多様性の話となると、生物多様性の話が良く俎上に登りますが、実際に世の中のあらゆるものが実に多くのカテゴリーにおいて多様性を保つべく激しい競争が繰り返されています。
生物多様性一つとっても、実はそれを人の中に当てはめると人種、国籍、部族、宗教、信条なんかを軸にその違いを他のグループとの差別に用いて自分のグループの勢力、権益を拡大するのに大忙し。(しかし、それも極端になると第三帝国のユダヤ人絶滅計画やコソボのエスニック・クレンジングのようなとんでもなく恐ろしいことになりますが。)
また多様性の話をコンピュータ関連の世界の事に持ってくると、今度はOSやブラウザのシェアの話になってきます。例えば実際にコンシュマーの世界ではPCに搭載されるOSはウィンドウズとマックOSの二種類を持ってほぼオシマイ(比率はお話にもなりませんし、個人的にはUbuntuというのも使っていますが、、、)。ブラウザの方はもう少し賑やかで、IE,クロム、ファイアフォックス、サファリ、オペラくらいでしょうか?
しかし、国や機関によっては未だにIEが標準指定となっているところも沢山あるわけで、PCを買ってきた時点でついてきたオリジナルのブラウザをそのまんまアップデートせず何年でも使い続けるような人も実にたくさんいるわけです(勿論自動アップデートシステムを取り入れているような、最近のものになる一世代から数世代前のものまで多岐にわたっていますが)。例えば、比較的高齢の方であればそういうことも当然有り得るし、年令に関係なくセキュリティーの事など何の関心もない人達も一定の割合で必ず居るわけですから、もし悪さをしようとする輩が相手の利益を狙おうとすれば当然、この中で最大のプラットフォームの上で走っている最大のシェアを持っているブラウザを狙ってきます。
そして起こるのがこのような事件。実際にこの事件はドイツ政府全体を慌てさせているレベルの事件ですし、この、政府を慌てさせるレベルに類する事件も今までに沢山あります。また、既にこのバグを使ったセキュリティー・アタックで実際の被害も既にではじめているというセキュリティー会社のお話もどうやらあります。
しかし、これがもし十年前だったらどうだったでしょうか。プラットフォーム、ブラウザ・シェアの多様性は今よりももっともっと低くて、一発のセキュリティーホールで全体の7ー8割がカバーされてしまうという事が普通に起きていたはずです。(実際に頻回に起きていましたが!)
そういう意味では、少数の者(物)を決して排除しないというのはものすごく重要なことだと思います。結局また生物の話に戻りますが、モノトナスな群が免疫のない侵襲を受けた時には「絶滅」の二文字がピコピコ光りますからね、、、。しかし、他に少数でも残っていればそこが最拡大してくれますから。
考えてみれば、今の人類の歴史も実はこういった自然の壮大な実験の帰結なんでしょうかね。
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