2015年8月28日金曜日

意外に長い日本の健康寿命

私はちょっと勘違いしていたようです。

日常的に臨床で栄養チューブ、IVH、その他のシステムに繋がれて長生きしている患者さん達の多い状態を見ていると、実に主観的に「日本人が長生きといったところで、結局は国民皆保険に裏打ちされた低いQOLでの長生きなんじゃないか?」等と考えていたのですが、共同通信のニュースを読む限りでは意外と日本は健康なままで年をとってるんだということでしょうか。

ちょっと長くなりますけどそのままコピペ。

【ロンドン共同】世界188カ国の2013年の「健康寿命」を調べたところ、日本が1位だったとする調査結果を米ワシントン大(西部ワシントン州)などの研究チームが27日付の英医学誌ランセットで発表した。健康寿命は介護が必要だったり、日常生活に支障が出る病気にかかったりする期間を除き、自立して過ごせる期間を示す。同チームによると、日本の健康寿命は男性が71・11歳、女性が75・56歳で、男女とも健康寿命は1位だった。この年の日本人の平均寿命は男性が初めて80歳を超え、女性は86歳台だった。健康寿命の男女平均で2位は72・1歳のシンガポール。アンドラ、アイスランド、キプロスが続いた。日本以下は、男性はシンガポール、アンドラ、アイスランド、イスラエル。女性はアンドラ、シンガポール、フランス、キプロスの順。同チームは1990年のデータも算出。世界では90年~2013年に、平均寿命が65歳台から71歳半ばまで延び、健康寿命も57歳から62歳台に延びた。背景としてエイズウイルス(HIV)やマラリアなどの感染症対策が進んだことなどを挙げた。健康寿命は、単に寿命を延ばすのではなく、健康に長生きすることを重視する考え方に基づき、世界保健機関(WHO)が00年に提唱した。

それでも、健康とは言ってもやはりある程度まで行くと多くのお年寄りには認知が有るような気がするんですが、それが肉体の健康と乖離していっているとしたら、介護側にとっては「移動可能な認知症の患者さん」ということで別な意味で大変な負担になるのですが、そこも含めて健康ということなんでしょうね。

ところが、それでもやはり平均寿命が長いとそう簡単に事は喜べないのです。
江西省が出している資料である「平均寿命と健康寿命をみる」という資料によれば、平成22年において男性の場合で9.13年、女性の場合で12.68年という(この時点で男性は70.42,女性で73.62という健康寿命でした。)健康寿命終了後の人生が待っているわけです。

この終了後の人生の質がどのようなものかというのが患者さんや家族にとって様々な人生のドラマを作っていくわけですが、それを考えるとやはり「自分で自分の体を動かせ、かつ、大病を持たないで長く生きることの幸運」というのは私のような生活をしている人間にはまあ、望むこと自体が無理かなと・・・。w

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