2012年7月13日金曜日

偽金見つけたぞ!

今回のカリフォルニアへの旅の途中で寄ったネバダの小さな銀鉱山の街バージニアシティのことは既にここで数日前に書きまましたが、実はここで面白い買い物をしました。
アンティークショップを回っていた時のこと、ガラスの陳列ケースに銀貨が並べてありました。正確には銀色をした貨幣というべきなんでしょうか。近づいて良く見てみると、それは日本の古い銀貨のようです。しかも三枚も。紙とセロハンでお約束通りラップされたそのコインには[Japan/$5]と周りに書き込まれています。銀貨、、、5ドル?とコインの収集家でない自分にはその価値や値付けの妥当性が全くわかりません。昔からあるアメリカ一の銀山ですから、ここに銀鉱を掘りに来た昔の日本人由来のものがあってもおかしくはないかな?位の気持ちです。
面白そうなので、店の方にそのケースを開けてもらい、三枚並んでいるその銀貨を見せてもらうことにしました。手に取って裏と表を見てみると、どうやら明治十二年の一圓銀貨です。思わず「おお!御先祖様よ!こんなところであなた方の子孫と出会いましたか」位の感慨を持ったのですが、ちょっと気になることがあります。それは三枚とも明治十二年の銀貨であることでした。ウー~~ンとは思いましたが、、、しかしまあ、高々五ドルの銀貨。「万一」偽金だったとしてもそれは良い御土産、且つ素晴らしい話のネタになります。(笑)迷わず一枚買いまして、のちの愉しみにと取っておきました。
さて、その日の夜、すっかり買った銀貨のことを忘れてロッジでマックをいじっていたところ、A婦人から内線の電話が入りました。その内容はこの一円銀貨の驚きの価値。ネットで調べたところ、本物、且つ美品だとすれば一枚68万円にもなるというのです。思わず「エ?本当ですか??」と聞き返してしまいましたが、同時に「本物であれば」という付帯事項もつけられました。内心、「うーん、もしそうだとしたら五ドルで今回の旅行費用を全部賄ったかも?」等と宝くじ気分にもなったのです。急遽、ネット上の情報を検索し、ニワカ・コイン鑑定士へと変身!!w
その結果判明したことはニセ一圓銀貨には幾つかの特徴があるということ。(偽物全般にある程度共通の事らしいのですが!)如何にその主だった内容を書き連ねると、、、。
  1. ダイキャスト(鋳造)かプレス(圧延)か、どちらで作ったかによって、その表面の様子が異なる。無論、近代貨幣はプレスによる打ち抜きですから、表面の無地部分は滑らかでなければならない。鋳造ものであれば、その部分に砂目と呼ばれるザラザラした感じの模様ができる。
  2. 本物より極僅かであるが小さい。(鋳型をとった分その経が縮まる。)また、真ん中が盛り上がっていることが多い。
  3. 鋳造により、巣が入っていることがある。(おかしな盛り上がりや、凹み。)
  4. 本物の周囲にあるべきギザギザの数が異なるもの、また、ギザギザが等間隔でないものが殆んどである。
  5. 重さが決定的に違う事が多い。
などなどということが判りました。
そこで、これらのことを念頭に置いて自分のコインをよーーく見なおしてみますと、、、。一番の砂目らしきものが確かにあります。w二番に関してはどうやらそういう盛り上がりはないのですが、これは素人だからわからないだけかも知れません。三番の巣に関してですが、、、「大日本」と書いてある文字の「日」の部分の左側に極々小さな直径0.5ミリほどの盛り上がりがあるようです。更にギザギザをよく見てみると、九十九%はほぼ等間隔なのですが、本当に一個位が、他の部分に比べて間隔が短くなっています。これって、ギザを刻印していった挙句、最後の最後で辻褄が合わなくなった可能性があるかもということでですよね。また最後の重さですが、これは手元にスケールがないので判りません。ラボに行けばグラム以下、下四桁まで出るスケールがありますので一発です。因みに正規の一円銀貨は26.96グラムなのだそうです。
ということで、限りなく怪しかったのですが、翌日この銀貨を持って他の二枚と付き合わせてみますと、何よりも怪しかったのは「日」の字の脇に他の二枚も盛り上がりがあったことでした。これを確認して、個人的には99%黒だなと思っていたのですが、偽物だとしても個人的にはより面白いし、なにより、明治初期の銀本位制度の物凄い勉強になりました。(この坂の上の雲の時代の日本の銀輸出と苦闘の歴史が実に面白いのです!マジで。)
後は重さですが、、、本日ラボにて量ってみましたところ20.52gでした~!(笑)思い出の品として一生大事に持っていようと思います。物事を容易には信じないのが習い性の私の仕事の因果ですかね。残念ながら有頂天になりきれませんでした。orz
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