病院に勤めているとどうしても精神疾患を持った患者さん達ともいろいろとお話をしなければならない時があります。
前にも書きましたが、医者の中にも精神科の通院歴があるというだけで何か特別な患者でも取り扱うように慎重になったり心配したりする人が沢山居るものなのです。実際に大学病院とかに送り出す必要な患者さん達も結構な言質を相手の病院に保証しない限り受け入れを何となく遠回しに嫌がったり・・・。
さて、その精神疾患というものも本当に患者さんの数だけあるほど実際は多種多様なのですが、これらの大量の”疾病”を大まかに分類する国際的な標準は二種類あります。その一つはICD-10,もう一つはDSM-5と言われる分類です。
これらの内どちらを使って疾病の分類をしていくかということになるのですが、片方にはあって片方にはないものも含めて実に多種多様な精神と肉体に関連した問題の分類が行われています。
しかし、単純に精神疾患といったところで、その中身をよく読んでみると本当に人間分類表みたいなものになっていて、その中の疾病の説明を見ても「俺には全く関係ない世界だな」と思えるものもあれば、「うーん、これはあいつだな〜w」とか、「おれ、この説明の6掛けかも・・・」というようなものもチラホラ。
実際の所、これらの分類に入らない人、引っかからない人は世の中にまずいないんじゃないかね?と思えるほど多彩な記述です。普通は精神科に関係のない人が考えるメジャーな精神疾患として有名な統合失調症は言うに及ばず、薬物等への依存症、パーソナリティ障害、器質性の障害、気分障害、ストレス性の障害、発達障害、行動障害等々書いてあり、その中が更に入れ子の様に細かく説明がわけられています。
精神科が門外漢の私などから見ると性的嗜好の異常やパーソナリティ障害の記述の一部などには正直なところ「はー」としか言いようのないものもありはするのですが、全てをツラツラと見た後の印象は「人間の異常って何なんだろう」という素直な質問が頭をもたげてきます。
こういうのって、エリアや文化圏をまたいでしまったら、正常が異常だったり、異常が正常になったりする曖昧な部分も当然あるんでしょうが、心の疾患も本当に難しいものだと改めて思いました。
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