2011年4月23日土曜日

東電の薔薇色の日々にサヨナラ

日経ダイアモンドで興味深い記事を見つけたので転載。(いつも一定期間の後、跡形もなく消えていきますので。)こういうことをこのどさくさに紛れて官僚たちが決定していくんですよね~。政府の方に当事者能力がないからこんなことになっていくんでしょう。これに関する私見は記事の後。


国民への安易なツケ回しとなる大甘な東電支援策
原発事故により今後巨額の賠償負担を負う東電に対する政府の支援策が、ほぼまとまりつつあるようです。そのポイントは被害者への補償金支払いを支援するための新機構の設立で、来週後半にも閣議決定されるようですが、現時点で判明している概要からは、東電と金融機関に甘く、国民に安易にツケ回ししようとしているとしか考えられません。
支援策の概要
4月21日段階で判明した情報からは、支援の枠組みは概要以下のとおりと思われます。
・基本的には東電が自己資金で補償金の支払いを行なう
・東電による補償金支払いを支援するための新機構を設立する
・新機構には、原発を持つ電力会社が負担金を拠出する他、政府が交付国債を発行し、また金融機関の融資に政府保証をつける
・東電が賠償で債務超過に陥りそうな場合、政府に特別援助を求め、政府が援助を決定すると、新機構が東電に資金支援を行なう他、必要に応じて資本注入(優先株引き受け)を行なう
・東電は、将来の利益から長期間にわたり新機構に返済を行なう
もし実際の支援策がこの通りの内容となった場合、東電や金融機関に非常に甘いと言わざるを得ないのではないでしょうか。東電をなんとか延命させ、税金負担も最小化し、金融機関への影響も最小限にとどめようとして、その一方で電力料金値上げという形で国民にツケ回ししようとしているからです。 企業再生の基本を逸脱したやり方 東電は株式公開企業です。通常、株式公開企業が事業に失敗した場合、まず企業が厳しいリストラなどを通じて債務を返済し、それでも足りない場合は、減資という形で株主が、そして金融債権カットという形で債権者が責任を負うというのが、市場のルールのはずです。 それなのに、今回の支援策をみると、これらのまず最初に責任を負うべき者の責任負担があまりに不十分です。 ボトムラインは守るべき そう考えると、この支援策はとても評価できません。経産省は東電を延命したいし賠償が不十分と責任を追及されたくない、財務省は国の負担を最小化したい、金融庁は金融機関への影響を最小化したい、という関係省庁の思惑が最優先されたスキームで、そのツケはすべて国民に来るからです。 ちなみに、どうやらこの支援策は官僚によって作成され、官邸の政治家はほぼノータッチだったようです。被災地への支援策が遅い(阪神淡路大震災では地震から40日で補正予算と法律11本が成立しているのに、今回はどちらもまだ)という点もさることながら、このように安易に国民負担を求めるスキームの策定を野放しにしているというのは、官邸の無責任も甚だしいのではないでしょうか。 それでも、おそらくこのスキームのまま支援策が決定されるのでしょう。だとしたら、せめて東電の抜本的なリストラ、かなりの規模の減資と金融債権カットだけは、機構設立の前提として是非行なってほしいものです。特に東電のリストラについては、東電の言い値など絶対に信じてはいけません。監査法人についても同様です。会社更生に近い形で、ちゃんと選任された管財人が行なうべきです。


東電の社員の給料を2割カットするようですが、こんなの直ぐ済し崩しで元に戻るに決まってます。労働組合が年率数%のレベルで「こっそりと」昇給をリクエストしていけば良いだけですから。20%が仮に決定したとしてもフィルアップは容易すぎ。
まずは役員の報酬は全額返納は当然。社員の給与も4-5割の減額でその時点での総支給額にキャップを付ければ良い。後は給料増やしたければ、事務方の大幅なリストラしか無いでしょう。現場の方は人数減らすのは極端に難しいでしょうから。それだけカットされても残りたいという事務方だけ残ればよし。要するに東電社員としてのバラ色の未来なんてもう少なくとも君たちが生きている間は絶対に無いということを再確認してもらわなければ。(まあ、少なくともこれから数十年は自分から喜んで東電社員であるという名刺を差し出せるのはピントのズレた人間だけでしょう。)
それが嫌なら国家の管理下に置いてしまうというのがもっと手早いかな。言ってみれば東電社員の皆様が入社して以来一度も想像すらしたことのなかった非常事態で、現代の奴隷制度のような状態に強制突入させるという方法。無論、税金で運営してるわけですから、あの程度の能無し役員でも年額報酬3千万とか全く有り得ないことになります。それが嫌ならどこか他の所に天下れ。(笑)国家公務員の身分にはしないけれど、国家には管理されるなんて要するに身分保障は無しで国の言いなりにはならないといけないということで、、、まあ、想像する限り最低の仕事ですよね。
東電の株式を持っていた債権者は残念ですが、これも資本主義社会の単なる一側面というわけで減資を完全に受け入れてもらうしかないでしょうし、それが当然のステップだと思います。日航のような形でさえ甘いという気がしますがここは当然それ以上の厳しさで臨むしか無いでしょう。当然「保養所」などという前時代的なものは東電は全て売却、自社ビルも土地も全部売り払って資産はできるだけキャッシュに換えて返済。リースでビルに残ること。
それとも東電の本社を福島に集中して移設するというのはどうでしょうかね?これなら福島にずっとお金を毎月落とせますし、税金も登記上の本社位置を福島に変えてしまってガンガン収益を福島その他の東北に落とし続ける。あとは、社員の皆様が福島県人と一体化することによって、今までのように車に傷をつけられたりすることも無くなるでしょう。(学校に行く子どもがちょっと可哀想ですが、、、。)
もう一つ大事なことを。
実際に福島原発に行って原子炉建屋の中に突入して作業をした子請け孫請けの外部社員への将来にわたる無償での完全な医療保障を行うこと。将来にわたって、これから産まれてくるその人達の子供さん達に何らかの障害が出てきたときには完全に一生にわたる金銭面での完全サポートをすること。更には今回の現場復旧作業にあたった人間には東電の人間で有るか否かにかかわらず最低でも1億の即金での補償を行うこと。命を賭して(この場合はほぼ「捨てて」)作業をした人間にはその本人の意志にかかわらず手厚い・分厚い金銭的補償を追加するべきだと思います。建屋に入ったもしくはその極近傍で敢闘した自衛隊員、消防隊員、警察官を含めて。いうのが私見です。
話はそれからでしょう。
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