民主主義は理想とは程遠いが今のところベストの政治形態だと思います。
シンガポールのように美しく強い金で作り上げた国でも、独裁者が作ったハリボテの偽自由主義国家なんぞには金輪際住みたいとは思いません。それよりも、しょうもないくらい馬鹿な事が時たま行われても、言いたいことを言い合い罵り合う事ができる民主主義国家が良いです。アレコレと凄い人間もダメ人間も、色んな人間が混じり合って、時間をかけてでも前に進んでいける国家のほうが遥かにマシ。
緩さのない国家には文化が栄える余地はありません。ナチスや北朝鮮がそうであるように。(芸術大国と勘違いされる旧ソビエトにあったのは、バレーやオーケストラなどの社会主義国家以前の文化を共産主義の名のもとにコピーして鍛えただけのもので、そこには文化など欠片もありませんでしたしね。文学は大ロシアの頃のものと、共産圏下の反体制のものばかり・・・。)
今回のアメリカの選択、まさに民主主義のもとでのみ起こすことの出来る世界最先端の”衆愚制”の実験場としての面目躍如でしたね。w クズとゴミとのどちらかを選べと言われ、それしか選択肢が無いときに人々はどうしなければならないのか、本当にジレンマ深き選挙だったと思います。アメリカの多くの友人達も「どっちを選べば良いんだ?」とFB上で悩みの程を吐き出しまくり・・・。まさにTHE BEST DEMOCRACY MONEY CAN BUYと言う世界でしょうか。
しかし考えてみると、こういう選択肢しかない状態に自分たちを追い込んでいったのはまさしくアメリカ人自身であったということ。本当はリバタリアンを送り出したかったgeneration Xだったのでしょうが、いかんせん金が無い。金が無い候補は生き残れないのがアメリカ。そういう意味では実にアメリカらしい選挙だったといえるのではないでしょうか。
これからの四年は日本が”変化”を求めてダメダメの自民党に嫌気が差して犯した”民主党選択”という当時の間違いがアメリカで繰り返されるのか・・・。
それとも、実務能力の有る連中がトランプの懐に入っていってやりたいことをやるのか。オバマの保険が消される可能性も当然有りで、内需拡大がいろいろと画策されるのでしょうが、どれくらいうまくいくのか全ては未知数です。
ここで思い出さなければいけないのは、このトランプという人物は”親父は”偉大な実業家でしたが、息子自身は数度破産しているということ。個人や会社(特に不動産会社など)は破産しても社会への影響は限定的ですが、国家は破産を選択できません。
さて、皮肉なことですが、アメリカの復権のためDIVERSITYという力に最も頼ることになるであろうのはこの男自身でしょうな。w
2 件のコメント:
アメリカという国家は、それほど愚かではないと思いたいです。8年続いた民主党政権から共和党政権に振り戻しが起こり、上下院のねじれも解消されました。トランプ大統領を支えるブレーンが優秀であればいい方向に進むこともあるんじゃないかと。
私はUSビザでの居住者ですので、投票権もありませんしどちらの政党支持でもないのですが、高いお金を払ってビザを取得し、アメリカに税金を納めています。その立ち位置からみると、不法移民に対して厳しい政策をとってくれそうな共和党に票が集まるのも納得できるのです。
実はそれなんですよね!
当初予想されていた共和党の上下院での共和党の総負けの予想が外れたことで、ねじれが総解消という話になってしまいました。
やっぱり民主党は飽きられていたんでしょう。理想という名の8年間が実際にはワークしなかったことで、次の賭けに出たというところでしょう。
アメリカの強いところはresilienceの驚異的高さです。どんな状況になっても投票でトランプに入れなかった人間たちも含めてアメリカを正しい位置にとどまらせてくれることでしょう。
日本にとってはどうなるのかわかりませんが、アメリカ自体はこのポピュリストがトップに立とうと大丈夫でしょう。
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