糖尿病の患者さんの中には治療に困るパターンが幾つか(も)あります。
一つは、もう全くこちらの言うことなど聞かず隠れて爆食してしまう人。次に困るのは生活が非常に不規則でいつ食べるのか全くわからない人。他にも種々の理由で理解力が低く、糖尿病自体のコントロールが非常に良くないのにインシュリンの使用が出来ない人達などでしょうか。
最初に記した全くこちらの言うことを聞かない人等というのはいくら糖尿病のリスクを縷々説いても何と言うか「聞く耳持たん」という感じでして、糖尿は今日明日変化がなくても月単位、年単位で進んでいくと(要するにコントロールが悪いと)確実に腎臓、肝臓、心臓、神経、視力を始めとする諸々の器官をゆっくりしかし確実に蝕んでいくことを具体的な話も交え、手脚を切り取ったり感染症になって治らなくなったりするような事態も普通にあるということを言うのですが・・・・。この手の方の多くは残念な反応です。
また、生活が不規則かつ予見し難い摂食パターンの生活をしている人も本当に糖尿の治療は困りますね〜。これは若い人でも歳を取った人でも同様でして、このような人も糖尿の治療は実に困難を極めます。忙しい人でも規則正しい食生活を送れる人は送れますので、やはり自分の生活のリズムに乗っかってしまって食事は二の次三の次で時間構わず食べてしまう人なのでしょう。
後は先天的な知的障害のみならず、後天的に認知機能障害が悪化した高齢者の方々も大変リスクが高く、インシュリンの注射はもちろんのこと、経口の服薬であってもとても危険なのです。
糖尿の治療では基本的に高血糖よりも、低血糖に伴う意識障害とそれ以降の直接の死へ一直線という事態のほうが恐ろしくて、介護をしてくれる方がこういった方々を十分観察継続し、服薬管理、インシュリン注射してくれる状態でなければはっきり言って治療の流れを理解できない方々の治療は無理に近いのです。
またそれらの方々は服薬したことを忘れるのみならず、飲んだことを忘れて二度三度と短時間にのんでしまうことも・・・。
糖尿の治療をされる方の中にも、医師の側が逆に襟を正したくなるくらい厳格にプロトコルを守り、40年以上きちんと血糖をコントロールされている方もおられますので、たとえ糖尿病になっても、そうやって病気を己から遠ざけることのできる人々がいることを考えると、いかなる病気も医師と患者がきちんとタッグを組んで正しい治療がなされたときは治療可能な方法論が年々歳々少しづつ、しかし確実に増えているということは素晴らしいことだと思います。
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