2016年6月3日金曜日

本屋のレベルと店員さん

家に帰って郵便受けを開けたらチラシが二枚入っていました。

一枚は近くで売買できるマンション探してますという、今の私にとってはどうでもいいもの。もう一枚は藤が丘駅の近くに去年の11月に出来たという、私の知らない本屋の広告でした。秘密厳守で御注文の本をお送りいたします!等と少々怪しげな文言も・・・。w

ともあれ、興味津々で原チャリに跨り夕闇の中をウキウキと店へ向かいました。まあ、歩いて行っても良かったのですが、本屋での本選びの時に必ず発生するという彼の有名生理現象”トイレ行きたい!”が発生した時に家にサッと帰る準備をしておきたかったので、歩かずバイクを選びました。(尾籠な話ですが、私は”大”の時にはお家で本を読みながら致すというのが好みでして、どうしてもその可能性を残しておきたくて・・・。)

さて、目的の場所についてみると確かにそれらしい本屋がありました。雑誌も新刊もそれなりにはおいてあります。しかし、いわゆる最近の一般的な新しい本屋の通例でコミックが大量で雑誌も結構豊富にあるのですが、やはりハードカバー物は中心にはなっていない店でした。

まあ、それそれで良しとしましょう。
そういいながらも充分に本の山の中で本選びを楽しめるだけの品揃えはありました。結局その中にあった名古屋の地名に関する新書版の本と「理系の子」というハードカバーの面白そうな本を購入することにしました。装丁が良かったのも有るんですが、チラチラっと中を読んだ感じがグイグイ引き込まれる系の内容だったので、いつもの如く自分の嗅覚に合った本をきちんと選べた事に満足してレジへ。

そこで事件は起きました。
実はここに来たのは岩波文庫から出ているモンテクリスト伯・全巻をドコっと買い込もうと思っての事だったのです。ところが、最近のこの手の書店はナゼか?岩波文庫”だけ”は置いていないことがあって、内心「ああ、ここもそんな店なのかな、、、」くらいに感じていました。
レジでお金を払おうとして店の大学生くらいの歳のお兄さんにクレジットカードを渡しながら何気なく「ここは、岩波文庫は置いてないんですよね」って、最終確認をしたところ、お兄さんの顔が明らかに???というふうになってしまい、「いわなみ・・・ぶん・・こ?ただ今、その本をお調べしますので、少々お待ちください。」と言ってきましたので、私は「あ、結構です」とやんわりと断りました。

そうなんです。岩波文庫というものを知らない書店員がここにも居りました。
以前にも宮崎で岩波文庫を知らないオバサンというのは見たことがあって驚いたことがあるのですが、ここにもいたのですね。
バイトの子をピックアップして接客教育をちょっとだけして店のレジにつかせているのでしょうが、書店の店員さんくらいは本のことを最低でも”少しは”知っている本好きの人を雇ってほしいものです・・・。

書店が潰れていくのは単に本が内的外的な種々の理由で読まれなくなってきているのでしょうが、本のナビゲーターの質の低下もそれに少なからず拍車をかけているのではないかなと考えたりもします。
好きでもないものを売っている人がその商品の説明を出来るはずもないのは当たり前といえば当たり前ですわな。

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2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

芥川賞とった又吉氏が数年前に書いた愛読書を紹介する本を最近読みました。
その中の野坂昭如の「エロ事師たち」紹介ページにこういうシーンが書かれていました。
又吉氏が大人になってから再読しようと渋谷の本屋で探したところ見つからず
店員に「野坂昭如のエロ事師たち、ありますか?」と聞いたところ
若い店員がカタカナで「エロゴウトウ」とメモっているのを見て
「絶対見つからないと確信して店を出た」というシーン。

エロ事師たちを知らない若者がいても、まあしょうがないかなって思いますが
書店員で岩波文庫を知らないとは…新潮文庫や角川文庫は知っているんでしょうね?

先日「データえっせい」というブログで人口あたりの書店数について考察しているのを見たんですが
(これです。 http://tmaita77.blogspot.jp/2016/05/blog-post_4.html)
1991年と2014年を比べると、驚くほど書店数が減っているわけです。
某aなどのネット書店の台頭もあるとは思いますけど
電車内でスマホを見る人ばかりで本を読んでる人が少ないのを見てしまうと
ネット書店のせいばかりでもないんだろうな~って思います。


small G さんのコメント...

いやあ、又吉さんの体験談。
書名を変え場所を変えて似たような出来事がアチラコチラで発生してるんでしょうね〜。
その書店員がエロ事師を”読んだことがない”のはまだ許せるとしても、”聞いたことがない”というのはやっぱり「あってはならない事」だと思います。
まあ、全く書店員としてのプライドも素養もない人なんでしょうけど、そんなの配置すんなよ!って小一時間ほど説教したいですよ。w

それにしても”脅威”的な書店の減少率ですね。ネット書店が有るとはいえ、本屋で本の匂いを嗅ぎながら自分の感性を確かめる作業ができなくなった国の文化や教養に豊かな未来が有るとは思えないのですが。。。