2010年7月8日木曜日

最近問題になっているアリゾナ新移民法

NPRを聞いていたら、アリゾナでの新移民法が連邦の移民法に違反するものとして提訴されたとのこと。この国の移民の歴史とその流れに関しては駐日本アメリカ大使館のウェブサイトでアメリカの移民の歴史についての秀逸なまとめ記事があるのでここにそのリンクをはる。それにしてもこの国は移民の度重なる大波に洗われ続けることによって成り立ってきた国だ。インディアンを蹴散らしたイギリス・ヨーロッパ系の移民に始まり、19世紀初頭のカトリック系移民排斥のうねりとそれに続く19世紀後半のイタリア系・ユダヤ系排斥の運動。そして中国人の排斥とアジア系の排斥。そしてそれが今はヒスパニック系の排斥に置き換わってきている。国の成り立ちからして移民無くしては成田たたなかった国家なのだが、そこには先住者としての利権を保持しようとする者とと後からやってきた(一般的には)貧しい移民達とのせめぎ合いの歴史でもある。そこには常に移民が社会不安を煽るという思想あり、犯罪者を産み出すという考えがあるのも間違いない。実際、食いっぱぐれ者の中には、まず食うものを手に入れるために手っ取り早く犯罪に走る連中もいるのは多分どこでも同じことなのだろう。面白いのは、どの世代であっても、例え以前は非情の扱いを持って排斥された過去を持つ移民集団の子孫であっても、今こうやって現在の安定を得た人間の多くはそれをケロリと忘れて移民排斥に是というのである。ここで大事なのは非合法の移民を合法の移民と分けて叩き出そうという考え方なのだが、これが実務上は相当の無理を孕んでいる点だろう。アリゾナでもlaw enforcement(まあ、通常は警官がメジャーだと思いますが)がそれらしき人を捕まえて任意にその出自と背景を問い詰めることが出来るという点にあるのだと思います。まあ、この国は何度も揺り戻しを経験しては進んでいく国ですので今回も形を変えた愚行の一形態なのでしょうが、、、。まあアリゾナなんかは確かにメキシコと国境を接しているためその手の問題は日常のものなのでしょうが、メキシコ人の友達に言わせればアリゾナもニューメキシコもあめちゃんがメキシコの内政不安につけ込んで泥棒していった土地だということになり、正義の見方(味方)が180度入れ替わってしまうのでした。(笑)非合法の極みはどっちよ?と歴史を紐解けば、、、。何だか日本にいて何世代にも亘って国籍を変えずに選挙権だけ要求する変な人達とはまた毛色が違いますが。
話は変わりますが、今回ちょっと見つけた記事にこんなのがありました。アメリカは移民を受け入れ続ける限り進化するでしょうね。

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