2017年11月19日日曜日

IDとクレジットカード

日本に帰ってきて随分とキャッシュを使う機会も増えましたが、それでも日本を発った20年前に比べると格段にクレジットカードを使える場面が増えてきました。

最近のニュースで”マクドナルドでクレジットカードを使える様になりました”なんていうのがありましたが、私にしてみれば逆の意味で「マジすか?未だ使えなかったの??」という驚きのニュースでした。正直なところ「日本ってまだまだクレジットカードが使えない国だったんだ」という感想しか無し。

日本のマクドナルドがアメリカとは違う資本で動いているというのは知ってはいるものの、それにしてもね〜。アメリカはキャッシュ無しでもほぼ何の問題も無く一ヶ月生活できる世界でしたので、逆に現金で大きいのを出されたりしたら店によっては”We don't accept BIG one”なんて言われて終わりなんていうことが実際ある世界でしたからね。

日常のレベルではよく出し入れするのは精々$20のアンドリュー・ジャクソンくらいまでで、$50や$100のグラント将軍やベンジャミン・フランクリンに至ってはシゲシゲと札を眺めて「Long time no see!」等と言われ互いに笑ってしまうこともしばしば。最後は「まあ、お前を信じよう」等と言われて釣り銭を貰ったりすることもありましたが。

とは言え、基本的に我々の住む日本におけるクレジットカードの使用は高齢者を中心に”まだまだ”普通になってない人達が沢山おりますし、私の両親などもいわゆる”現金信奉者”ですからね。家の購入以外にはローンは組まず、可能な限り眼で確認できる現金で物を購入する。まあ、それはそれで破産と距離を取るための防衛策の一つではありますが、お金の使用の流れを全てのステップで残すという意味では、帳簿をつけるという面倒な作業を避けて、可能な限り楽をしようとする私にとってはカードは必須。まあ、考え方が全く違います。

しかし、カードを使わずコンピュータを使わない両親達はある意味では現代の情報化社会におけるID秘匿者の中のチャンピオンに近い人達でもあります。ガスや水道の料金も集金人に現金を渡すようなことは流石になくなりましたが、キャッシュで全てを済ませることで、日常の行動が秘匿されてしまうことかなり大です。

コンピュータでサーチできるものはIDをもとにいろいろ有るでしょうが、今の世の中、彼らクレカもコンピュータも使わない人達に関して判ることは、セキュリティ機関が私に関して調べ上げて容易に判る恐ろしいほどの情報量の100分の1にも満たないのではないでしょうか。

多分、全力を尽くしてハッカーが調べ出せる私の両親に関して判明する情報と言えば、ガス、電気、水道の使用量とATMにおける年金の振込と現金の出し入れの記録、後は地方自治体のデータベースに入っている不動産の登記情報と納税記録、免許更新の履歴、戸籍くらいではないでしょうか。

考え方や発言、その他諸々の情報まで画像つきで判る丸裸の私とは比べ物にならないほど”謎多き老夫婦”ですな。w
彼らのようなアナログの人達こそ間諜の候補生としては良いのかもしれません。まあ、年寄りすぎているせいで役には立たんでしょうが。

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