2026年3月23日月曜日

認知症の高齢者への対応

今の時代の病院では高齢者、超高齢者の患者さんに対する認知症に由来するせん妄等への対策が普通に求められます。

実際、厚労省の方でも病棟内でこれらのせん妄を起こしたり徘回する認知症の人達に対する拘束行為の可能な限りの大幅な減少を求めています。しかしながら実務的には本当に大変で、まさに典型的な「言うは易し」という奴でして、足腰の弱っている超高齢者が夜昼問わずベッドから転落したり、徘徊時にコケて大腿骨頭を折ったり頭部外傷で頭蓋内出血が発生したりと大変なことが毎晩発生しているのは以前ここで書いた通り。

ただでさえ人手不足のこの国で、2040年までは増え続ける大量の認知症の人達への対応をどうするのかというのは本当に大変な話なのです。実務上の困難を乗り越えるのには対応する人手を増やす、拘束を行う、投薬を行うなどの手段が検討されることが殆どです。

易怒性を伴う高齢者への経口投薬でよく使われるのが抑肝散という漢方薬。内科医はよくこの薬を使う事が多いのですが、誤嚥をしやすいような人達に粉末状の薬を湯に溶かして飲ませるのもまた一つのリスク。そこでなるべく少量の、かつ口腔内で溶けてくれるような薬として使うのがリスペリドンという薬だったりします。

リスペリドンは良く精神科の先生が使うのですが、私は自分の経験則としてよく効く薬のもう一つの雄としてレキサルティという薬を使います。

警察沙汰になるほどのせん妄状態であった90代のお爺さんが最小量のレキサルティを服用して別人のように普通の人に戻ったり、家にいた息子さんと娘さんが別人のように荒れてしまった母親たるお婆さんこのお薬を投与してこれまた普通の人に戻ったことがありまして、それ以来この薬を比較的使うようになりました。

それでも毎回そういった著効例のように効くわけでもなく、色々と悩みながらの試行錯誤が続きます。

長生きすること自体は生物学的には素晴らしい幸運だとは思うのですが、それは体が動いて、頭が働いていれば・・・という前提が付けばこそだなと思うことが多くなりました。

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