2013年3月28日木曜日

海外の日本人研究者のネットワーキング

この前のJSPS(学振)ワシントンオフィスでのポスドク、PI等の会合以来色々と関係者間でメールがやり取りされています。
全米に散らばる日本人が所属、もしくは主催するラボの入った各大学、研究機関の相互交流や将来的な互助も視野に入れた活動を目指しているネットワークの基盤作りが今回のテーマ。どのように最初のセットアップするかが結構大きく将来の動きに影響を及ぼすと思われますので、この点を揺るがせにはできません。
特に、ポスドクの将来の働き口を探す活動の援助、研究者間でのグラント獲得戦略の練り込みも大切ですし、日本ではなくアメリカでもそのキャリアを構築していこうとするPI達のラボ間の情報交換と内情の提供も中国人やインド人の口コミネットワークに比べればまだまだ実にお粗末なものです。
科学の方法論と展開で実力があっても、英語のハンディとその図々しさの少ないキャラクタ、そして得られる就職先、ポスドク応募先情報の欠如のために大きなハンディを負ってしまうのであれば、それは日本人の科学者達、及び日本にとっても大いなる損失と言わざるを得ないと思うのです。
物凄く飛び抜けた才能で荒野を切り拓くが如き稀有な人物も間違いなく存在するには存在するのでしょうが、整数論の研究者に見られるような紙と鉛筆、そしてその人物を育ててくれる超一流のお師匠さんの存在だけではバイオ関係の研究はナカナカ前進するものではありません。
場所、人、設備、情報のすべてが揃った上で、知性と意志と運を持った人だけが特別に高い所に辿り着けるのがこの世界。その世界に若い人を誘うにはそのトップを知った人達の存在も重要ですし、そういったところとは残念ながら繋がっていない僕のような大凡人も多分色んな意味で役には立てると思います。w
結局は何らかの世界を拡げて構成しようと思えば、どうしても裾野の広がりというものが大切ですから、自分がどのポジションに居ようとも、それなりの年齢と責任を自覚してくる歳になれば、必然的に若い人たちに新たな道を紹介していくことも酸いも甘いも知ったオッサンの大切な仕事だと強く思います。
今後の横の繋がりの強化の過程でどのような新たなアイデアが出てくるのか、そしてそれがどのような形で具現化されていくのか、最初は荒く、そして最後には綿密なプランを伴って、他の研究者達とステップワイズなやり方を突き詰めていけたらと思います。
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