医学においては、特に現代のような高度に専門領域が枝分かれした世界では同じ内科でも当然「となりは何をする人ぞ?」という状況はごく普通。
その専門性というのは難治性の希少疾患や体への侵襲の強い治療を行う疾病においては特に重要で、「最新の」「治験で認められた」「最も良く効く」等の幾つものフィルタを通り抜けて来た治療を行う先生方は本当によく勉強をしておかないと全く「ついていけない」とう事態になる訳です。
血液疾患の治療なんかはまさにその世界で、白血球関連の疾病に強いからと言って赤血球関連の疾患に強い!という訳でも無いという話は血液の先生から伺った事がありますが、更に白血球の疾病も慢性XX性と急性YY性という疾患ではまた専門性が別れる事もあるとの事で、高度な治療は本当にその専門性は天井知らずですよね。
整形などの外科領域も消化器外科もその世界。私の同僚や後輩たちの話を聞いていても本当に枝分かれが激しく、肩や肘、脊椎、股関節、膝等も「高度な仕上げ」を希望するとなると完全に先生を選ばなければならないようで、アメリカなどに至ってはジョークなのか真面目な話なのかは知りませんが、「僕は”右腕”の専門家なんだよね」等という人が居るとか居ないとか。w
しかし、そうなってくると御想像の如く「僕は他の事はほぼ学生レベルの知識しかない」とか「国試で勉強した時の知識までで止まってる」何ていう事を言われる人は周りでもそんなに珍しくありません。
しかし、その専門性は使い様が大事で「これは・・・」と思った領域の専門知識の必要な疾病を疑った時にはそのエリアの専門の先生の所に走って行って質問をするとまさに泉のようなその分野の知識が口から溢れてきて、自分の悩みを嘘のように解決してくれる事が本当に多いのです。
そのエリアでの最新の知見や考え方聞くのは本当に新鮮で、五分の会話でも何だか自分が凄く賢くなった気がするほど!
時分からも相手に与えたいものがあれば良いのですが、基礎の研究者から戻ったニセモノ一般内科医の私は吸収し続けるのが精一杯で、なかなか人に与える様なものは有りませんな~。orz
かくして私の修業は一生続くのでした。
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