患者さんへの虐待

病院内での虐待は全国で毎度のように起きていて、それが度々ニュースになっています。

ところがそれは明らかに氷山の一角。しかし、証拠を押さえて簡単に記録したりするシステムが発達してきたことにより現場の生々しい音声や画像が残されるという事が以前とは比べ物にならないほど”容易”になっている時代ですから、この21世紀は悪いことは簡単に記録される時代です。

悪事千里を走るならぬ悪事一瞬で世界中を走るという時代。馬鹿な人間が犯したたった一回の残虐・残酷行為でどんなに巨大な病院でも一発で医業が停止するレベルの事態が出現します。

ここ最近の事件だけでも以下の様に種々の事件が全国で表沙汰になっているだけでもこんなに。

• 石郷岡病院で精神科患者が看護師から虐待
• 【患者虐待】宮城「総合南東北病院」の看護師が「早く死ね」
• 栃木県介護村虐待事件
• 口からビー玉、入院患者への虐待疑い謝罪　京都・舞鶴市民病院

少し遡って有名なのは宇都宮病院事件。

もう本当にね、こういう事は医師として言いたくないんですけど、介護する人間の中の一部には本当に育ちが悪いと言うか、人間としての質が低い輩が本当に極少数ですが混じりこんでいます。これは当然のごとく人の数が増えれば増えるほど確実に混じりこんでくるんですね。ある％のそういう人間は必ず介護の現場に混ざり込んできますから。テスト受けてスクリーニングを受けないままで入ってくる。

残念ながら介護の現場というのは慢性的な人手不足ですから、どこの病院でも始終こういった職種に募集をかけて居るのが現実なんですね。ところが、資格を取ってステップアップを図る人も極少数居るに入るのですが、実態は”他に資格もなくて頭を使いたくないから”等という連中も正直多いんです。驚くほど。

当然のことながら「ああ、この人天使のような人だ」とか「なんて心遣いのできる人なんだ」と言う人もいれば、見えないところで暴言を吐く、真面目に仕事をする人間を迷惑がって駄目な連中同士で固まって意地悪をするなどということがごく普通にあるんですね。悪貨は良貨を駆逐するとはよく言ったもので、現場にフレッシュマンとして入ってきた人の中で良い先輩が付くとアッと言う間に伸びていく介護のお兄さんお姉さんも入れば、その反対に駄目な先輩に怠ける事を教わったり、駄目な介護があたかも標準であるかのように教わることでアッと言う間に駄目になっていく人もいるんです。

この駄目な連中が数％居るだけで全体に強烈なダメージが加わります。
私は一言でも暴言を吐くヘルパーを見つけたら病棟の看護師長を呼びつけるとともに、強い叱責と事故報告書、反省文の提出を求めています。これで実際に辞める人間も出ましたが私自身はそんな輩には1センチたりとも病棟には入ってもらいたくないので、むしろ内心万々歳なんです。

これは看護師でも同じ、むしろ職位が高い分、事態としては深刻です。これに関しては上記の記事の中にもあるように介護士、看護師ともに問題を起こしていますので、より厳罰化がなされなければならないと思います。
マトモな心を持った看護師、介護士が気分を害して辞めたくなるような現場だけは許してはならないと強い決意を持って日々の現場に臨んでいます。