こんな仕事をしない限りこんな面白い体験は一生する事が無いだろうなと思えるほどのいろいろな面白い体験をする事が出来ているんですが、訪問診療にも大きく分けると施設訪問と個人宅の訪問との二種類があります。
施設訪問では数人から数十人の患者さん達を一気に診ていくといくパターンで、診療報酬も一人当たりに換算すると一軒一軒を回らなければならない居宅訪問とはかなり違います。集団で待っている患者さん達を一人一人診察していくといわゆる「効率」という意味では高いのですが、患者さんとの会話や親密度はどうしても落ちてしまいます。
その分、居宅訪問というのは家族ぐるみで我々の診察の中で一緒に患者さんといたり、独居の人でも家の中の様子は丸見えなものですからいろいろと患者さんの様子が判るのです。輪郭が浮かび上がってくるという表現をすれば居宅訪問のメリットが表現できているか、という気もします。
さて、そういう居宅訪問での診療なんですが、実際は皆さんの想像を絶するようなパターンも多々ありまして、とてもとても素足では上がれないような家庭や家中が強烈なタバコの臭いに包まれ、壁一面にヤニがねっとりついているようなところもあります。更にはベッドの下には謎の毛や体表面から落ちたと思われる大量の落屑がうず高く積もっている家なども…。
そして、我々内科医にとって最も困難なのは精神疾患の患者というよりも人格障害を強く疑うような人達ですね。特に薬物依存や病的潔癖症の患者さんなどはまともな会話が通じないような人物も時にいて、一緒に行く看護師さん共々「困惑」してしまうような場面が出現してきます。
ドアのチャイムを鳴らさせず囁くような小さな音でドアをノックしてください、開ける瞬間も音を出さずにゆっくり開けてください、etc,.etc,.と要求は細かく多いのですが、いざ訪問しようとすると、その日に電話に出なかったりで休診…等というトンデモな人も居るんです。しかし、ここにはとても書けないようないわゆるメンタル系のヤバい人も居られまして。
余りにも信頼関係が崩れた場合はこちらからお断りをいれてサヨナラをするパターンもあるのですが、そういう人っていうのはいろいろな訪問診療サイトから次々と断られて転々としているなどという事が多いのです。
要するに自分で自分の居場所を無くしていってるんですね。可哀そうですけどそういう人達は何時でもどこにでもおられます。我々に身体危害が加わらない限りはサヨナラすればよい訳で、なんともないんですけどね。
疲れない訳ではない訪問診療。楽しい事が多いのですが上の様にそうでないこともあるという話でした。
0 件のコメント:
コメントを投稿