴らしい本を沢山読んでいる訳ですが!)であることはやっぱり読書体験という意味では深いギャップがありますな〜。仕方ないことですけど。

自国語で書かれた宝石のような素晴らしい本が幾らでも手軽に読める国に住んでいるという事実に心の底から奇跡のような出来事だと思うのでした。

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2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

新潮文庫の100冊と聞くと、暑い屋外から涼しい書店に入って嗅ぐ
クーラーとインクの匂いを連想します。
そして「この夏休みは何読もうかな?」なんて本棚の間をぶらぶらするのは
楽しかったな~なんて思い出します。

最近は本を買うのは専らネット書店になってしまい、
リアル店舗に行っても何かの買い物ついでに
慌ただしく目的の本がある場所に直行して手早く済ませてしまい
当てもなく本を手にとって読んでみることが無くなってしまいました。
これだと、読んだ本はおもしろいのですが、ちょっとワクワク度減りますね。

small G さんのコメント...

ですよね!インクの匂いは私にとってリアル本屋に行く大切な理由の一つです。
(今年のはじめにhttp://chesterfield-va.blogspot.jp/2016/02/blog-post_35.htmlでも書いているみたいです。)

でも、本当にネット書店での本の注文増えましたよね。
私も全く一緒で、目的の本をまず探して中身をチェック、時間があればその周囲の関連書を見てみるというパターン”も”増えました。それでもやはり、時間に余裕がある時には書店内を(何故か発生する便意を抑えながら・・・w)長時間散策するのが今でも大好きな至福の時間です。

ワクワクは本好きのキーワード。私も大切にしたいと思います。