2014年12月2日火曜日

ダメージ大・・・

今朝はやられました・・・。

当直の朝五時半にある病棟からのナースコール。
何も病状を伝えずに「先生来て!」とのこと。消防士モードで飛び起きてサクッと着替えて歩きながら話をすると「呼吸がおかしい」とのこと。取り敢えず暗い病棟の中を駆け上がって行きました。頭はまだこの段階では半分寝ているのですが、これはこれでスイッチを入れて病棟に着くと、夜勤の看護師さんとヘルパーさんがバタバタしていました。

取り敢えず患者さんを観察した後、バイタルをとって対応。アルコール中毒の患者さんが呼吸不全を起こしていました。バイタルをとった後にモニター装着、血液ガス採取、酸素投与、輸液、注射の指示出しをしていると今度は別の病棟からのコール。

こちらもナースから「患者さんがおかしな呼吸をしている上に酸素飽和度が測定不能です」とのことで、取り敢えずこちらの少しセットアップが落ち着いていたのでそちらへ駆け出していきました。
途中で、私の上司の先生がいる部屋を通りましたところ、いつも早出のその先生の部屋の電気が点いておりましたので、応援を依頼してみようと部屋をノック。するとラッキーな事に先生が中にいらっしゃったので、今やって来たばかりの最初の病棟の患者さんのフォローを依頼して自分は次の病棟へ、、、。

こちらも確かにおかしな呼吸になっていました。下顎呼吸ではないのですが、間欠的な深呼吸様のものでこちらからの質問には全く応答の出来ないレベルにまで意識レベルが低下しておりました。
取り敢えずこの病棟から移動させて、集中治療の出来る部屋へ移し直ちに治療開始。酸素投与前はSaturationが30%、酸素投与しても70%までしか上がりません。直ちに挿管後、人工呼吸器による管理。ラインを確保して種々の処置を施していきました。
喀痰等による窒息ではなかったのですが、しばらくして上がってきた胸部写真を見ると肺は両側とも真っ白で水だらけでした。オマケに腹部も大量にガスが溜まり、外からは判らなかったのですがイレウスも疑われました。トラカールを挿入して持続吸引をかけた所、一気に1000cc以上の体液が出てきました。

この処置の後、急激にsaturationが90%まで上昇。更に一時間ほど経ってくると、今まで意識レベルが落ちていた患者さんもこちらの質問や呼びかけに反応する程度に状態が戻ってきました。この辞典でsaturationは100%まで戻ってきてくれたのですが、ARDSの患者さんは一時的に戻ってきても最終的な予後は決して良く有りません。
このまま元気になって戻ってきてくれると良いのですが、、、。

しかし、一時的にではあれ緊急の患者さんが重なってしまった時は寝起きのオッサンには翌朝のその日一日が「ツライ」ものになるのでした。アメリカだったら有り得ないのですが・・・。ここは日本。医者の犠牲の上に医療が成り立っているのが未だに普通です。
うちの病院は休もうと思えばこういう時に普通に休めるのですが、やはり自分の心がそれを許しません。やっぱ昔の教育を受けて育った人間にはそれが出来ないんですよね、、、。良いんだか悪いんだか。w

人気ブログランキングへ

0 件のコメント: