以前から書こうと思っていた事の一つが障害者用の駐車許可証のこと。
アメリカに来て真っ先に「おお、なんでこれが日本に無い?」と思った事の一つがこれ。多分、こちらの商業用施設や公共施設に法律があるのだろうけれども、どんな小さな店先にでも(公共施設では当たり前なんですが)必ず、障害者用の駐車施設があります。
二、三台しか止められない店先ならその一台分を、郵便局程度の二十台くらい止められるところなら五台分程は、そして学校や大規模施設になるとその正面玄関や裏口のドアに一番近いところが一列ずらりと障害者用などというのは全くの普通の光景です。実は私の息子にmild mental retardationがある為に、小児科医に診断書を書いてもらってDMVに申請書を出したところ、申請登録している車の台数分だけ許可証を送ってくれます。許可期間は一回ごとの更新で5年。私の息子の場合は指示を聞かずに車から飛び出していくので、駐車場内のタダでさえ危ないエリアをウロウロする距離を少しでも短くする事ができて「本当に」助かっています。
無論この手の許可証というのは倫理的な問題をはらんでいて、不正使用する者も居ます。不正使用が発覚すると、許可証の取り上げと再発行の停止、罰金、場所によっては軽く十万円以上の罰金です。それ以外にも何か有るのかもしれませんが、許可証には最低限そう書いてあります。私も息子を車に乗せていない時は決してこの権利を行使しません。しかしながら気をつけてよく見ていると明らかに元気ピンピンの人間(特に買い物に来ているおばちゃん)でこの権利を悪用していると推定される人物も居ないわけではありません。たしか、十年ほど前、アメリカの有名大学かなんかのバスケットの選手だったかでこの権利を悪用していることが判明して非難轟々の嵐の洗礼を受けた挙句、大学を追放になった生徒たちがいたと記憶しています。
要するにどこの国においても要は「人の倫理観の質」がこの許可証の行使というのには伴うわけですね。「ハンディキャップがあればそのハンディを合理的に取り除き普通人と同じように生活する手立てを法の力で準備する」これが現代の法治国家のあるべき姿だろうと思います。
この許可証をルームミラーに引っ掛けて掲示しておけば、消火栓の近くか緊急車両のアクセススペース、もしくは駐停車禁止の場所、駐車によって危険を生期せしめるような場所以外であれば無料で四時間を限度に路上駐車できます。それは有料の路上パーキングメーターの設置場所でも同じです。(コイン投入は不要ということ)
車なしでは一日が始まらない国においては車は靴と同じレベル。車に乗っているから金持ちであるとかいうようなことはもう第二次世界大戦前の話で、それが皆に行き渡っているという前提ですべての話が組み立てられていますので、この手の許可証や障害者の駐車スペースに関しては数多くの保護措置とともに罰則が明快に示されているのだろうと思います。
今度駐車場の普通の写真を撮ってお見せしましょう。
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