今日はちょっとしたことから単位のことを考える機会が有りました。
時間、長さ、温度、重さといった身の回りでもっとも日常的に使用する物理量を決定してきた歴史と現在の定義法に関するものを改めて読んでみて、時代ごとにドンドンとそういったものが変化していることを実感しました。
この話はSI基本単位という話にまとめられているのですが、世界で共通に使える普遍的な尺度を決定するための戦いはやはり人類の知恵そのものです。
例えば現在では一秒というのは「セシウム133の原子の基底状態の2つの超微細準位の間の遷移に対応する放射の周期の9,192,631,770倍に等しい時間」、1メートルというのは「1秒の299792458分の1の時間に光が真空中を伝わる行程の長さである」で、1度は「ケルビン(K)で表した熱力学温度の値から273.15を減じたもの。つまり水の三重点を0.01°Cとし、水の三重点と絶対零度の温度差の273.16分の1を1°Cとしている。「273.16分の1」という数字は、セルシウス度における1度の温度差をそのままケルビンの1度の温度差として使用するためのものである。」と記述されています。
ところが、重さ(≠質量)の定義は本当に曖昧で、少なくとも絶対的な物ではなく未だに1キロというのをどういうふうに定義すのかということに関して本当に沢山のアイディアがあることが記されています。
重さの定義の歴史というのはまさに誤差との戦いで、厳密さを追い求める人達の間で、一度作った原器を元に如何に正しくそれを保ち続けるかということを「その時代時代で可能な最高の技術」を使って行っているところが本当に面白い。
今回は単位というものを通した出来事でしたが、どんなエリアの仕事であっても、最高のものを追い求めようという人間たちがいる限り人類の進歩は決して止まることは無いなと感じた宵の口でした。
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