2025年6月29日日曜日

H-IIAロケット有終の美

本日午前1時33分に、日本の国産ロケットH-IIAが最終機「50号」の打ち上げを成功裏に終えその仕事に終止符を打ちました。

初打ち上げの2001年から24年も経っている訳ですが、2001年なんていうのは私がアメリカ渡ってまだ三年目で、ヒーヒー言っていた頃です。この時期にH-IIから受け継いだ技術をベースに信頼性とコストと能力の三点を少しずつ磨き上げ続けたこのロケットは6号機の失敗以外は50回中49回もその仕事を成功させるという神の如き快挙を成し遂げました。

まさに日本の宇宙開発を世界レベルに押し上げた機体となったのですが、その役目を次世代機H3ロケットへとバトンを渡したことになります。もともと宇宙航空研究開発機構(JAXA)の前身である宇宙開発事業団(NASDA)と三菱重工業(MHI)が共同開発した全長53mの大型ロケットなんですが、その歴史の中で数多くの日本の人工衛星を軌道に乗せては世界的快挙を成し遂げてきました。

情報収集衛星、気象衛星「ひまわり」、地球観測衛星「だいち」、準天頂衛星「みちびき」等は工学系のお仕事に興味のある人ならほとんど聞いた事があるのではないかと思いますが、それらの地道且つ大切な仕事以外にも、2014年の小惑星探査機・はやぶさ2打ち上げの仕事も成し遂げています。リュウグウのサンプルを地球に持ち帰ることに成功して世界を熱狂させた事は記憶に新しいのではないでしょうか。更に最近は月面着陸のSLIMのニュースもありましたよね。

50号機もスムーズに打ち上げられさも当たり前の様に旅立っていった訳ですが、これほどの超高度の技術の塊と擦り合わせを更に磨きに磨いてモジュール化を発展させつつ低コスト・高信頼・高頻度の三拍子で国際市場に殴り込みをかけるH3へと夢は繋がれました。

日本が独立科学国家として打ち上げ輸送能力を強化するための次世代新型ロケットは2023年の1号機こそ打ち上げ失敗となりましたが、2号機から今年2月の5号機まで4機連続で打ち上げに成功しており新型ロケットとしての実績をガチッと固めています。

次の6号機は固体燃料ロケットブースター無し!の液体燃料ロケットエンジン3発での組み合わせで構成される「30型形態」で打ち上げるとの事。きっとやってくれる事でしょう。^^

確か、H-IIが一機200億、II-Aが100憶、3はその半分で行くという話。相乗りやロケットのモジュールの変化でいろいろと対応するとの事ですが、科学技術で負けないような国家であり続けて欲しいものです。

2001年以降のロケット打ち上げ成功率ランキングでは、日本が世界トップクラスの成功率を誇っています。特にH-IIAロケットは98%の成功率を記録し、世界で最も高い信頼性を持つロケットとして知られています。しかし、一体全体あんな凄い技術の塊をどうやったらこれだけ連続して組み合わせて連続して成功させ得るのか?その品質管理のレベルと精密さに脱帽するしかありません。

因みに以下は、各国の代表的なロケットの成功率(2019年末時点のデータ)

ロケット名 成功率
H-IIA/B 日本 98.0% (48/49)
アトラスV 米国 98.8% (82/83)
ファルコン9 米国 97.6% (80/82)
デルタIV 米国 97.5% (39/40)
アリアン5 欧州 96.3% (104/108)
長征3号 中国 95.1% (117/123)
ゼニット3 ロシア 91.3% (42/46)
プロトンM ロシア 89.8% (97/108)

頑張れニッポンの技術陣! 俺も打ち上げ見に行くぞ!

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