今日はちょっと驚いたことが。
病棟でカルテに新患さんの情報を書き込んでいる時に事件発生。
いつもはビビリの新人看護師さんにいつも説教を垂れている大御所?のおばちゃん看護師さんが今日フイに私の方へ寄って来て小さなボロボロの本を差し出しながら「先生、甲状腺クリーゼってどんな病態なんでしょうか。私の本に載ってなくて、、、。」と言ってきました。
甲状腺の基本的な反応の経路や要素を知らないと説明してもこの手のことはほとんど意味がありませんので、「どうしたの?」と訊くと「いや、入院患者さんの事でチョット気になることがあって」と言われました。
それよりも何よりもこの看護師さんが出してきた本人言うところの「教科書」という本の奥付を見て二度ビックリ。
昭和51年第八刷増刷とかいてあります、、、。orz
オリジナルはこの版で三版ですが、その一刷は何と昭和42年。(;´∀`)
多分このおばちゃんが看護学生から看護師になったばかりの頃に買ったであろうこのミニ参考書をオバちゃんは後生大事にその医学知識の源泉として使い続けていたんですかい???俺が小学生の頃の医学知識で今の医学を眺めてたの?
15年前の医学書でさえも隔世の感のあるこの日進月歩の医学の中で、半世紀近く前のタイムカプセルから拾ってきたような知識で記述された本で患者さんを眺めていた人が身近に居たと、、、。
電子的索敵能力とステルス性能のぶつかり合いが勝敗を決めるこの21世紀の航空戦が行われている戦闘空域にミグ15がいきなり登場してきて、当時の最新のバルカン砲を浴びせられた気分でした。w
「Aさん、やっぱり勉強したいならある程度は新しい教科書で調べるか、ネットで検索してみるのが良いんじゃないでしょうか」と言いました。しかし、それには何とも気乗りしない様子。「もう、退職間近なのにお金をつぎ込んでもね〜、、、。」とのことでした。orz
こういった知識は常に最新の標準とされる文献をもとに知識を増やすべきではないでしょか?と一歩だけ踏み込んだことを言いたかったのですが、御本人に新しい知識を新しい本から得ようという意欲は見受けられなかったので、それ以上は何も言わずににっこり笑って「クリーゼのことは詳しくないんでゴメンね〜。主治医の先生に聞いてみてください。」と言って静かにもう一度大海原へ舟を押し戻しました。w
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