2011年3月2日水曜日

War Dance

今日はドキュメンタリー映画を観た。
タイトルはWar dance。ウガンダ内戦の影響とその被害者である最も弱い立場にある女性と子供達がどのように民兵たちに取り扱われたのかを淡々と語る映画です。

映画の中では歌や踊りによってその犠牲となった子供達の心を救おうとする活動をする女性やその賛同者たちの活動も同時に記録していきます。
ウガンダ内戦の悲惨さというのはいろいろな記事で読んだり本でも読んでいたが、実際に音声と画像でその犠牲となった子どもたちの声で語られた内戦の真実を聞くと、兵士達が子供達に経験させた吐き気を催すほど醜い行為は、生易しい言葉で絶対に表現できない、そしてしてはいけないほど筆舌に尽くし難い酷さ。皆さん考えたことがありますか、自分の幼い子供達が他の大人たちに命じられて、何の罪もない他人を鍬やナタで体を切り刻み殺すように命じられる日々を。
人間の価値などというものはこの時の内戦では本当に虫ケラ以下のものでしかなく、その内戦は今も続いている。心も体も傷ついた少年少女達がその傷を癒していく過程が少しでも上手くいって欲しいと心から願わずにはいられません。他のフィルムで観たことがありますが、本当に恐ろしい経験ひどい経験をした子供達は言葉を無くし、人間としての最低限の知性をも無くしてしまうことがあるのだという事実。人は体は傷つかなくても、普通は外から見えない心は傷つき、そして二度と戻らないような酷い心の傷というのもあるのだという事実。日常我々が生活している中でも突発的にそういう事が起こることもありますが、この子達がそういう恐ろしい可能性に物凄い確率で毎日曝されることを考えると、私は素直に自分と家族の置かれている立場に感謝するのみです。
先進国の権益に関係ない世界の紛争はこれほどまでに放置されるという隠し難い真実。ルワンダ紛争、ウガンダ内戦、コンゴ、スーダン、シェラレオネ、エチオピア、、、過去50年のアフリカだけでも挙げたらすぐに10や20では済まない大小の内戦があります。
際限無い個人の強欲とhate crimeの行き着く先は「死と憎しみと悲しみ」以外の何物をも産み出さない悲惨で終わりなき犯罪でしかないのです。
この子供達が踊りと歌を通して癒されていく過程はその中でも小さな救いでした。やっぱり、この辺の子供達の遺伝子にはダンスと音楽のDNAというのがもともと刻み込まれているんだなと確信するような素晴らしいものでした。

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