2008年11月28日金曜日

旧厚生省次官殺傷事件

ちょっと嫁さんの英語の話は横に置いといて、、、。気になった事件の事を書いてみた。

旧厚生省次官殺傷の件、殺された方々には本当に気の毒としか言いようが無い。殺した方の論理が滅茶苦茶で、ブログ、メディアなど数十件のいろいろなソースを巡回して読む限りでは、犯人の男は精神を病んでいるとしか感じなかった。ここに至るまでは個人的なさまざまな失敗の繰り返し、それに伴う挫折感等、相当鬱屈したものが蓄積し続けた結果がこのような歪んだ形での殺人に繋がったの「かも」知れないが、普通の人間であれば、「復讐=殺人」というこの論理回路の形成は先ず起きないわけで、やはり病的と判断せざるを得ないと思う。
生きていく上では日常的に無性に腹が立つこと(特に短気な私のような人間には)、穴があったら十年間くらい入って居たくなる様な恥ずかしい失敗、自分の愚かさに呆れ返ってしまう瞬間等がゴロゴロしている訳で、それをいちいち外罰的なものとしてルサンチマンを抱え込んでいる(もしくは抱え込む事が可能な)異常な性格の持ち主だったからこのような事件は起こり得るのかもしれない。
実際の話、普通の人はどうなのだろう。私の例え話で恐縮だが、私の場合は怒りが持続しないし持続させるだけのシステムがもともと脳内に無さそうで、大体殆どの怒りはその大元を冷静に逆行していみるとほぼ十割が自分の行為に起因していると思われる。その段階になって「あーあの時怒りに任せてそれを表現しなくて良かった、ホッ。」という事の繰り返しである。それを繰り返した結果をきっと「経験」と呼べるのであって、そこが歳をとることのメリットの一つなのかもしれない。(しかしここに至るまでに、若いころに充分すぎるほどの代価を払いすぎたのですが、、、。)
それでも、失敗というのはそれを克服しようという努力の連続で次の段階へと昇華される物なのではなかったか。
たとえ最終的に上手くいかなくて結果が駄目でもそれを人のせいにしたりするというのはやはりおかしいわけで、この人のクレーマーとしての様々なエピソードを見る限りでは、単なるゆすりたかりの常習者がそのエゴと被害者意識を膨らませ続けた結果このような事件を起こしたのではないか。子供時代に犬を殺されたなどというのはどう考えても人を殺すような理由にはならないわけで、犯罪者が自分の行為に特段の意味づけを与えようとしする無意味な言動に過ぎないと思う。失敗の殆どは自分自身に責任があり、それを補償するのも自分以外にないという事を大多数の普通の大人は文句をたれながらも知っているし、我慢しているのだと思います。
池田小の殺害事件を起こした宅間、秋葉原の加藤、最近のアメリカであればBTKなど、普通の人間からは想像する事も出来ないモンスターがこの世にはごく一定の割合で存在しているのかと思うと、一番怖いのはやはり怪異や奇談等ではなく、脳を持って自由に思考し動く事の出来る生きている人間そのものだと痛感します。
この手の化け物は人を巻き添えにせずひっそりと消えて無くなってほしいものだ。
こういう時にこのような記述をするのも憚られますが、気の毒なのは被害者の方々のみならず、この化け物をある程度の歳まで育てた加害者の父親も、ある意味では残りの短い一生を破壊された被害者の一人だと考えられないだろうか。オゾマシイ犯罪者を産んだ両親の片割れとしてどんな気持ちになるか、想像するのもつらい。もしこの方がまともな人であれば、自分の育て方の失敗を無限に責めるのが想像に難くないし、しかも、そうしたところで亡くなられた方々の命と受けた心の傷は双方とももう帰っては来ないのである。自分の育てた子供がある程度の年齢に達した後、精神に異常を来たして精神病院に入退院を繰り返す、場合によっては育てた子の歪んだ怒りが、異常な形で犯罪を生み出してしまうということが無いとは誰にも断定できない。たとえば今年生まれたばかりの百万人の子供たちの中からこのような犯罪を犯してしまうような子供が一人も出ないとは誰にも言えないのではないかと思う。その子供の育て方に関係なく、精神に異常を来たす人間が出てくるのは残念ながらむしろ自然であり、そうなった場合にどうやってその人を社会が受け入れるのかという実際の摺り合わせ、折り合いの付け方の成熟度こそが実際の国家の要諦なのだと思うのだが、、、こんなことが簡単に解決がつくようであれば警察も病院も刑務所も要りません、、、本当に難しいです。
自分の家族を守るのが精一杯の私には、犯罪被害に遭われた方のことを思うとやりきれない気持ちになります。同じような理不尽な目にあって家族が殺されたり傷つけられるようなことがあったら、私は自分を自分で支えられる勇気、気力が自分にあるとは到底思えないのです。
人の育て方を間違えると社会全体にとって大変な帰結をもたらす可能性があると改めて感じます。

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