2013年12月20日金曜日

大学最後の日

今日は私にとって大学における最後の日でした。

実は大学の教職を辞して来年の1月から日本の私立病院で働くことになりました。と、こんなことを書いても世の中の多くの方にはどうでもいい事なんですが。w
やはり今の状況ではなかなかグラント・マネーの取得状況が厳しいという現実には勝てないということ、もう一つの大きな理由は障害のある長男の為に自分が死んだ後の事を真剣に考えると、流石に自分の道楽だけを押し通すのには「限界」がやってきたことを痛感しました。

既に、二年ほど前からこういう方向転換のことは自分なりには考えていたのですが、この夏頃にこういう決断を受け入れることに前向きになれるようになりました。
本来であれば、こういった考察についてはディビジョンチーフと真剣に話し合うべきなのでしょうが、ラボの周辺でも色々あって、結局、彼ともこの夏に真剣に身の振り方に関する話し合いを行い、グラントの獲得状況を考えると、このままでは厳しいという共通の認識のもとに大学を辞めて医師としての仕事に戻る事に決定しました。

そういった状況をNIHの同じラボで働いていた大先輩に当たる方にメールしたところ、即座に骨を拾って下さるという有り難いメールを頂くとともに、研究も継続できる環境に有ることを話していただきました。
もともとこの方は私なんかより「遥かに」研究能力の有る方でしたので、私にしてみればこの先生と研究出来るだけでも実際のところ僥倖なのですが、おまけに仕事のオファーまで頂けるということで、私としてはもうこれ以上の仕事はあり得ないだろうと、感謝感激していました。

更に恐縮すべきは先方の先生は私のわがままを許して下さり、この夏に行った内々の決定から来年の1月初旬までの間、私がいろいろと整理してから帰国することを許してくださった事でした。

そして、今日が最後の大学出勤日。多くの人間達と関わりあった10年間の大学教員、PIとしての生活でしたが、本当に多くの経験を積ませて貰えたという感謝の気持ちで一杯です。

リーマン・ショック以降、研究者にとっては厳しい予算状況が続く日々ですが、残っている日本人の先生方をはじめ、多くの同僚たちには心からのエールを送る私です。
来年の1月8日にはここリッチモンドを発ちますが、大学の研究業績が継続的に上昇していくことをひたすら祈るばかりです。

実は家族は私とは一緒に帰らず、後三年半の間ここに残ります。一番下の娘が高校に入ったばかりで、こちらの大学に受け容れられるその日までは家族が残ることになります。一番上の娘は今、大学の二年生ですし、まだまだ頑張るしかありません。また、長男は幸いなことにこちらで20歳になるまで高校生として教育が受け容れられますので、ちょうど嫁さんと息子は次女の大学進学と同時に帰国する手はずが整うことになります。

さあ、これから始まる私の日本での逆単身赴任研究生活、どうなることやら、、、。

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4 件のコメント:

misssy さんのコメント...

はじめまして、いつも辛口の投稿を楽しみにしていました。そちらのリタとはマウスがらみで長い付き合いです。日本へ戻られるのですね。彼の地でのさらなるご発展を祈念しています。

small G さんのコメント...

missyさん、ありがとうございます。
僕の投稿「辛口」でしたっけ?w
自分では抑えてたつもりだったんですが、、、。
そう言えばリタ・シャンも遺伝性の骨疾患で淡々と仕事をしていますね。BMPという骨に関する分子の中心に位置するものをとりあつかうmissyさんの今後のpublicationの進展ととbudgetの継続的な獲得を日本より祈念しております! 経済の状況に猛烈に揺さぶられたここ数年のアメリカのサイエンスですが、missyさんのようなソリッドなサイエンスが必ず大きく形となって芽吹くことを本当に応援しています。わたしもリサーチは止めませんので、今後またどこかでmissyさんにお会いして勉強させてもらうことがあるかもしれません。
その時はこちらからお声をかけさせてください。

misssy さんのコメント...

逆にエールをいただきありがとうございます。辛口というか、正直なコメントにいつもうなずいていました。日本の研究環境などについての率直な感想など聞けること楽しみにしています。BMPの下流でGタンパクが働くケースもありますので、こちらも勉強させていただく機会があるかも知れません。

small G さんのコメント...

missyさん、また日本へ来られる機会がありましたらご連絡ください。大きな結果を携えられ、時にはその果実の種を日本にも撒かれてください!