2013年6月4日火曜日

治験と利権の話・続き

少し前にここに書いた利権と治験の話、これは友人から聞いた乳癌の治験薬に関するものでしたが、今回は私の個人的な経験をちょっと書いておこうと思います。
某大学の派遣先だった某感染症内科系統の医局が専有する田舎に在る関連病院での話です。感染症といえば抗生剤ですが、ここでも治験は当然のように行われていました。このことを知ったのはホンの偶然でした。そこにある日ネーベン(医者の世界では泊まりのバイトのことを言います)に行きました。
そこには引き継ぎをしてくれた1つ年上の同じ大学の先輩が未だ残っていて、気になる患者さんの様子を引き上げる前に細々と説明してくれました。その後机の上においてある薄ピンク色のインクでプリントされた山のように積まれた書類が置いてありました。
ちょっと気になって、その先輩に「Yさん、これ一体なんですか?」と伺った所、「ああ、それね。抗生剤の治験治験。」といってその概要を説明してくれました。それによると一枚の簡単なレポート(要するに患者さん一人分)を仕上げると六万円が製薬会社からその記入者に支払われるということでした。
その当時は考えもしたことなかったんですが、こうやって支払われた金ってちゃんと課税対象になっているんでしょうかね?まあ、当時は少なくともお隠しになられていたような気が。(笑)
もうひとつの疑問は、、、この当時、自分達がこういったデータ収集の対象になっているって患者さん達にきちんとした説明がなされていたのかという事なのですが、、、これは少なくともこの病院では全くされてませんでしたね。
いま、この21世紀の標準から考えるとそら恐ろしいような話なんですが、こういった金が製薬会社と医師の癒着やなあなあのもたれ合い、果ては改ざんデータの採用というところまで当然のように及ぶであろう影響を考えたら、もうアタマが痛いのを通り越してしまいます。
然しこういったことって表には出さないし、当時は出てきようもないものだったんでしょうが、こういったネットと言う世界が出来上がってくると、天網恢恢の世界になっていくような気がするんですが、年寄りの先生方には関係ないのかも。
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