これはもしかしたら自分のような立場の人間には良いかもと思うような記事。
記事はココにあったちょっとした記事なんですけど、「加藤茶が長生きするのかもしれない」と書いてあるのにちょっと興味を惹かれて読んでみたらなるほど、そういう論法でお話を持ってきますかという、ちょっと笑ってしまうような話なのですが、、、。
読んでいただくと解るように元記事はさらにAFPのこの記事なんですが、その話にもまた大本の論文が当然あって、それをPubMedでいつもの様に検索してみると、、、ありましたありました。これがそうです。
要するにこのDrosophila melanogaster(研究者にはお馴染みのハエです。)の研究者が作ったsuperoxide dimustaseという酵素の変異を導入したハエをもともと長寿のハエや若いハエなどと混ぜて飼育した所、ストレス耐性や運動能の著明な改善があったという報告で、既に発表自体は2008年のものなんですね。
若い人の「エキス」とでもいうべき何かが今流行りの「アンチエイジング」とでも言うべき作用を何らかの形で人に及ぼしているのでしょうか。僕が面白い思ったのは、この研究者達が、こういうsocial interactionをハエ同士でさせてみてその結果を引き出したというところです。
まあ、結果自体も面白いのですが、それ以上にこういう事を考えだしたと土台というか素地がこの人達の発想の中にあったという事実に強い興味を持ちました。
色々研究の中で考える実験はあっても、実は頭の中で時間、お金、人員の都合などで、あれこれと試行していく上での障害要因がないかどうかを必ずバーチャルに考えてみるのです。その結果、グラントなどでもそういう部分で現実にはどうも達成できそうにないレベルのことは自然とグラント提出時のタイム・フレームの中から事前に除外というか削除してしまうことが多いんですね。
なぜかというと、実際にレビューをしている人間も現場の感覚を持った現役であるかぎり、その実験がだいたいどんな感じで進んでいって、実際にはどれくらいの確率で成功なり失敗なりしそうで、、、なんてことを値踏みして来ますから、「これ、無理ちゃうん?」とクレームを付けてくるわけです。
しかし、本来こういう思考実験は際限があってはいけないはずで、その点ちょっと反省ですね。生地自体は何とも無い加藤茶とその寿命を占うという、良く考えたらちょっと失礼な記事ですが、(笑)考えてみると、そこから自分でたどり着いた結論は日頃の実験考案に対する自戒なのでした。
本当は今日は、大学で若い連中相手に仕事してる自分にはその効果がフィードバックされてるのかも?と言いたかったのですが、どうもその連中から貰う苦労のほうが多くて相殺以上の効果が還って来てるようで。(笑)
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