2016年9月26日月曜日

生死の交わる時

結局、昨日の夜は殆ど眠れませんでした。

あんなこと書いたのでそれがジンクスのようになってしまったのか・・・。書いた通りのことが起きてしまい内心「何じゃこの状況はorz」と言う感じ。白みゆく空の光を窓越しにガンガン感じながらも、一分でも長く寝て疲れを体から剥ぎ取ろうとするのですが、なにせ死亡診断書を書き終えて御遺体をお見送りしたのが朝の7時ですから、最初から”ムリ”っていうのは充分承知しておりました。

それでも何とかならんかとは考えたのですが、取り敢えず出来ることはサッサと朝の回診で病棟を周り、患者さん達の診察を終えて、検査のオーダーと処方を終了させてしまうことでした。
とは言え回診する病棟も7つあるとなんやかんやと日々新たな何かが起きてきます。皆、何らかの理由で入院しているわけですから、100人、200人の人の中には、当然熱を出したり、具合が悪くなったりと言う人がポロポロ出てくるのが普通です。

病気に休日はありませんので、私の体調や眠気などというものには関係なしに”病”はやってくるわけでして、こればっかしはどうしようもありません。

夏の間の問題は脱水傾向と基礎疾患の重なり合いでしたが、これからの季節は感冒や呼吸器へのウイルス感染症と基礎疾患の兼ね合いになりますので、要注意です。これからの季節、呼吸器の基礎疾患がある人達には特に呼吸器感染症が重なると文字通り”一気に”症状が悪化してしまい、高齢者などでは”取り返しのつかない事態”になることが頻繁に起きてきます。良かれと思ってお見舞いに来た家族などがその感染源だったりすることも有るのでイヤラシイです。

さて、今朝亡くなられた患者さん、夜中の早いうちに危篤をお知らせし”万一の可能性”が高いので最後をお看取りになられるのならば今来られたほうが良いということをお話した所、早速来たいのですが、今度は娘さんが出産予定日まで2−3日ということで、今はショックを与えたりすることも出来ず来られないという、これまた”当然”の理由で「万々一の時には覚悟しておりますので連絡をいただきたい」という事で受話器を置いたのですが、残念なことに上に書いたようなことになりましたので、御親族になるべく物理的負担をかけないように、病院には来られなくとも我々がお見送りをさせて頂き、直接、契約済みの葬儀会館の方へ御遺体を搬送する手はずを整えてからそちらでご面会いただくということに致しました。

90近くで亡くなられたこのお婆ちゃんが居なければ、あと数日で生まれる可能性のある赤ん坊も居なかったはずで、一緒に御遺体をお見送りした看護婦さんとともに、病棟へ戻りながら「生まれ変わりになるのかな・・・」等と話したのでした。

例え輪廻転生は無いとしても、こうやって遺伝子の方舟は運ばれていくんですね。

人気ブログランキングへ

0 件のコメント: