ζ(s) の自明でない零点sは、全て実部が1/2の直線上に存在する。
リーマン予想のことは数学マニアの自分としては随分昔から知っていて、いろいろなところでラマヌジャンやオイラー、アーベル、ガロア、リーマンに関する本を頼りにその問題と闘ってきた古今東西のキラ星のごとき天才達の話を見聞きしてはいたのだが、こうやって映像としてまとめられるとその問題が如何に数多くの尋常ならざる天才達の挑戦を退けてきたのかが改めて俯瞰できた。
ド・ブランジュといえば随分前にビーベルバッハ予想の解決で、その頭脳を高く評価されたのだが最近は狼少年などと呼ばれているとウェブ上には記述されている。しかしそんなことどうでもええよな~、と私は思う。この証明がこの人自身にとって命を懸けてでも取り組むべき孤高の目標として存在し、こんなヨボヨボの歳になっても眼を爛々とさせて魂を燃焼させられるものがあるということのほうがよっぽど素晴らしいし、羨ましいと凡人の私には思えた。少なくともこのじいちゃんを笑う資格など私にはかけらも無いことだけは確かだ。
それにしてもこの予想が解かれる過程とその先に待ち構えているものは何なのだろうか、間違いなく素数の研究において人類に次の知的レベルでの挑戦を保障する一ページになる事だけは間違いなさそうだ。それにもう一つ心配なのは、、、、公開鍵暗号という素数の現時点での非予測可能性に護られた機密を解く世界の出現によって現在の色々なシステムレベルでのセキュリティーについては根本から見直さなければ成らない世界が到来するのではないかということかも。まあ、私が心配してもどうなるものでもない世界ですが、天才の成し遂げた仕事を基に更なる天才がその厚い霧を完全に吹き払う日が明日来ないとも限らないのですから。
それにしても素数の世界の研究はもう遠く凡人が及ぶようなものではないのだなということだけはコンヌの論文のPDFをちらりと見るだけでも直ちに理解できますね。理解出来ない事が理解できる。何だか寂しい気が強います。(笑)
少なくともサリエリは映画の中ではモーツアルトの音楽の美しさだけは鑑賞出来たのですから。
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