2010年2月19日金曜日

歴史の変わった瞬間

9・11の空撮写真が数日前から公開されるようになっている。

既にもう十年近く前の話になっているのかと思うと歳月の進む速さに驚くばかりだ。
実は前にもちょろっと書いたかも知れないが、この歴史が変わる瞬間にもしかしたら居合わせたかも知れない自分がニューヨークにいたのだ。
実は9・10にNIHに当時いた友人がマイケル・ジャクソンのコンサートのチケットが余ってるから運転するのに眠くないように横で座っとってもらえんか、と言うことでお誘いがあったのだ。
メリーランドからI-95をひたすら北上し、久しぶりにNJターンパイクを通過。懐かしのマンハッタンが見えてくる。それあら渋滞のリンカーントンネルを抜けて数ブロック先の馬鹿高い駐車場に車を停めてMSGへ。
名前は有名だが入る機会の無かった自分にとってMSGは何だか中学の頃に流行った良くわからないMSGのバッグが眼の前にあるような変な感じがした。(笑)
当時、恋人?友人?等と囁かれていたエリザベステーラーもNYで友情出演のためにいたのだが、確か私の薄い記憶では昨日までは出ていたけど当日の公演では出てなかったような思い出が有ります。
(間違ってたらすみません)
あの有名なムーンウォークなんかを見た後、何だか人生で一度は見ておけばそれでオッケーと言う感じの帳面を消した思いで会場を後にした思い出が有ります。その後、久しぶりなのでマンハッタン島から出て、東側の対岸に行き東京なんかとは違う感じの摩天楼群をじっと暫く眺めていました。
大学院生の頃に三週間程メモリアルスローンケタリングで研究をした頃に時間を作っては歩きまわったマンハッタンのその中でも思い出深いWTCが綺麗に見えていました。小一時間ほどそうやってボーッと見ていたでしょうか、車に乗り込んで一路メリーランドまで南下、途中でガスステーションに立ち寄り、試しにと思って飲んだ激マズのマウンテンデュー CODE REDのことが今でも鮮明に思い出されます。
家についたのは四時頃だったでしょうか、家族も既にすやすや寝てます。当時アメリカに遊びに来ていた両親も寝ています。それはもう9・11の朝です。
朝何時くらいだったでしょうか、突然嫁さんから「起きて起きて!凄いことが起きてる!」と揺り動かされました。何事?眠いのに勘弁してくれよと、、、テレビの前に行くとオヤジが画面を指さしながらペンタゴンとWTCに飛行機が、、、とか何とか訳の解らないことを言ってます。
おいおい、私そこから今朝帰ってきたんですけど~と、半信半疑で画面をみているとどうやら、とんでもない事が起きているようです。その後は事故かも、、、それにしてもこんなことってありか?と思いつつNIHに通常のように出勤していきました。すると、NIHでは政府の建物から緊急避難する指令が既に発令されていて、皆ワラワラと蜘蛛の子を散らすようにビルから人が出てきてました。ちょうど自分の進行方向とは正反対。
そうやら何だかとてつもないことが起きてるようだと漸く悟り、ラボに行くとネット中継を見ていたスペイン人のポスドクが何か絶叫しています。慌てて駆け寄ると二機目の飛行機が眼の前でまさに衝突する瞬間ではありませんか。もう皆何がなんやら訳がワカランと言う感じで茫然自失。

言葉も無い、と言うのはこのことでした。

あっという間に軍服を来て自動小銃を持った兵士が全敷地内に展開しものものしい雰囲気に包まれました。その後のアメリカは本当にセキュリティーと言う意味でそれまでとは「全く」違う国になってしまいました。詳しく書くともう本になってしまうんでこんなサマリーにして書き残しておこうと思った次第です。あの当時には公表されなかった数葉の写真から想い出した、当時の慌ただしい何時までも消えない生々しい記憶です。

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