2012年10月14日日曜日

早速登場! iPS詐欺w

山中先生がiPS細胞でノーベル賞を受賞した直後から「案の定」出てきたノーベル賞絡みの詐欺。

事の発端は実に単純で、ある屑新聞のバカ記者が森口氏という人物から伝達された内容の裏を確認もせず、伝聞の科学的内容を調べもせず正しく「聞いたままに」本人の口から伝えられたコンテンツを新聞の特ダネの一つとして発表してしまった事がその始まりでした。

もう見ていて痛々しいくらいのどうしようもないくらい虚飾に満ちた森口氏の発表なんですが、まず第一弾の発表があった時に私が???と思ったのはそのiPS細胞の作成方法でした。私はiPS細胞の世界からは距離の遠い人間なので、詳しくその最先端部分を知っているわけではないのですが、それでも今起きている事の興奮に関しては人に説明出来る程度の知識は不定期に読んでいます。山中先生の研究で核心(革新)的であって大切だったところは「どの遺伝子を戻せば(導入すれば)体細胞がiPS細胞へとその性質を改変することが可能か?」という点でした。今ではかなり手技や方法も確立されてきたということですが、少なくともその遺伝子導入を巡っては考えただけでも気が遠くなるような、検証をしなければならない多段のステップが待ち構えているわけです。ちょっと思いつくだけでも、
  • 一体何を戻せばいいのか
  • その数をどれだけ絞り込めるのか
  • 絞り込んでiPS細胞の定義に見合うものが出来たとして、遺伝子導入によってそれが長期的にも癌化や変性などの好ましくない形質をもたらさないか
  • また、正しく得られたiPS細胞の株としての長期安定性は
  • 更にそれが得られたとしてもいったい生物学的メカニズムの何がその現象を可能にしているのかという根源的な問い
等など、たとえ24種類の遺伝子が出発点として絞りこまれていたとしても、最後の科学的大団円までにはこれまでも、そしてこれからも、死ぬほど無限の試行錯誤が予見されるわけで、そこを超人的な努力と人力、特許競争などとの時間的制約と戦いつ受けながら初期の大きな壁をぐいっと乗り越えた山中先生にはこのエリアの先駆的巨人としてノーベル賞が実に相応しい栄誉だということになるわけです。
しかし、ここで再び先ほどの疑問点に戻ると、記事内では「二種類の薬剤を用いて作成されたiPS細胞云々、、、」とあります。確かにそういう試みがあることも薄々は知ってはいましたが、それが上手く行って実際にトランスレーショナルな領域を乗り越えたレベルで臨床治験が始まったということが書いてあるものですから「ハーバードなら無いとも言えないかもしれないかもしれないかもしれない。でも、、、。」と頭の中に留めておくくらいでした。するとどうでしょう、2日も経たずどうやらそんな事実は無い、ということが白日のもとに晒されてきて更には本人自身の口から記憶が云々などというどっかの政府の高官みたいな台詞が出るに及んではもうフォローする価値もないほどの三流スキャンダルに成り果ててしまいました。(笑)

前から何度も書いてるんですけど、新聞社に問わず語りで自分の研究成果をリークするような行為の裏には何かが卑しいものがあるということが記者の嗅覚として備わっていないということ、かつそれを権威の名のもとに信じこむボンクラさが痛々しいです。一体どんな連中が新聞記事を書いているのかということがよく知れる失態です。

真に偉大な知見は新聞社などに伝えなくてもまず科学の世界ではその論文成果を引用する「引用論文数」の激増とその論文が「レファレンスとして通用する長さ」が全てです。一旦メジャーな雑誌に掲載されても普遍性がないもの、本質的に重要でなかったものは時間という厳しい試練に洗れて流れ去り、本物だけが残るのです。
未だに50年、60年前の論文でレビューの基本文献として記録され続けるもの、そして引用回数がすでに1000回を容易に越えるようなものなど世の中には物凄い論文がありますが、これらが元になってノーベル賞などをとっているものでも、決してインパクトファクターの高い論文に初期掲載されたものではないことはむしろ多いというか大多数ではないでしょうか。

この森口さん、東大、iPS、ハーバードなどの所謂オーソリティーになりうるキーワードという衣を纏って人を騙そうというような愚かなことをして、山中先生の偉業にケチを付けてくれたわけですが、金が絡んでるだけに詐欺事件として告訴されるかもしれませんね。ハーロー効果でも狙ったんでしょうか。w
無論、科学者?(まあもとから十分「似非」ですがw)としてのキャリアは既に詰み状態。でも彼の関わった論文にはもしかして未来があるかもしれません。それは「偽造論文としてのレフアレンスとして歴史に名を刻むこと」です。

多分、これからも科研費欲しさにヤバイ橋を渡り続ける連中が出るに違いありません。酷さに程度の差こそあれ「絶対に」嘘データを出してくる人間が現れると思われます。金の集まる領域には成果だけでなく「必ず」ハエも集まります。
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