2025年5月31日土曜日

パズルの苦手な人

今日は変わったお願いをされました。

病棟である看護師さんが娘さんの話をしていたのですが、その娘さんがジグソーパズルが大好きで、100ピース程度のパズルを作っては悦に入っているとのお話でした。その話に絡んできたのは看護師免許を取ったばかりの女の子。

その女の子がしみじみ言うのは「もう全然パズル作るの苦手なんですよ!滅茶苦茶気に入っているアナ雪の図柄のパズルがあるんですけど、千ピースの奴でとても自分じゃ作るの無理だから周りの友達に頼んだんですけど、誰も作ってくれないんです」というお話。

そのあと、実際にこれを作りたいというアマゾンから引っ張り出してきた画像を私にみせてきたのですが、図柄の多い大して難しいとは思えないタイプの図柄。

これだったら気合い入れなくとも一日で出来るなという感想しか出てきません。こういったパズルを何時も息子が作っているのを見ているので、その難易度というのは容易に推測できます。それをベースの判断材料としてもおそらく当初感じた推測は間違いありません。

そこで私は一言「作ったろか?」と言いました。

すると彼女は大げさに「えーっ!」と言ってお金を払わなくても作ってもらえるんですか?等という訳のわからない質問を返してきました。私自身はこの質問に逆に驚いて「何を言っとるんだ?」と言ったのですが、こういった質問は想定していなかったからこその驚き。改めて金など頂く必要などないことを念を押して確認してあげました。

まあ、そのうちこの看護師さんはパズルを買ってきて私にお任せとなるのでしょうが、パズルって自分で作るからこそ面白くないのか?という最初から持つ根本的疑問は取り敢えず忘れて、この女の子が部屋に飾りたいという絵柄のパズルを作ってあげることにしました。

苦手な人にとってはそれが好きな人にとっては理解出来ない反応を示すものなんですね。でも、これってなんでもそうだという気がします。高いところから飛び降りてダイビングが好きな人には私のように自分の背の高さより高い場所にはすぐビビる人の気持ちなんて理解できるわけもありませんし。

まあ、得手不得手なんてそんなもんなんでしょう。

2025年5月30日金曜日

藤田医大は遠くになりにけり

新聞の一面が医局に置かれていました。

最近は新聞なんて云うものを眼の前でみる機会は病院以外なくなってきましたが、今日は偶々とは言え医局に一面が開いて置いてある状態でタイトルが見えていました。そこに書いてあったのは「藤田医大異例の学費3割値下げ 私大医学部で全国4位に」というもの。

中身をチラと読んでみると「2026年度から医学部の学費を6年間の総額で2,152万円(現行2,980万円)に値下げすることを決定した。値下げ幅は約30%に達し、私立大学の医学部の学費値下げとしては画期的といえる。これにより6年間の学費総額は全国で4位となり、慶應義塾大学などと同程度となる。」との内容。

そこでピンと来たのは、結局のところ藤田医大が臨床で上手くいっているからというもの。だからこそ学費をガクッと下げてでもこういう事が出来る訳です。ですからこの学費値下げで今まではここが選択肢にはいっていなかった受験生が「受けてみようかな」ってなる訳です。

基本的に学費が下がるとお金は無いけど学力はあるという傾向を持つ学生が次第に集まってくる訳で、そうすると大学の偏差値は必然的に上がり始めて、その傾向が長く続くと大学の学生の平均的な知力、能力はジリジリと上がり始め…という好循環が生まれるわけです。その結果は明白で、そこの卒業生や卒業生が成長した後の医師としての能力も上がり続ける可能性が高まるという話。

昔は競り合うレベルで低い所で競争していた同じ愛知県にあるA医科大の先生がポツリと呟いていました。「もう勝てん。経営陣の質の違いが長い間積もり積もってこんなに差が付いちゃった。」と話しをされていたのが印象的でした。

最近、私の中では藤田医大はエマージェンシーを全く断らない有難い大学病院という位置づけだったり、精神・神経疾患のエリアでもなんか優秀な人が集まって来てない?と思っていたのですが、こういう形でそういった努力の積み重ねが出てきているんじゃないかとこそっと思うのは私だけでは無いと思うんですよね。

目標をしっかりともって、種々の努力を計画に則ってきちんと長い未来を見据えて仕事をすることで最後は大きな差をつける。

組織であっても何か人生そのものですね。

2025年5月29日木曜日

古米、古古米、古古古米

 馬鹿息子の江藤の首が飛んで次に挿げ替えられた首は小泉のお坊ちゃんでした。

なんだかなぁとは思いながらも、江藤よりはイイかもな等とどうでも良い事を考えていましたが、あくまで相対性理論。坊ちゃんの事ですからまたまたやらかしたりする事になるのでしょうか。兎に角、この坊ちゃんの最大の売りは顔ですから、それを最大限に生かしていくしか彼の生きる道はありません。

しかし、聞いてると2000円/5キロで売れるように2021年の古古古米も引っ張り出して来て売り捌かせるとの事。まあ、その意気や良しと言いたい所ですが早速野党のボンクラ共がお坊ちゃまに難癖付けてきております。まあ、対案無き連中の文句などは野球の外野スタンドのヤジ程度のレベルですから、気にする事も無いのでしょうが、問題はここから。

実際、今回の価格高騰は種々の要因が複合的に絡み合って形成されたものだというのは諸説入り乱れている所ですが、その何れもが完全では無いにしろ部分的に正しい事をソレなりに表現していると感じる説得力があります。

結局、新米の値段が幾らに落ち着いていくのか更に上がっていくのかは正直誰にも正確にはわかりませんが、減反減反ではどうにもならない事は今回の件でも良く解った事ですし、食料の安全保障という観点からはこの永遠の減反政策というやり方では亡国の手段でしかないという事は明白。

誰も責任を取らない「役所」という組織は上の少数の人間への忖度で動くただのロボットですから、優れた首ついていない今の組織に任せたところで今後に明るい未来の展望が開ける訳も無し。

適正な価格というのは需要と供給のある種の均衡点から形成されるものですが、農家が飯を食えるだけの稼ぎが米作から得られ、その農家が作る米をまた我々が適正な価格で購入する循環が形成できる価格の均衡点はどこにあるべきなんでしょうか。

私はJAだけが買取するというようなコメの流通経路は廃止して、もっともっと個人が売り買いをできる環境を手助けしてやればいいと思います。その途上で駄目になる流通経路は消えるだろうし、より合理的な経路は益々繁盛するでしょうから。

国の連中の流通統制なんていうのは殆どの場合「大失敗」に終わるもの。戦中の統制経済じゃあるまいし、塩やコメの流通に商売の際なんて欠片も無いようあ政府の連中が口出すなって感じです。

2025年5月28日水曜日

長生きが苦しみに変わる時

90過ぎて全く知的能力の衰えをみせない元気なお婆さんがやって来ました。

正直なところ、血液生化学的データには全く問題はなく歩行も普通に可能。会話の中身も全く正常人と変わらないという方です。10年ほど前にもこういうお婆ちゃんが入ってきた事がありましたが、その方は頭はバリバリで何年何月の出来事を昨日の事の様に話し、長谷川式簡易認知テストでも満点という93歳のお婆ちゃんでしたが、その方は足腰が立たなかった。

しかし、今回入院「させられた」お婆ちゃんはご飯を食べる量が極端に減っているという家族の心配での入院。ところが入院してみたらお婆ちゃんは家に帰りたくて帰りたくて頑張って病院食を半分程食べてくれます。

それを見て今度はお婆さんが弱っていくのを家で見守っていたお嫁さんの方の心がかき乱されてしまいました。実はもう精神的に限界だったとのことで、お婆さんがやって来たのはかなり社会的入院というか「家族が崩壊しない為」の入院だったのです。

長生きも90半ばまで来ると、周りの幼馴染に当たる友達は既にほぼ全ていないし、生まれてから慣れ親しんだ景色は大きく変わっているし、これ位の歳になると中には自分の子供さんでも病気や事故などで亡くなってしまっているというパターンが幾らでもあります。

お嫁さんは病室で泣かれるし、お婆さんも帰りたいと言って泣かれるし、ここに集った全員が何も悪い事などしていないのに、超高齢のお婆さんの食べる量が減ってしまった事だけが今回の全家族の悲しみの元なのでした。見ているこっちも何とも言いようがなく、代わりに早く老健などを見つけてあげるからというこちら側からの提案ももちろんお婆さんには全く代案たり得ません。

私は当初、お嫁さんや息子さんには「食べられなくなって眠るように亡くなられていくという事が生物としての人間には如何に自然な事なのか」という事を説明もしたのですが、既にそういう事を受け容れられるような心の余裕は御家族には無く…。

短すぎも悲劇、長すぎも場合によっては悲劇。本当に人の生死というものは難しいもんだなと改めて思う日々です。

2025年5月27日火曜日

岐阜赤十字病院の馬鹿共

禁煙外来というのはそれを保険医療として成立させるためには幾つもの厳しい条件があります。

そしてその条件の中には院内の敷地内での全面禁煙というのがあるのですが、これがなかなか大変。これを実現させるために自分の病院でも一年という長い長い時間をかけて喫煙者に警告を発したり、それまであった喫煙室を取り除いたり、灰皿を完全に取り除いたり等という実務的な細かい要件を一個ずついたりしていかなければなりません。

包括的な要件として禁煙外来を成立させるためには、先ずは以下の大まかな法的要件は最低限満たす必要があります。

1. ニコチン依存症管理料の算定要件

  • ニコチン依存症の診断:スクリーニングテスト(TDS)で5点以上の患者が対象。
  • 喫煙歴の基準:35歳以上の場合、1日の喫煙本数×喫煙年数が200以上。
  • 禁煙意思の確認:患者が直ちに禁煙する意思を持っていること。
  • 治療の同意:標準手順書に則った禁煙治療について説明を受け、文書で同意すること。

2. 施設基準

  • 禁煙治療の経験を有する医師が1名以上勤務。
  • 禁煙治療に関する専任の看護師または准看護師を配置。
  • 禁煙治療を行っている旨を院内の見やすい場所に掲示。

3. 保険適用の条件

禁煙治療は健康保険の適用対象となる場合があります。標準的な禁煙治療は12週間に5回の診療を受ける形で進められ、オンライン診療も可能です。

4. オンライン診療の要件

2023年の厚生労働省の指針により、かかりつけ患者の場合は、初診から最終回までの診療をオンラインで完結することが認められています。

しかし、上にあるのは大まかな条件でして、現実には院内の敷地と認められるところからXXメートル以内では喫煙をしてはならないとか、認定基準を満たすCOチェッカーを購入してその呼気の一酸化炭素濃度を外来で測定出来るようにしておく等という作業も必要となってきます。

しかし導入当初は周知が伝わっていなくて、駐車場内の自分の車に戻って車内で喫煙したり、院内駐車場でも病棟自体からはずっと離れた所で隠れて喫煙していたりする人間がチラホラ。夜勤時にテラスに出たり院外に出て仕事をサボって喫煙する人間も稀ならずいて、それらの悪事を個別にピックアップしていっては注意喚起して禁煙外来をやっとこさスタートできたのでした。

ところが、今回岐阜赤十字で匿名通報により敷地内で喫煙をしている職員が居る事を指摘された岐阜赤十字が聞き取り調査を行った所、看護師ら16人の喫煙が発覚しこれまでの記念外来診療法主など約450万円を患者や健康保険組合などに変換するという間抜けな話。

本当に喫煙者というのは我慢できん連中やなと思うんです。喫煙者に男や女の差はありません。しかし駄目なものはダメであって、これを守れない人間特に21世紀の医療機関で働くような者達は直接の医従事者は勿論、ヘルパーや事務員も守れなければアウトなのです。

バカに付ける薬は無いと言いますが、禁煙チャレンジャーが使う薬はまさに今の時代禁煙外来で処方されているんですけどね!

まさに「バカな話」です。orz