2025年4月30日水曜日

次女の友人がアメリカから来日

実は数日前から次女の友人がアメリカからきています。

目的は「ある技術」のデモンストレーションの為。そのテクはアート系のものですが、中身を詳しく語ると身バレするタイプのモノなので、詳しくは語れません。^^
実質的には日本国内での彼女の技術的デモンストレーションによるお店の宣伝となるようです。

今回の来日に当たっては娘達がアートスタジオとして使用している(私がお金を払っている!)近所のアパートを数か月間の間、生活の拠点として使用していくらしいです。私には全く相談も無しでしたが!当初、娘には「家賃払う」とかなんとか言っていたらしいのですが、そんな提案はそもそも不要。自由に使っていただいて結構です。w

アメリカは今現在何もかも値上がりしているのは娘達の話を聞いていると良く解るのですが、その値上がりの仕方が日本と比べてもエグイという話。そういうところから来た人物にとっては日本の色々な物はまだまだ安く感じるのかもしれませんね。何れにしても、安全で楽しい日本での滞在であって欲しいものだと祈るばかりです。

さて、今回の来日で娘の交友の輪の一環が今回のようなイベントの発生をみた訳ですが、こういうのを見ていると、娘達の住む世界では自分の世界の横の繋がりとはまた全く別の縦横のネットワークがある事を強く実感します。自分のような医師同士の「世界の狭さ」というのも役に立つときは役に立つのですが、なかなか不便なとこもあるにはあって…。

娘達の世界を見ていると、改めて己の世界を拡げたいな~って思いますね。その為には自分とは日常では関わりの無い人と積極的に交わる何らかのアクションを起こさなければならない訳ですが、21世紀の日本ではそれはネットゲームとかなんでしょうか。

いろいろな拡張を目指していきたいアラカンのオジサンでした。


2025年4月29日火曜日

次女の誕生祝い

実は昨日は次女の26回目の誕生祝でした。

お祝いの前後に何をすべきかをチョロっと考えたのですが、26にもなる娘に男親が何かを考えてやる等という事は烏滸がましい限り。そもそも無理です。取り敢えずはちょっとしたネコの図柄の可愛い安いトートのようなものを送ったのですが、これは取りあえずカウントゼロ。

嫁さんは一週間以上前から近所のスシローを予約していて、家族四人でこれを食べに行き腹一杯になって「私が」最後の支払いをして出てきました。通常は家族の生活費をまとめて渡している嫁さんがこういうのも含めて払う筈なんですが・・・まあ、良しとしましょう。w

さて、この次女が今「ある仕事」の見習い仕事をしているのですが、これには結構高価な道具を使うらしく、それをどうしようかと迷っているらしいのですが、未だ本人自身も迷っているらしく具体的に何を買うのかは決めていないという事なので、そのうち「コレ」みたいな事を言ってくるのではないかとちょっと身構えています。orz

それよりも現実的なのはこの前トートバックを趣味を超えて「商売」として作っている叔母さんに作って頂いた、美品のオーダー・メイドのトートを娘にも作ってあげようかなというもの。

取り敢えず、先日作って頂いた作品は実にビックリするような仕上がりの美しさで、とてもとてもそれがオーダー・メイドの手作り製品には見えない完璧な物。私は自分の好きなオレンジのアクセントをつけて作って頂いたのですが、これを見た嫁さんと娘は自分も欲しいと言い出しましたので、お金を払って追加で作って頂こうと思っています。

次女は縦長の赤が欲しいといいますし、嫁さんはピンクのアクセントの横長の大きなバッグが欲しいとの事。再び「色見本」を叔母さんに見せて頂いてセットアップしたいと思います。
完全に私のニーズに沿って作って頂いたサイズから何からオーダー通りのトートです。
最近は縦長が流行っているらしいのですが、関係なし。この横長が良いといって作って頂きました。



2025年4月28日月曜日

全然GOLDENでは無いWEEK

日本ではいわゆるゴールデンウィークが始まったそうなんですが、昔から我が家はこの手の休日とはほぼ無縁であることは何回か書いてきました。

やっぱり今年もそれなり~で、こんな大渋滞のど真ん中に突っ込んでいくだけの気力も体力も無し。さらに最も大事なのはそれに割く時間が勿体ないという事。どうせ同じところに同じ体験しに行くのならもっとゆったりとした感覚で過ごしたいという希望があるので、人混みは無理。

我が家の長女もどちらかというと「お祭り」系のにぎやかさや集団行動は苦手で、一人で行動をして自分で予定組むのが得意なようで、バスや地下鉄、飛行機、電車に乗って実に気ままに移動します。次女は方向音痴でどちらかというと移動はヤバめ。国際空港での乗り継ぎは大体一人では怪しいです。w

今年の金曜週間は私にとってはど真ん中を二回当直でぶった切られる展開。まあ、責任者の私自身が他の子持ちの(子育て真っ最中の)先生方を少しでも楽に、少しでも連続した休日を家族と楽しむ時間を差し上げようとすればどうしても私がこういう形で休日を潰さざるを得ないのですが、私自身は最初に書いたような理由で特にこの人混みの多い時期に移動する気は有りませんので、これで良いといえばこれで良いのです。

今年はうまく休日を取れば二週間ほどお休みになるとかならないとか?どういう計算をしたらそういう計算になるのか全く理解が出来ないのですが、そうみたいです。

しかしながら、そもそも~という話になってしまうんですが、こういう感じでしか休日の取り様が無い事自体が大きな問題で、バカンス、バケーションを何の断りもなく当然の権利としてきちんと取得、そして大手を振って利用できるようでなければ国としては全く先進国とは言えないと思います。

我々昭和生まれの価値観は今の時代の標準とズレてきているのはテレビのコンプライアンス問題を見れば解るように「昔はさ~」と言っているのは既にその証拠。

確かに、やりすぎで必ず揺り戻し必至の状況だとは思いつつも、次第に次第に我々昭和生まれの標準的「普通」と思える価値観は消え去っていく事でしょう。それは我々昭和生まれが物理的に消え去る事でもあるのですが。w

給仕何時を巡って考えたたわ言でした。



2025年4月27日日曜日

ジブリパークが変わり続ける

私の家族達にとって通称モリコロ・パークの中にあるジブリ・パークは単なる散歩のコースでしかありません。

週末に散歩でゆっくり歩いても一時間もかからず到着しそこでモスバーガーを食べてまた少し散歩して公園の中の季節の変化を愉しみまた家路につくために歩いて帰るというコースが家族にとっての標準的な散歩コース。

この公園に行く途中にはトヨタの中央研究所やトヨタ自動車博物館、どデカいIKEA等が軒を並べていますが、だからと言ってBusyなエリアでは全くありません。開業当初こそ、その直前にあるAEONでの酷い渋滞が発生し、同じ事はIKEAでも発生していましたが今はそういったことも一段落し、風景の中に施設として溶け込むような良い感じになりました。

その上で今では長久手町にコンスタントにお金を落とし続けてくれている訳ですから長久手のような「オシャレ」ではあっても税収源・観光地が少なさそうな名古屋のベッドタウン的な街にとっては有難い存在だと思います。(まあ、ここには土地が安くて広大という好条件を生かした大学のキャンパスがうじゃうじゃあるんですけどね!)

さて、その愛・地球博の跡地を生かしたモリコロ・パークはジブリの力を全面的に借りて今でも年々歳々その姿を変え続けています。

当初はジブリ関連施設と言えば実質的には「物凄く作り込まれた」さつきとメイの家だけだった印象なのですが、今では全くの別物に生まれ変わり続けています。我々が散歩に良く度に「アレが出来た、コレが出来た」という感じの変化を感じていたのが3年ほど前からでしたが、今でもその動きは続いていて、既に我々が言った事の無いエリアが沢山あります。

そもそも、我々にとってはモリコロパークに行ってお金を使うといえばモスバーガーのお店のみ~という状況ですので、こういう施設が増えて有料コンテンツが無料のエリアを押し出すのは勘弁して欲しいなというちょっとした気持ちもあることは有るのでした。

それでも入り口である愛・地球博駅を降りると既に入り口は広大な別世界が広がっており、10年前のこの公園からは想像もできない変化が起きています。

しかも、今日はモリコロへと通じるリニモを少し使った事もあり、更にその乗降客数にも大きな変化が発生している事を肌で感じることが出来ました。朝と夕方にはなんと立っている人がぎゅうぎゅうな程の大量のお客さんが乗っており、場合によっては次の順番を待たなければならないような程の混雑が見られるようになっているのでした。

以前はこんな事は・・・と思ってネットを調べてみたら、なんと一昨年度比で25%程度の収入改善によって黒字化を達成しているとの記事が書いてありました。

ここを見学するために世界中から人が集まってくるわけですから、ジブリパークは長久手の宝物になってきているんでしょうね。そしてそこへ至る交通手段としてのリニモ。何だか未来は明るい様な気もしました。

2025年4月26日土曜日

いやいや古くなってきた車は金がかかる

今回四回目の車検に出しました。

日本の法律では初回は3年目。二回目以降は2年毎ですので、私の車も3+2+2+2で九年が経過した事になります。思えば遠くへ来たもんだ!という訳ですが、この車エンジンが快調で今の所変えないといけない感じが出てきておりません。それでも、この前の様に扉が勝手にスーッと開いたという様なインシデントがありましたので、そこに関しては未だに警戒モードですけどね。

そもそも、嫁さんに「そろそろ新車とかどう?」とかそっと尋ねてみるのですが、答えはシンプルで「まだ普通に動くんやろ?全然この車で良いやん!」という一言で話が終わってしまうのでした。w

という訳で、水と油を入れ替えつつ、バッテリーの問題が無い事を確認しながらメンテナンスを続けております。今回特に問題となると思っていたのはゴム・ブーツやエンジン・マウントなどのブッシュ類。要するに経年劣化でそろそろ変化が大きく出て来るところ。

案の定、今回の車検ではステアリング・ブーツの左右にクラック等が見つかりました。それにディスクブレーキ・システムのブレーキ・ローターとパッドも交換時期に来ておりました。いわゆる「そういう時期」という奴ですね。そんなこんなでお見積もり~は40万円!

勿論税金が15万円ほど含まれていますので、純粋には25万ほどの工賃と部品代等なんですが、昔は部品はネットや近所の車屋で安く買ってきて自分で何でも取り付けてから最終的に車検に持って行って五ドルで終了~というよな感じだったので、日本に帰ってくると自分で車がいじれなくて欲求不満が溜まります。orz

いろいろありますが、まだまだ私の車は6万7千キロ「しか」走っておりません。アメリカの基準からすればまだまだ新車。

まだまだ愛を注いでやろうと思います。^^

2025年4月25日金曜日

アパレルの闇って深いですな

ネットでこの前ユニクロの綿の調達先が弾圧されているウイグル関連だったことで関心があったアパレルの闇。

実際にいろいろとネットや動画でその世界の闇を覗き込んでみると、その淵の深さとヤバさに溜息しか出ません。まさに児童労働と女性や貧乏人への搾取によって成り立っている世界そのものでした。

昔、アメリカで大学を卒業した後の長女に私が「アンダー・アーマーの創業は学生達で、そこからデカくなって行ったんよね~」というような話をしたところ、返ってきた答えは意外なもので「私は絶対Under Aromourの製品は買わない!第三世界での搾取で作られた製品そのものだから」というもの。

激しい返答だったので、強く記憶に残ってしまい私自身もUnder Aromourの製品を手に取る事は無かったのですが(そもそも高いので買わないw)、それ以降こういった製品の裏にある闇に関して「薄くではあっても」考えを巡らせない事は無くなってしまいました。そして、実際今日になって時間をかけてみた種々の動画や記事は真っ黒という状況に暗然としました。

10歳にならないような子でも学校に行かずに一日10から15時間も働いて、日本円にして50円にもならないような日給で働くとかいう状態を奴隷労働と言わずに何というのでしょうか。

その安値に押さえ込まれた労働代の「恩恵?」を受けて安いアパレル製品を我々が購入できているのだとしたら、それはやはり犯罪に加担しているんではないかと俯いてしまいまうのです。

「世の中そんなもんよ」という声はあるでしょうが、こういったサプライチェーンの構成自体がいろんな意味で犯罪であるのは明白で、世界全体でこういうチェーンの存在を許さない仕組みは大切だと思いつつも、無くしてしまったら彼らの生活はどうなるのだろうかという考えも起きる訳です。また、いわゆる「ブランドもの」と呼ばれる製品群を着込んでいい気になっている人物を見る度に鼻白むというか、逆に蔑む気持ちが起きて来るのです。

それでも、良い製品は良い製品。高いのには高い理由があるのだなという様な製品を作るサプライチェーンもある訳で、イタリアで全て仕立てられたり、サビルロウで仕立てて作られているようなものは出自が違って欲しいと心の端で願うのは世間知らずの甘い考えなのでしょうか。

2025年4月24日木曜日

女子大って消えるのかな?

ちょっとニュースをみて驚きました。

私が中学や高校の時に良く問題集に載っていたノートルダム女子大が学生募集を辞めたというのがそのニュース。それによると「2025年4月25日、2026年度以降の学生募集を停止すると発表した。2025年春に入学した学生の卒業をもって、大学院を含めて閉学する見通し。学校法人が運営する小、中、高校は存続させる」という話。

私が大学時代を過ごした長崎にも「あんな田舎にもかかわらず」沢山の女子高、女子大がありましたが、日本に帰ってきて気付いたのは長崎の多くの高校が共学廃止、大学関連では短大廃止して四年制大学のみ、女子大ももとより共学化という状態。まさかあそこが?という様な所が消えていってたり、少子化の影響は止まる所を知りませんね。

我々が大学に入った頃というのは1980年代なのですが、当時はバブルが真っ盛りから弾けたあたりで、大学四年卒の女子はどちらかというと煙たがられていて、短大卒の子が素直な即戦力として強く求められていたものでした。

そして、ここがまさに昭和から平成初期の名残なのですが、就職した女の子は数年程度で企業内の誰かと職場結婚してくれて、仕事を辞めていってくれるというのが企業が何も言わないけど「確実に」求めていた女子というものの画像でした。

ところが、バブルが崩壊し就職氷河期が始まって、人材市場は売り手から買い手へとその主導権が一気に移り、大学も単なる人生の休憩場から、真剣に能力を磨き資格取得を目指す場と変わりました。

それでも仕事に就けない若者達は路上に溢れる様になってしまい、ここ辺りから女子大や短大の役目は今の終焉へ向かって舵を切っていったように思えます。

アメリカでは今でも有名な女子大は残っていますが、日本を含めてそういうところはどうなっていくんでしょうね?結局人が集まらなくなれば組織としては成立しないでしょうから強制終了とかリセットがかかりそうですが、名古屋はまだまだお金持ちの婦女子が通うところが幾つも残ってますので、未来がどうなるのかはわからんところでしょうか?

あの「黒い噂」で有名になっちゃった東京女子医大は…結構アレな感じですけどね。w

2025年4月23日水曜日

専門性という強み

専門家というのは時に諸刃の刃です。

医学においては、特に現代のような高度に専門領域が枝分かれした世界では同じ内科でも当然「となりは何をする人ぞ?」という状況はごく普通。

その専門性というのは難治性の希少疾患や体への侵襲の強い治療を行う疾病においては特に重要で、「最新の」「治験で認められた」「最も良く効く」等の幾つものフィルタを通り抜けて来た治療を行う先生方は本当によく勉強をしておかないと全く「ついていけない」とう事態になる訳です。

血液疾患の治療なんかはまさにその世界で、白血球関連の疾病に強いからと言って赤血球関連の疾患に強い!という訳でも無いという話は血液の先生から伺った事がありますが、更に白血球の疾病も慢性XX性と急性YY性という疾患ではまた専門性が別れる事もあるとの事で、高度な治療は本当にその専門性は天井知らずですよね。

整形などの外科領域も消化器外科もその世界。私の同僚や後輩たちの話を聞いていても本当に枝分かれが激しく、肩や肘、脊椎、股関節、膝等も「高度な仕上げ」を希望するとなると完全に先生を選ばなければならないようで、アメリカなどに至ってはジョークなのか真面目な話なのかは知りませんが、「僕は”右腕”の専門家なんだよね」等という人が居るとか居ないとか。w

しかし、そうなってくると御想像の如く「僕は他の事はほぼ学生レベルの知識しかない」とか「国試で勉強した時の知識までで止まってる」何ていう事を言われる人は周りでもそんなに珍しくありません。

しかし、その専門性は使い様が大事で「これは・・・」と思った領域の専門知識の必要な疾病を疑った時にはそのエリアの専門の先生の所に走って行って質問をするとまさに泉のようなその分野の知識が口から溢れてきて、自分の悩みを嘘のように解決してくれる事が本当に多いのです。

そのエリアでの最新の知見や考え方聞くのは本当に新鮮で、五分の会話でも何だか自分が凄く賢くなった気がするほど!

時分からも相手に与えたいものがあれば良いのですが、基礎の研究者から戻ったニセモノ一般内科医の私は吸収し続けるのが精一杯で、なかなか人に与える様なものは有りませんな~。orz

かくして私の修業は一生続くのでした。

2025年4月22日火曜日

嫁さんが遂にバイトを始めた!

何というか、いろいろと思う事があったようで私の配偶者が遂にバイトを始めます。

仕事と云う意味ではアメリカに居た頃に小学校で給食のオバちゃんをやっていた時以来の仕事となります。さすが名古屋だなと思ったのはその時給の高さ。

長崎に居る嫁さんの妹経由で長崎のバイトの時給事情を聴いたところ1000円行かないなんて言うのはごく普通の様で、名古屋の様に時給1300円の「普通の」仕事というものが存在する事に驚いているようです。

詳しくは書けませんが、ある食品供給店の開店前の「仕込み」の仕事をやっている様で、既に数回の見習い期間を経て段々と仕事を覚えている様子。お店から持って帰って来た「学習用のマニュアル」というのを飽きもせず眺めて仕事に習熟しようとしているみたいです。

まあ、なかなか直ぐに覚えられる訳もなく、周りに同じようにやって来ている人達は皆自分の娘のような年頃の女の子達ばかりの様で、改めて自分が歳喰っている単純な事実に衝撃を受けている様です。w 

昔はどこに行っても私は若い女性として周りを驚かせていたような事を言い訳していましたが、そんなの当たり前と言えば当たり前で、時間が経てば誰でも年取る!その中でも仕事をやるという事が大事な訳です。

さて、もう暫くするとかなりの短い間隔で仕事を本格的に開始する様子。私と違って稼いだお金は全て自分で使っていい訳ですから羨ましいもんですが、嫁さんによると我々にも稼いだお金でご飯をおごってくれるとの事!^^

期待しておりますゾ!


2025年4月21日月曜日

AIの力は侮れないな

以前このブログで使ってみたAIの記事の件がありましたが、そのあともやって来たイーロン・マスクのGrok3に関して感想を述べました。

しかし、最近は私は別の使い方をされるAIの力に驚かされるばかりの環境に居ます。その環境というのはスマホ・ゲーム!何の事だかわからない方も多いと思いますが、私がそれを感じるのは翻訳システムです。

多国籍の人間で構成されるネット上のゲームというのは以前WoWで経験した折には英語を話せるというのがデフォルトで、他の言語の話者は英語をたどたどしくとも使って、ネットの中で英語話者に合わせるというのが標準。2バイト言語等というのは英語の話者にとっては月の裏側の言語でした。それが今のゲームはどうでしょう!

今、あるスマホゲームをしていて他の色々な国の人間が混ざったサーバ上でギルドを束ねる役割を「させられている」のですが、驚くべきはその翻訳システム!自分の言語で打ち込むと相手がセッティングしている言語に自動的に翻訳されて表示されるのです。

ネット上の多くの人間は比較的英語を(レベルの違いはあれど)使えるので多くの場合は問題ないのですが、私の所属するチームはインドネシア人とマレーシア人が多くて、そのままであれば何が何やらという状況なのですが、このAI翻訳は本当に優秀で、15年以上前の英語一本だったゲームの世界は遠い遠い昔話になってしまっていました。

たまにはこういう事も経験してみるもんだなと最近思った次第ですが、こういう事もやっていなければ「知らないところで知らない世界」が拡大していく訳ですから、何でもやってみるっていうのは人生において大事な事なのかも、食わず嫌いはやっぱりアカンな!と思った次第でした。

悪いこと以外はチャンスある時には何でもやってみる。盆踊りでは踊りの輪に入ってみる!っていうのは思っている以上に大事な事なんだと思うこの頃です。

AIの話をしようとしていたんですが、話が逸れに逸れてこんな話になってしまいました。w
「馬には乗ってみよ人には沿うてみよ」なんていうのはまことに人生の大事な格言だと思います。



2025年4月20日日曜日

トップは大事

今日は改めて組織におけるトップのdecision makingの大切さを考えさせられる出来事がありました。

細々とした事は一旦大まかなスキームが哲学として組織に広まったら、後はとんでもない事をする輩が出ない限りは組織はなんとかかんとか動いていくもの。しかし、しかし、しかし、やはりトップが全体の方向性を示せない組織というのは最終的には泥船のようなもの。

長い時間をかけずとも「退潮」というのは皆が自然と感じてしまうものでしょう。曰く「どうせ言っても駄目」とか「アイディア出したところで否定される」とか「やっぱり変わらないでしょう」という様な感じ。

そんな組織がどうなっていったかというのはここ数十年の大きな会社の倒産、組織の崩壊を見ていればトップの器の大切さが如何に大勢を決めるのかは嫌という程わかりますね。金の使い方、物事を決めるタイミングとその方向性。信賞必罰の決定。そして最も大きなのは恐らく人事。

人さえしっかりしていれば組織はどこかの歯車が欠けてもなんとか動いていくもの。勿論、もの凄い人が居れば「アカデミックな組織」は助かるでしょうが、多く場合組織というのは私も含めて凡夫の集合体。それをマネージしていくのはやはりトップです。若かろうが年寄りだろうが年齢は構いません。優れているか否かというのが「全て」だと思います。

こういう人口減少時代で、国の勢いが弱まりがちな局面では特にちょっとしたかじ取りの誤りが組織を死に導きます。一体どうなるのかこれからの短い人生で最後まで見てみたいような危なさそうな組織は盛りだくさんですが、それでも日本は前には動いていくでしょうから大きな問題ではないのかな?

乱世こそ英雄が出る気もしますが?英雄を必要とする時代は大体危ない時代ですよね。w

2025年4月19日土曜日

中国を舐めてはいけない

カネとヒトと頭脳が集まれば人間の「想像したモノ」というのは遅かれ早かれ実体化してしまいます。

古くは火の獲得から始まって、青銅器・鉄器の製造、ピラミッド、火薬、鉄砲、印刷機、自動車、飛行機、ロケット、原爆、原子炉、コンピュータ、集積回路、そして最近はAIや高性能の人型ロボットまでもが目の前で使われるようになり始めました。

実際の所、驚くべき事に今はやりのEVの原理などは自動車の発明とほぼ同時に考えつかれていて、単純に周辺技術、特に制御系とバッテリーと充電インフラがとことん「あるべき理想」に追いついていなかったので売り物として成立していなかっただけで、隣の赤い国の様に財務状況は悲惨なままでも、国の後押しが恐ろしくあってこの20年ほどの間に得た国外企業との合弁事業で得た技術力を生かして造られたボディーにバッテリーを押し込んでパワーを上げるというシンプルなやり方で、内燃機関ではとても時間がかかったであろうその「技術力の差」をあっと言う間に詰めてきました。

これからの中国は人口の減少、不動産を起爆点とした債務の拡大、政府の機能不全などを始めとしたまさにありとあらゆる意味での多難な前途が待ち受けていますが、恐らく知恵ある人々はバカな指導部とは別に有機的に動いて自己修復を行い始める様な気もします。

中国の力を見誤って行けない点はシンプルで、それはきちんとした教育を受けている人口が多いという事。無論政府のプロパガンダを頭から信じている人間など実際はいない筈で、プロパガンダを撒き散らしている側もそれを解った上で撒き散らしている事を理解しなければなりません。

日本と比べて10倍人口が多いという事は馬鹿も十倍いて賢者も十倍居るという事です。その10倍の賢者が必死で考えて作ってくるシステムは金のかかったものである事を忘れてはいけません!政府の肝入り政策に乗っかった製作物ですから、実際のところ技術的な進歩はバッテリーを含めて長足の進歩を遂げているはずで、うかうかしていると今のアメリカが「日本は俺達から技術を奪って今の自動車大国を作った」と言っているような事を日本がこれから中国に対して言う時代が来るのかもしれません。

内情を知っている人はいろいろと本などで回顧録としてきている方も居ますが、日本も自動車産業の成長過程では大いにアメリカの技術をコピーしまくっているのは知っている人は誰もが知っている議論するまでも無いほどの事。

中国が成長途上で恥も外聞もなく低性能ではあるものの、外見はほぼXX社のYY車みたいな完全コピーレベルの贋作車を作っていた時代は既にかなり遠くなり、今は生き残ったBYDなどがかなり独自のデザインで性能自体もテスラを蒼褪めさせる様なものを作り始めています。辿った道は昔何処かの国でも見られた光景ではないでしょうか。

無論、勝負はこれからも二転三転するでしょうし、そもそも電気自動車のエネルギーの元はクリーンに作られているのか等の突っ込みどころは満載ですが、それでも何時までもバカにしているような事をしていると足元をサクッとすくわれぞという事を忘れないようにしないといけないと思います。

車、原子炉、AI。どの分野もこれからは更に厳しい戦闘が始まる訳ですが、人の減り続ける日本がどれほどその戦いに伍していけるのか。ちょっと心配です。

2025年4月18日金曜日

これからも医療機関は減り続ける

 数年前からずっと医師のフォーラムでは病院の赤字問題が掲示板を賑わせていました。

最近はバカな事をして潰れる大型の案件も含めいろいろな病院の倒産ニュースが増えていますが、基本的に多くの病院が何らかの工夫無しではもう生きていけない時代になっています。

倒産件数自体はじりじり上がっている感じで、負債総額1000万円以上の倒産に関しては
2021年: 33件病院1件、診療所22件、歯科医院10件。 
2022年: 医療機関の倒産件数は増加傾向。診療所は過去最多の22件を記録。 
2023年: 41件(日本経済新聞報道)。経営者の高齢化や後継者不在が背景。 
2024年: 64件(帝国データバンク調査)。過去最多を更新。

病院単体の倒産件数自体は普通の企業に比べれば圧倒的に少ないのですが、実際には多くの病院は赤字が多く、黒字であってもアップアップ。厚労省の改訂次第ではあっと言う間に水に沈むような状態というのが実情なのです。

倒産だけでなく休廃業・解散を含む医療機関(病院、診療所、歯科医院)の閉鎖件数も増加傾向で、2023年度では休廃業・解散が709件、倒産55件で合計764件。 2024年には倒産や廃業など合計786件(2000年以降最多!)。

コロナ禍の影響による受診控えがもたらした診療報酬の減少や経営者の高齢化・後継者不在は特に診療所で顕著なのはもう散々言われている事です。実際に医師会報を見ると、運営が赤になる前の自発的閉院、院長死亡や高齢化に伴う閉院の公告も多く。これらはもう見る方の私も慣れてしまいました。また物価高騰と診療報酬改定の遅れのせいで全く利益が出ずに潰さざるを得ない状態の所は一杯あります。更には驚くほどの医薬品、医療機器の価格上昇や賃上げ圧力が経営を圧迫しているのも末端の私でも驚くほどで、今時病院を経営するなんてまさに損しかない状態となりました。

「病院単体」の倒産件数は少なく診療所や歯科医院の影響が大きいのですが、実際にはこんな風に休廃業・解散は倒産より多く、負債がない健全な閉鎖も多いのです。 2025年問題(高齢化社会の医療需要増)や政策による病院数の抑制も背景にあって、何としてもベッド数を減らそうとする圧力が凄まじく、これらを総合すると「家で死ね」という暗黙の政府からのメッセージと素直に考えたほうが良いでしょう。

経営コンサルなどは安易に「儲かる科」を残して他は潰せと言うらしいのですが、それを繰り返せば(原因は異なれど)アメリカの様に産婦人科と小児科は真っ先に消えるでしょう。

最後はスタバの溢れるモールのようなジョークのように特定の科のみ存在する病院が溢れないでしょうね?




2025年4月17日木曜日

当然だけどそうなるよね~

アメリカではまさに日常茶飯事の出来事も日本で起きると全く当たり前ではなくなります。

多人種国家そのものであるアメリカと違って、日本では今起こっている大量の外国人との自然共生という事態がなかなか実感できていません。私もアメリカに住んでいたからこそという様な経験のおかげで周りにいろいろな髪や肌や言語の人達がうろついているのが当たり前という状況に慣れてますけど、日本はマダマダ。

名古屋だからこそ、名古屋周辺の車産業などが持ち込んできたブラジル人、フィリピン人、ベトナム人等を中心とした人々が見られますし、日常の生活の中でもいろいろな人種の子供がランドセルを背中にしょって学校に通っている生活を見ていますが、田舎ではこうはいかないのは田舎にいた、そして今も時に田舎に帰って周りを見ている私が言うのですからほぼ実感レベルの話。

日本においては現在中国人が増えているのはこれまた統計上の事実。顔も似てますし日本語が上手い人もそれなりに多いので目立たないだけか。栄界隈に行くと大声で中国語を喋ってる人達と大量に擦れ違いますので、台湾人も含めて多いのでしょうが移民という意味ではどうなんでしょう。

あとは忘れがちですけど、在日韓国人も地理的歴史的観点からは当然多いのですが、実は愛知県ではトップでは全く無いのです。まあ、既に帰化した人達が多いし顔も「まあ、それなりに似てる」人も多いので判りにくいでしょうしね。

愛知県によれば県の外国人住民数は310,845人で、県の総人口7,478,574人に対して約4.16%を占めています。国籍別では、ブラジルが最も多く61,566人(19.8%)、次いでベトナム(18.7%)、中国(14.7%)、フィリピン(14.4%)、韓国・朝鮮(9.1%)などが続いています。 名古屋市には94,665人の外国人住民が暮らしており、県内で最も多い地域です。その他、豊橋市や豊田市にも比較的多くの外国人が住んでいます。 愛知県は製造業が盛んなため、外国人労働者が多く集まる傾向があります、との説明。

ガイジンのカウント数だけで私の田舎町の宮崎市の人口をもう少しで超えそうな位です。w

さて、そういう数字が出て来ると当然起きて来るのが外人さんの入院。今日も中国からきて二年となるお婆ちゃんが認知症の進行で入院して来られたのですが、この方は生活保護などとは縁の無いしっかりとした娘さんに護られたお婆ちゃん。しかし、娘さんに言わせると例え中国語でも何を言ってるかはもう通じなくなっている状態なのだそうです。

幸いにしてこの患者さんが入院された病棟では中国語の分かる人が三人仕事をしていますので、家族さん達とのやり取りは問題なし。ただし、患者さんは日本語は勿論、中国語も通じないのでそこは残念です。

多言語状態でもなかなか優秀なスマホのAIが問題なく訳してくれますから大きな問題は無いのですが、こういってちゃんとメジャーな幾種類かの外国語を話す方々が病棟に居るというのは本当に助かりますね。

外国で認知機能障害を持つ親の面倒を看る…。下手をするとアメリカに居た頃の私もそういう状態になっていた可能性が大ありでした。

なるべくスムースに娘さんの住まれているエリアの施設に送り出してあげたいと考えています。

2025年4月16日水曜日

認知症が進行すると…

今日は少し困ったことが病棟で起きました。

ある患者さんが難しい疾病を大学病院で治療した結果、体に大きな傷跡が付いてしまったのですが、その保存的フォローアップをしている途上で認知症状の進行が著しくなり、最後は病棟から自宅に帰って行ってしまいました。

区役所の担当者の方々も終業間際に来られて長く説得されたのですが、患者さん曰く「ここでは何もしてもらっていない」と。しかし実際は看護師さんも医師も毎日毎日必死にこの患者さんの事をケアしていたのです。

それでも、この方は数時間しか記憶が持たないので数時間前の記憶も勿論駄目ですし、昨日の事に至ってはもうそれこそ奇麗サッパリ。まるでご本人の中では消えている訳ですから、この方に責任がある訳では無くて、御本人の頭の中では「確かに」存在しないのです…。誰が悪いという事でも無い、頭の中にあるべき海馬が委縮してしまっている事こそが犯人、しかしこの犯人が住み着いた患者さん御自身に罪がある訳でも無し。orz

結局のところこの患者さんが起こって家に帰っていった後で私が役所の方にお話ししたオファーは、万一今後この方が体調悪化して病院に収容されるような状況に陥ってしまった場合には、普通は行わない再入院を積極的に行いますというものでした。

私の母とそれほど歳の変わらぬこのお婆ちゃんには、強い共感を覚えるのです。実は私の母も心房細動由来の血栓が頭に飛んで以来、次第に血管性認知症が進んできた状態。言ってみればこのお婆さんとあまり変わらんのです。まるで田舎に居る自分の母親を見ているみたいでね、何だか何時もは再入院はダメといっている「我がままによる自主退院」や「暴力由来の強制退院」とは違う哀しみを感じてしまうのでした。

既に癌が転移して他の臓器の方にも拡大を見せておりましたので、多分これからそう長く無い頃にADLが下がりきる状態になって病院搬送になる可能性が高いのですが、それを見越した上での上記のようなオファーを出したんです。

最後くらいは嫌われてでも私が看取ってあげたいな、と感じた今日の午後でした。

2025年4月15日火曜日

どんどん減っていく外科医

医者の世界の外側に居る人達には全く見えてこないモノがあると思います。

まあ、どの業界でもアルアルという内輪ものの情報ですが、当然の様に医療業界にもそういう内輪の話はあります。数ある団扇ものの話の中で最近よく話題になっているのは直美といって、初期研修のみを終え、保険医療の世界を経ずに「美容外科の世界」へ直接飛び込んでいく大量のヤバイい人達の事。

まあ、お金さえあれば他の事なんてどうでも良いのよ~と言う連中の相手など私的にはどうでも良くて、タワマンにでも住んで高い車にでも乗って、自分と同じような残念な子供に金をかけて、何とかもう一周後にミニ直美を育てて我が一家は安泰みたいなペラペラな生活が理想という様な脳味噌の中身の薄い方々はそちらの方でしっかり頑張ってください!というエールを送らせて頂きたい。

私の周辺にも金の力でなんとかかんとか医師になって「その人なりに頑張っておられる」私立大学の方々が居られますが、そもそも日常臨床においてその業界の学術的未来を牽引していくような人物は基本的に国公立大と一流の私大由来の人に多いというのが周囲の現実というか、そもそも研究志向の普通の私大の卒業生がどれほど居られるのか。なんとうか、住む世界が違うというのは医師同士では暗黙の了解では無いでしょうか。(少なくとも私の住んで居たリサーチの世界はそうでした)

勿論、私立大の先生にも臨床医として地域医療に頑張っておられる先生方も居られますが、基本は親の病院を継いだりという方々が本筋だったり、親が中小企業の社長さんとかいう感じで、その娘さんや息子さんたる医師には金の心配は要らんので大学のポストという箔付けの為に、必要以上にたくさん存在している私大の准教授、講師のポジションなどに薄給で使われているなんて言う話もゴマンとあります。私立の先生御自身からそんな話を直接聞くだけなので、それがどこまで本当なのかは知りませんが…。

そもそも、親が医者だから子供も医者にするという発想は私的には謎の思考回路なんですが、資産管理や医院継承というのはなかなかに大変なんでしょうな。知らんけど。w

さて、こういう様々な道筋を通っていろんな道を選んでいろんな科に進んで行く医師の卵が沢山毎年出てくる訳ですが、恐らくいま業界の中の人達が大変心配しているのが外科系の先生の激減。特に若い人達で中堅どころの先生方が研修も終え、これから一流にならんとする所で外科の世界から抜けていっているというのです。

実際これは外科の先生方の間では大きな問題として認識されているとのことで、問題意識を持つ先生方が知恵を絞って日本の種々の外科学のレベルの向上(というか維持)を考えておられるのだそうですが、辞めていく人達を止めるのは本当に難しいとの事。

こういうお話を外科系の先生から伺うと、心配になるのはこれからの日本の外科系の姿。緊急手術をこなせる先生が減り、食道癌のオペのような高度な手術を可能とする施設が激減するのではないかという未来予想。

今迄当たり前だと思っていた多くの病院における種々の高度な手術を期待していると、近未来にはオペを待つ人達の行列が出来る可能性というのも出て来るのではないかと危惧しています。さて、どうなることやら。

2025年4月14日月曜日

病院での患者さんの夜の過ごし方

不眠を訴える患者さん、特に高齢者の患者さん達の数の多い事多い事!

そんな患者さん達の眠りを上手にコントロールしてあげると本当に私が良い医者であるかのように褒めてくれます。実際そんな事は無いのですが。

患者さん達が入院してきてまず最初にお話しする事の中に「夜は良く眠れる人なのか否かの確認」というのがあります。家に居る頃から眠りに問題を抱えているような人というのは実際病院に入院してからは更に眠りの問題が大きくなるという一定のパターンがありますので、最初から全力で注意を払っていきます。

病院で眠りに問題があるという人の推定される原因のパターンにはいくつかあるのですが、まず最初にやって来るのが病院でする事が無さ過ぎて昼間に眠ってしまって夜は逆にギンギンというタイプ。漫画を読んだり、本を読んでくれる人達や日中に汗を掻きかきリハビリをしてくれる人達と云うのは私にとっては待った手のかからない人達で、この手の方々は夕方から消灯時間になると活動性が落ちて、スーッと寝てくれます。

それでも、次に問題となるのは前立腺肥大や過活動膀胱という疾病により尿意の出現間隔が短すぎて眠れないというもの。これにも「眠る前の数時間は水をなるべく摂らない」とか「それらの疾病への対応薬の処方」というものがあるのですが、これらの薬は効果が出るまでに非常に長い時間がかかる事が多く、残念ながら入院期間中には効果が出現しない事が先ず普通。

最後は加齢性変化による睡眠時間長の短縮化です。概ね加齢と睡眠時間の長さは逆相関するので、8時に床に就いて眠った人が夜中の一時や二時に目が覚めて後はまんじりともせず朝ごはんの登場を待つというもの。これも悲劇の一つです。

他にも上に書いたような要因が無いにもかかわらず寝入りが悪い人、寝入りは問題ないけど直ぐ起きてしまう人など「眠れない」という問題は本当に多種多様です。

眠剤を出す事は容易なのですが、それに依存させないようにする事も大切。残りの人生をそのような強い薬に依存させて過ごさせるのは医療者側の罪というべきものだと思いますので、そういう薬はまず出さない様に気を付けているし、出すにしても依存性のほぼ無いといわれるものを出すようにしています。

話は変わりますが、病院における夜というのは意外と重大事故の起きる時間でもあるのです。夜中に廊下の向こう側でドーーーンという音がしたり、バシャーンという音がする時に認知症の患者さんがベッドから転落していたり、ポータブル・トイレを使おうとした人が転倒したり等という事も時々発生してしまうのです。

病院の夜。個人レベルでも病棟全体としても実はいろいろとダイナミックな動きがみられる病院という仕組みなのでした。

2025年4月13日日曜日

日本が戦争に巻き込まれた時に死ぬ人達

台湾への中国侵攻がまことしやかに囁かれて久しくなります。

侵略戦争を始めるのは何時の時代でもバカの仕事。どのような状況でも防衛以外の戦争は可能な限りその当事者として住む侵略国と被侵略国等の二国間以上の国民にとっては避けたいものです。理由はシンプルで、大量の人間が双方で死亡し、大量の心的、身体的障碍者が発生し、数限りない悲劇の物語が生まれ、大量の資源が消費され、勝った国も負けた国もほぼ確実に戦時経済の影響でインフレが発生し、歪んだ経済形態が長く長く糸を引くから。

そして何よりも、これらの事以上に双方に数世紀以上に亘る罵り合いと遺恨の歴史が残るから。恐らく一番の損失はこれでしょう。

ところで、戦争といえば日本が一番駄目な事のド定番は「兵站」というのは誰もが認めることでは無いでしょうか。いわゆるロジスティクス。戦争を遂行するにあたって毎度毎度日本が苦しめられるのはこの物資補給の不味さ、拙さに尽きるのではないでしょうか。

開戦当初は勇ましく「勝った勝ったまた勝った」でも、戦争が進んで行った後でその戦地の最前線で弾が尽きたら、人が尽きたら、燃料が尽きたら、食料が尽きたらという様な基本的な部分の考察がまるでダメ。資源がそもそも無い国に、戦争行為というものは遂行できる訳も無いし、してはならないのです。日本が出来る戦争というのはあくまで自国領土に近接した部分まで。そもそも国から出ていく事さえ既に間違いだという気がします。

国際貢献での国外への自衛隊派遣や邦人救助は全く別の話でしょうが、戦を行いに外に出ていく事自体は今の日本の体力では土台無理。ウクライナの闘い方を見ていても、あれは国外から鬼のような戦費とリソースのアバックアップがあるからであって、日本が単独で同じ事をやれば一か月戦闘が持つのでしょうか?私は寡聞にして知りませんが、自衛隊はいろいろなパターンのシミュレーションを行って、その回答をもう当然持っている事でしょうが。

取り敢えずシンプルな回答は弾薬だけ考慮してもたったの約二か月半との事で、どんなに鍛錬された戦闘員が居たとしても、撃つ弾が無ければ話になりません。ましてやこれは燃料や食料などの事は何も考えずに組み立てられた部分ですから、地震が発生したり台風が来るたびに食料品の棚から何も無くなるような状況で、一体戦争が開始されたらその日のうちに全ての物資が棚から無くなる事必定です。

勿論、ガソリンやその他の食糧物資、飼料なども入ってくる訳はなく、食料自給率が驚くほどダメダメな我が国の事ですから、戦争遂行云々の前に大量の餓死者が出る事でしょう。

既に、日本の食料自給率は長期的に低下傾向が続いているのは有名な話で、農水省の資料では、カロリーベースと生産額ベースの自給率の推移の概要では 昭和40年度はカロリーベースで約73%、生産額ベースで約86%。平成初期にはカロリーベースで約43%、生産額ベースで約74%。令和5年度はカロリーベースで約38%、生産額ベースで約61%。この低下の背景には、米の消費減少や畜産物・油脂類の消費増加など、食生活の変化が影響しているというのですが、何れにしても戦争遂行など夢のまた夢。噴飯物も良いところ。w

私は昨年からの米騒動を見ていても、この国は本当に自分で生きていく能力をどんどん失っているんだなという気がします。少なくともカロリーベースで7割くらいは維持しておけるような農業、畜産の体制を構築しておかないと長い長い目で見て「トンデモナイ地獄」が日本に出現する日がやって来ないとは限らないと思っているんですけどね。

自分の予想が糞予想として外れる事を心から祈るばかりです。

2025年4月12日土曜日

双極性障害じゃないかな~

何か高知の美人女優がいろいろとやらかしてるみたいですが。

発表を見ている限りではまさに薬でもやっていたかのような印象ですが、実際の警察発表ではソレは無かったとの事。何よりです。しかし、そうで無ければ逆にあの騒動は何なんだというところなんでしょうが、そっちの場合の方が実際には問題なんじゃないかという気がします。

だとすると、何らかの精神疾患がこの人物にはあるという気がするんですね。その中でも一番疑わしいのは「双極性障害」という風に感じています。

語られるエピソードの多くが「非」精神科医の私には双極性障害なのかもなって気がするんですよね。ある程度の周期性をもって出現するかなり特徴的な特異な行動とその発言に関する伝聞はやっぱりそうなんじゃないかなという思いを強めます。

学術や芸術における天才といわれる人にも大女優とか名だたる男優なんていう芸術家肌の人達にも「ごく普通」にこの双極性障害の人は居て、日常の世界においては特段おかしなことではありません。

ただし、日常においてはこういう人達と付き合うのはかなり大変で、実際に職場にいると周りの人達は結構「大変な目」に遭う事が多いのです。簡単に言ってしまうと「かなり迷惑」なんですよね。w

それをどう捌くのかというのが問題なんですが、例えば朝は満面の笑みで大声で挨拶され、こちらが戸惑う程の状態であっても、昼に擦れ違って挨拶するとムスッとして目も合わせないし言葉も出さないなんて言うのもありますし、躁と鬱の期間の交代がそれなりに長く、それぞれの病期に見合った薬を使われて落ち着いている人も沢山居ます。

ただ、精神科の先生の話を伺った感じでは、単極性の躁や鬱と違って双極性の障碍は治療が難しいというのが皆さんの口から洩れてくる言葉です。私自身はこのエリアの専門家では無いのでいろいろと細かな事を申し述べる事は控えますが、世の中というのは疾病と正常の間にある無数のグラデーションを持つ人々の集合体。

どこからが病気でどこからが正常なのかというのを断定するんは本当に危険だと思います。自分が正常と思っていても~なんていうのは何時でもアルアルで、良く調べてみればなんか病的エリアに沢山みられる精神状態じゃない?なんて事は精神の世界では良くあること。簡単に病気といって撥ねつけるのではなく、受け入れる余地も常に残しておかないといけないと思うんですよね。

今回のニュースを視て、素人ながらそんな事を思いました。


2025年4月11日金曜日

乳癌は制圧しなければならない

病気の「発症」というのはなかなか止められません。

勿論、それは生活習慣病であればまだまだ対応策があるのですが、遺伝子に強く支配される領域の疾病になってくると、やはり個々人にそれぞれのなり易さというものがあると思います。勿論、生活習慣がその遺伝性疾患の発言に影響を与える様なモノもあるでしょうが、それでも遺伝子の差は大きい。

20世紀と異なり大きくその遺伝的背景の研究が進んだのは乳癌。アメリカでは特に積極的にその手の発癌に強く寄与する遺伝子を持つ方々が積極的に乳房の切除などをする時代にまでなっています。それでも、やはりこの疾病は多くの女性、特にまさに育ち盛りの子供さんのいるお母さんなどにも容赦なく襲い掛かります。

そして、例えオペが間に合って命が助かったとしてもその整容に大きな問題が残り、心にも大きな問題を残すのです。私自身も短い臨床経験の中で、乳癌で亡くなられていく女性の最後の瞬間に何度か立ち会わせて頂きましたが、やはりこの病は「制圧」されなければならないと強く思います。例え発症しても必ず制圧!

私が関わった中で最も若かった方は私の長崎の大学院時代に乳癌で逝去された20代の秘書さんでした。私が名古屋に来ていてちょっとした用事でウイルス研究室に戻った時の事、何時もそこに座っているはずの美しい秘書さんが居られませんでした。「あれ、辞められたの?」と何気に聞いたところ返ってきた返事は驚愕の内容でした。顔を曇らせた当時の大学院生の友人は「ああ、お前は知らんかったよな…。彼女、この前乳癌で亡くなったんよ」と一言。

まさに頭を金槌で殴られたような衝撃でした。声も出せず、衝撃の余りに黙りこくってしまいました。あんな若い美しい女性が何で?何で?何で?という事しか考える事が、というか考える事が出来ませんでした。

自慢の娘さんを乳癌で奪われた御両親の事を思うともう何も考えられないくらいの衝撃。人生はまさにこれからという時に突然の癌の宣告を受けて辛い闘病を行わなければならない等という事は起きてはいけない事だと思うのです。

もっと進んだ治療、もっと負担の少ない治療。やがては登場するのでしょうが、一日も早い登場を願ってやまないのです。

この秘書さん、亡くなる直前にこんな事を言い遺したらしいです。「良かった、私未だ結婚していなかったから、相手の男性を悲しませることが無くって」と。私達はその話を聞いて十分に泣きました。悲しみは皆に広がって止まる事は決して無かったのです。

今日も私の所に入院して来た乳癌術後のお婆さんの胸の状態を見て昔の事を思い出すと共に、この癌の制圧を心の底から再度願った一日でした。

2025年4月10日木曜日

アメリカ製iPhone?

Make America Great Againが大好きなおじさんがアメリカ国内に製造業を戻そうと躍起です。

個人的には「頑張れ!w」と応援しているのですが、今度はもしそうなったら?という話が続きます。最も卑近な例はiPhoneのアメリカ国内製造の可能性。作製のためのコンディションは様々なシナリオがありますが、実際に作るとなるとなると1台が1万~10万ドル!という素晴らしい値段になってしまうというお話。これは2007年の段階でのLuke CapitalのGlenn Lukさんの話として非常に有名。

そして、最近よくネットで揶揄されているのはあのトランプとそのサポーター達が頭に乗っけている真っ赤なMAGAのキャップ。一体このキャップがどこで作られているのというのがネット上でかなりあちこちで真剣にチェックされていますが、実際には極一部がアメリカ国内で作製されており、残りの殆どはノック・オフ、いわゆる模造品なんですね。しかも中国製。これはいろんなところでそのタグに中国製と書かれた模造品が出ているので容易に理解できます。

トランプ陣営の人間がこの模造品を作っている連中を訴えるの訴えないのと書いてありますが、そりゃもう無理。今の世界ではどこでも安く作られたものが世界中から掻き集められて、必要とされるところに必要な分だけ適切な値段で送り届けられるという世界。

誰かがそれを阻止しようとしても、必ず他の誰かがそれを成し遂げて利潤を上げます。それが資本主義の原理。製品の原材料のみならず、10円の飾りから数十億円の軍用品まであれやこれやの方法を使って顧客に届けられていくのは金とモノが交換される限り仕方ない事。殆どはまともな取引だと思いたいのですが、残念ながらロクでも無い違法取引も無数にある訳です。

そして、アメリカに製造業を戻すと喚く子供大統領とその太鼓持ちの副大統領の視点に徹底的に欠けているのは「そういった事がその値段で出来る人材」がどこにも居ないという話に尽きます。

中国人やベトナム人の様に、短期間の訓練さえすれば安い値段で勤勉に間違いなく働いてくれる教育レベルの高い人材がどこに居る?という話。恐らくさっき言ったような値段でアメリカでもiPhoneを作れるでしょう。しかし、需要を満たすだけのモノをそれだけの短期間で美しく整え切るかい?と言う話。

どこの誰が、今のアメリカでsweatshop jobsをやるんかいな。違法に住んでるLatino?そんな人間達は畑からも小さな作業所からも追い払いたいんでしょうから無理です。

要するに、お前らは言ってる事とやってる事が悉く矛盾しとるのよ。orz


2025年4月9日水曜日

無限に繰り返されてきたお話

今日はある先生と立ち話したある話で「数分間」盛り上がりました。

それは職場に居る働かない人の話。これってどこの職場においても必ずある話で語り尽くされてきた話の一つでもあると思います。恐らくは酒の席ではこの話は格好の酒の席のネタの一つだったのではないかという気もするんですが、私は意外とこの手の話はしたことが有りません。理由は簡単で、もっと沢山他に話す事があるから。

ところで、今日その先生とその件が立ち話になったのは医局で何時もイビキを立てて寝ている先生が居るからなのでした。

患者の持ち数も極端に少ない、患者さん自身も診察ほゞしない、家族への説明もほぼ無し。それでも給料は我々と変わらんよね~という事で、暫くその手の話が続いたのでした。まあ、それでも数分間交わされた二人の間の立ち話の結論は「気にしても仕方ない」というもの。

気にしていたらストレスになるし、気に掛けていろいろその人物に話したところで変わらない人は変わらない。邪魔にならないように距離を置いて、少なくとも自分の仕事はきちんとする事。恐らく長い時間をかけてこういう人物は職場では与えられる仕事の数が減っていくでしょうから、特に気にしても意味が無いという事で話が切り上がりました。そもそも、その人物に給料払っているのは我々では無いので考える事自体意味が無いのですが…。

タルムードの教えでは「愚かな人物には如何なる状況においても関わるな」というようなものがありますが、それは恐らく15世紀後の今においても経験則的に正しいものだと思います。人生は愚かなものと交わるのに時間は余りにも短く、それから逃れる事に割く時間はやはり無駄な時間の集合体でしかないと思うのです。

それ以上に大事なのは己自身がその愚かな人物に数え入れられない事かな、と。そうならない為に自己研鑽と患者さん達に対する真摯な治療、家族さん達に対するケアの継続など大切な、当たり前の仕事を淡々と継続していく事こそが必須なのでしょうね。

2025年4月8日火曜日

子供大統領の関税政策

私自身は株式にそれほど噛んでいる訳では無いので、大笑いしながら株価の上下動を見ています。

アメリカの私のretirement planである401Kは当然株式で構成されていますが、その額の増減を見ても何だか他人事のように思えてなりません。あっと言う間に$15,000ほど額が下がっていましたが、そもそもその存在には何も期待していないので「ほうほう」と他人事です。w

そもそも、この子供大統領を国の真ん中に担ぎ上げた時点でこんな感じの負けは決まってましたので、後はどれほど落ちてどれ程の時間をかけて戻る道を戻って行けるのかという話。

いま、この子供大統領が御執心なのは「関税」とい自分の好きな言葉を使って20世紀初頭の世界を大恐慌に叩き込んだ重商主義の端くれオジサンである「無策のフーバー」の劣化版コピーです。

Wikiで重商主義のページを見ていると、17世紀のオーストリアの弁護士且つ学者のオッサンの重商主義に関する包括的な説明を読んでいると、おやおやこれはアメリカの子供大統領のやろうとしていることそのものですな~と言う話。w
  • 国の土壌のあらゆる部分を農業、鉱業または工業に利用すること。 
  • 完成品は原材料よりも価値が高いため、国で見つかったすべての原材料を国内製造に使用すること。 
  • 大規模な労働人口を奨励すること。 
  • 金と銀のあらゆる輸出を禁止し、国内の貨幣をすべて流通した状態に保つこと。 
  • すべての外国製品の輸入を可能な限り制限すること。 
  • 特定の輸入品が不可欠である場合、金や銀ではなく他の国内製品と引き換えに、それらを直接入手すること。 
  • 輸入は可能な限り自国で完成できる原材料に限定すること。 
  • 国の余剰製造物を、金と銀との交換のために必要な限りで外国人に売る機会を常に求めること。 
  • そのような財が自国で十分かつ適切に供給されている場合、輸入を許可しないこと。
全世界の全ての国を脅して己の国が大消費国であるという事実に気づかず、再度製造国として何とか[MAGA]を再現しようとしている愚かさ。

やりたい事は解りますが、無理なのよ。^^ そもそも貯蓄より消費を優先させて肥大化してきた国ですから、その消費が物価高で行き詰まり始め、更に製造業に至っては既に何十年も前に錆びついてしまって、今では外国からやて来た各種産業がアメリカに根付いて花開いている状態。

一体全体この子供大統領の頭の中では何をどうしたいという構想が「関税」と「恐喝」という言葉以外に何かあるとはとても思えません。

今回の子供大統領の関税策定の根拠となっている数値の計算式を見てると頭が痛くなってきます。更に、その根拠となる基本の数値はまさに「恣意的」な数字をいろいろな時代の色々な状況のものから掻き集めてきておかしな公式に集めて更におかしな解釈から数字を弾き出すというまさに「狂った政策」です。

これから数年、どんな交渉が為され、どんな世界が現れるのか。頭が痛いです。orz

2025年4月7日月曜日

あってはならない事が起きてしまった

私は長崎で青春を過ごした人間ですので今回の事故のニュースは衝撃そのものでした。

対馬から福岡に向かって高齢者の女性を運んでいた6人乗りのドクター・ヘリが壱岐沖で墜落し、患者さんとその息子さんと前途有望な30代の若手医師・荒川渓先生が亡くなられたというのです。

既に脳外科専門医も持っていたとの事で、カテが上手な先生だと別のニュース・ソースには書いてありました。趣味には水泳とも書いてありましたので、今回の事故ではこのような水泳が得意な人物でさえ亡くなられるような状況であったという事なのですから、如何なる状況でも助からないような位置に座っておられたのでしょうか。それとも患者さん達を助けようとして…。

このような、まさに今から未来に大きく羽ばたき無数の患者さん達を救う筈の有為の人材であった先生が、このような形で亡くなられた事は真に地域医療にとっても大きな損失であり、衝撃の大きさは全国の医師のフォーラムに大量の投稿を生み出しています。

このヘリの運営会社は昨年の7月にも死亡事故を起こしていた為に、一旦運行契約を見合わせていたとの事なのですが、安全との報告を受けて再開していた状態だった様です。

今回の件を受けて県の方では全てのドクターヘルの再点検を行ったとの事ですが、離島医療圏を含めた全国のドクター・ヘリは今日も運行を止める事は無いのです。特に長崎のような大量の離島が存在するエリアにおいてはドクター・ヘリや漁船などの存在が住民達の命綱なのです。

私も長崎に居た頃、国立病院経由で仕事をしたりしていましたが、雨のザーザー降る夜の暗闇の中を脳梗塞疑いの女性をピックアップするために漁船を出して貰って漁師さんと看護師さんと小さなポンポン漁船に乗って迎えに行った思い出もありますし、脳外の同級生からオペの予定が入っているので「お前が代わりに行ってくれんか?」と頼まれたこともありました。(その時はギリギリのところで彼自身が行ってくれましたが)

今回の事があっても決して消える事はないヘリによる急患の搬送。

既に多くの患者さんを救ってきた、そしてこれから更に多くの患者さん達の命をは救うはずだった若き荒川先生の命が消えた事に、同じ大学を出た輝ける後輩の命が消えた事には衝撃しかありません。カネではない、モノではない、まさに還る事の無い命が失われたことに痛恨という想いしか浮かばないのです。

運ばれていた患者さんとその息子さんも荒川先生に付き添われ、出なくても良かった旅に共に発ってしまいました。心の底からお悔やみ申し上げます。合掌。

2025年4月6日日曜日

小動物を殺して快感を覚えるような輩

一言、変質者、変態という言葉しか思い浮かびません。

比較的最近、あるウサギが沢山繁殖している瀬戸内海の島「大久野島」で異様な方法でウサギを虐待したり、殺したりしている若い男が捕まったニュース云うのをテレビでチラと視ました。

カメラマンの御夫婦が、最近島で異様な怪我や死に方をしている沢山のウサギ達を気にされて、怪しい動きをする人間を張っていて捕まえてくださったという話。

足の骨が折れ、鼻血を流して死んでいたウサギもいました。明らかに病死などではない。不自然な死に方に、島内では人間の関与を疑う見方が強くなっていました。そして1月21日の夕方、島で長年ウサギを撮影してきた写真家夫婦が、にんじんでおびき寄せたウサギを蹴り飛ばした男を目撃して取り押さえたんです。ウサギは痙攣した後、死んでしまいました」という捜査関係者の話と云うのがネットにあったのを読んで、こいつは変質者…としか思えませんでした。

更にそれを間違いないと思わせた発言は「去年から何度も来て同じようなことをした。ウサギがかわいいと思う半面、いじめたらどんなリアクションをするのか気になった」というもの。

イヤイヤイヤイヤ、もう変態でしょ。何というか、タダの犯罪者。アメリカでは有名な連続猟奇殺人犯の父親が書いた有名な本がありますが、その子は小さな頃から動物の死体やその骨等に異様な興味を持って接していて、次には小動物、そして普通の愛玩動物を殺し、最後には人を殺し始めたというノン・フィクション。

この連続殺人鬼の場合は小動物を殺すという行為が性的リビドーと結びついてどうにも殺人が止められなくなったというトンデモナイ話だったのですが、この埼玉出身の男の場合の歪み具合はどんなもんだったのか、可愛い小動物の口の中にハサミの刃を差し込んで骨がポキッという音をたて悲鳴を上げたり、毛を抜く、耳を引きちぎる、鼻の穴をはさみで切る、頭を踏みつける等という書いているこっちの具合が悪くなるような悍(おぞ)ましい行為の数々。

もう、頭の中が腐っているとしか思えません。orz

この堀田という若い男、東レの関連会社で生産管理システムを作っていたという事なのですが。親は泣いてるな。

2025年4月5日土曜日

性犯罪マップ

こういうことに個人情報保護法が「悪用」されるのかという感じ。

もともと個人情報を悪用する輩や名簿売り買いをするような組織等を戒めるような目的があったと思っていたんですが、今の時代はそういった情報は容易にネットに拡散されるのに本当に必要な情報は「個人情報保護」の名目のもと本当にアクセスするのが困難になっているという印象があります。

どっちかというと、日常生活において「個人情報」とか言って、何も解っていない人に限って叫んでいるような印象です。

さて、日本で今回のニュースになっている「性犯罪マップ」ですけど、ここは今、閉鎖に追い込まれてしまっています!

アメリカに居た頃は本当に良く見て自分たちの近所に問題のある性犯罪者が居ないことを確認したものでした。特に、我が家にはまだまだ就学中の幼い女の子が居たため、その検索は大真面目でした。

アメリカにおいては実際にFBIがこれを準備しており、犠牲になった女の子の名前をもとに「The Dru Sjodin National Sex Offender Public Website」というのがガッチリと公開されているのです。この発想の差は何か?ということですよね。

要するに性犯罪を犯すような連中は繰り返す輩が殆どで、その性衝動を止められないことで一人の連中が多くの被害者を生み出すわけです。そして近年ではネットで繋がっているこの手の変態達が手を携えあってヤバい情報を交換している訳ですから、我々防御側は手足を縛られるわけにはいかないはず!

ところが個人情報保護委員会なるお役所はそういった行為は日本においては個人情報保護法19条に抵触するというのですがその中身というと、「違法又は不当な行為を助長し、又は誘発するおそれがある方法により個人情報を利用してはならない」という文言。しかし、その条文はよしとしても、それをどう適用するのがお前達の仕事じゃないの?という話。

どちら様を向いて仕事をしているのか解らないような連中が税金喰いながら今日もあらぬ方向を向いて犯罪者の権利擁護に一所懸命です。

2025年4月4日金曜日

複雑性PTSD

「ある患者さん」が幼少期からの長期に亘るDVの結果として酷い精神状態になって今病院で生きています。

精神科の先生が必死に診察・治療を行っているのですが、診ていて気の毒になるくらい精神状態が不安定で、自己嫌悪や感情の波の不安定さ、自傷行為、自殺企図等の教科書に出て来るような様々な「症状」を一気に表出しています。

病名は複雑性PTSD(Complex PTSD)。これは長期間にわたる反復的なトラウマ体験が原因で発症する心的外傷後ストレス障害の一種。例えば卑近な例としては、幼少期の虐待、家庭内暴力、戦時における戦闘体験、監禁などが原因となることがあるのだそうです。

そして、今回の患者さんの場合は家庭内暴力。ほんのこの前までは立派に社会の中で仕事をしていたというのですが、最近になって精神状態が不安定化し命の危険が表に出始めた為に、本人さんの同意を得て精神科に入院となりました。

折角、社会の中で有為の人材として機能していたのに、幼少期からの長きに亘るDVがこの時期になって悪の華を咲かせるような状況になってしまっているのです。虐待を行っていた親には自覚があったのか否か。今頃になって、割いて欲しく無い花がその花弁を満開にして自分の娘を蝕んでいる事実をどれほど理解しているのか?

これはやはり魂に対する殺人であると私は考えます。以前にもこの疾病を患った女性を間接的に傍で診たことがありますが、年齢に比して「魂が枯れている」という強い実感を持ちました。

この女性の場合は今回の患者さんとは別の理由によるものでしたが、それでも魂というのは傷ついたらなかなか修復出来ない、しかも傷つけられた時間が長ければ長いほど、その衝撃が大きければ大きいほど薬では到底治らない人格、性格等への強い影を焼き付けるのだと考えます。

感情の波が大きな間は先ずは命を自ら消してしまうリスクを回避するのに看護側も精一杯です。場合によっては個室に入って貰って24時間カメラの監視下に置き、15-30分に一回の巡回。それが一旦収束しても油断は禁物。医療者側も一時も心が休まる暇は有りません。治療、看護する側も本当に疲れるのです。

何としても「普通の状態・普通の生活」に戻してあげたいのですが、果たして上手くいくか。これから長い戦いが続きます。

2025年4月3日木曜日

退職される若い皆さん

「モームリ」という退職代行サービスの事がネットやその他のメディアで話題になっています。

他にも幾つもそれに類似したサービスが展開されている様で、我々の20台の頃には想像もつかなかったような特殊なサービスというものが今の世の中では普通にある事を解らせてくれる良い例ですね。

「退職代行サービス」という単語は、まさに読んで字の如くという事で」という退職代行サービスの事がネットやその他のメディアで話題になっています。

他にも幾つもそれに類似したサービスが展開されている様で、我々の20台の頃には想像もつかなかったような特殊なサービスというものが今の世の中では普通にある事を解らせてくれる良い例ですね。

「退職代行サービス」という単語はまさに読んで字の如くというもので、一読でその内容は理解できるものの、最初の頃はホンマにそんなもん実在するんかいなと思うくらいでしたが、報道の内容を見てみると「アア成程ね~」というもの。

要するに、自分の就職した企業に馴染めない、ブラックだった、ブラックではなくとも休日の条件などが後付けされて(いわゆる聞いてないよ)いるもの等に対するNO!という拒否反応の最終形態としての退職、離職という行為なんでしょうね。

こういうのって会社・職場に無断で行かなくなれば勝手に首切られるもんなんかと思っていたんですが、そういう会社の一部には鬼の様に電話やメールを送って来るところもあるとの事ですから、気の弱い人や面倒を避けたい方々と言うのはこういった(私から見ると不思議な、しかし時代のニーズを汲んだ?)サービスを利用するのでしょう。

しかし、私思うんですけど…昔からブラック企業やトンデモ企業と言うのはゴロゴロあった訳で、今の時代コンプライアンスとハラスメントが声高に叫ばれてますけど、もしそういった事を言い始めたら墓が立つか家が建つか等と言われる超高給企業ゴールドマン・サックスとかどうなるのよ?という話もチラホラ。w

そういう「上澄み」に近い特別な上の企業で働く挑戦者達の退職は伝説とか語り草とか言っておいて、一般的な(おそらく)下の方の企業というか、そういうレベルの組織でやられたと感じて退職を選ばれる方々というのは、そういう結末に陥ったのは純粋にその企業だけの問題かというのが私の純粋な疑問です。

お前も入って経験してみろ!と言われそうですが、そういった企業を選んだ経緯が先ず知りたいし、そういった組織を選んでしまうまでにどれほど情報を集めきれていたのかという事も知りたいし、そもそもそんな所しか選べなかった程の大学その他の準備段階での成績しかなかったのではないか?等という疑問も大きく膨らんできます。

医者の世界でも、今では新人の研修先のマッチングという事でいろいろな病院が「選ばれる側」になっていますが、一流の病院、人気の病院はあくまで意欲も能力もある良い研修医を選び放題。成績が低かったり人として問題のある人、そして情報収集を怠った研修医候補はそれこそ「評判の悪い、人気の無い」研修先を最後の最後でピックアップせざるを得ないのが新人医師の世界のスタートアップの現実です。

まさに現実の様々な職業選択の世界と一緒なんですが、じゃあだからと言って良いと言われる研修先を選んだ人達が最良の結果を得て、評判の悪かった研修先を選んだ諸君が悲惨な研修後を迎えるのかと言えば然にあらず。漫画の様にそうシンプルではありません。

もう一つ知りたいのは、そういう代行サービスを使って折角の人生のスタートをこけた形でスタートさせてしまった諸君のその後のリカバリー。

果たして上手くいったのかいかなかったのか。二日や三日で自分の選んだシステムを去るというのは何だか…という気もするんですが「人間万事塞翁が馬」というもの。去った人達の中からきっと成功に至る道筋を探し出せる人が出て来るであろうことを遠くから祈っているオジサンです。

2025年4月2日水曜日

親と似ている

病院で診る人達が本当に実の私の親と同じような年齢の方々が増えてきました。

患者さんのお話をするのも自分の親の話をするのも本当に身に積まされる様な状況、どこかで聞いたような話、明日は自分の親かも知れないという様な話ばかりで、目の前に居る患者さんに迫る「もしかして」というその日が自分の親になるかもという感覚。

患者さんの病状に関して説明する相手である患者さんの息子さんや娘さん達も本当に私とほぼ同年代で、会社や組織をリタイアした直後とか、リタイアする直前とか。

そういう方々と話をしていると実は気付く事があるのです。寝たきりになっている患者さんをお見舞いに来た息子さんや娘さんは本当にベッド上の患者さんと瓜二つで、ドラえもんの小道具であるタイム風呂敷を掛けただけの息子さん、娘さんのような印象。

こういうのを見せられると、逆に医師である「私」も患者さんの御家族がもし私の親父が私の真横に立っているのを見たら多分吹き出してしまうのではないかと思うんです。それとも、遺伝子の為す神秘の複製能力に腰を抜かすのか?

親と私の半世紀以上の時間の流れを振り返ってみると、それはまさに親との相克の歴史。親、特に母親が私を認める事はまず無くて、父親は私の勉強には全く不干渉という状態でした。親父の不干渉は私にとっては大変有難く、両親ともワイワイという様な最悪の状況ではありませんでした。

親父に成人になった後でその理由を聞いてみると、「俺はお前の勉強の事はわからん。わからん事には口は出さん」とのシンプルな答え。小学校の頃から私が家でシコシコやっている宿題などにも教えてくれる事も無ければ、余計な口も出すことは有りませんでした。母親は私がやっている勉強の内容は解りませんでしたが、定期テストの点数の余りの悪さにいつも激怒していたのは確かです。w

その点に関して母親は父親に恐らくいろいろと言っていたようです。というのも、極マレに「お前勉強大丈夫か?」とボソッと聞いてきて来たことがありましたので、流石に母親の話から息子の定期テストの点数が酷い事を聞かされていたのだと推測されます。

私は暢気なもので、親父に一言「帳尻は合せるから」と言っていました。親父も親父で、それを聞いて「わかった」と言うだけ。まあ、二人とものんびりしてますな。

そんな両親も今年の誕生日を無事に迎えればもう87歳。ビックリですが、既にそんな高齢者です。親の老いてゆく様を見るといつも思うことは「俺も無事にあと25年生きるとしたらこんな風に老けるんかいな?」という事。

良いところも嫌なところもこの親に遺伝子を分けて貰い、この親達に育てて貰ったからには似てしまうんですよね。^^

お互い100年も無い一生。患者さん達の御家族を診る事で、己の両親も大切にしたいと思う今日この頃でした。

2025年4月1日火曜日

ヤバい事された…

バイト先でヤバい事をされました。

一体全体、それがどういう経緯で為されたのか全く理解に苦しむのですが、事の簡単な解説をさせていただきますと…。

バイト先で長い間診ていた在宅のお爺さんが最終的に超高齢となって殆ど何も記憶することが出来なくなった上に、排尿・排便が自分で出来なくなったことで家族さんが「そろそろ施設入所を」となって、5年ほどにわたった自宅でのケアを遂に今回終了する事になったのです。

その最後の日に自宅に居た御高齢の奥様が私と付き添いで来てくれていた看護師さんに高級な京菓子を下さったのでした。私は恐縮したのですが、こういう食べ物の時には(金品で無い限りは)御厚意を有り難く受け取る事にしていますので、お爺さんとの別れを惜しみながら笑って別れました。

その後、我が家からは長崎のカステラを送らせて頂きましたが、それでメデタシ!という感じだったのです。しかし、そこは折り目正しい御高齢の御婦人。私に対してバイト先の住所宛にお礼の手紙を重ねて返してこられたのでした。

ところが、朝わたしがこの手紙が置いてあるのに気づいて自分の連絡物入れからこの手紙を拾い上げた時に「おや?」と思ったのは手紙が既に開封されていた事…。
思わず「えっ?」と思ったのですが、取り敢えず中身を覗いてみると二枚の便箋に美しい崩し字でぎっちりと御礼の言葉が書き連ねてあったのです。読んでいてこちらの身が引き締まるほど。

しかし、私はこの手紙が「勝手に開封されていた」という事実に強い衝撃を受けました。

憲法では21条2項に、検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない、と定めています。この条項は、一般的には国家からのプライバシーの保障であり、また、憲法21条に保障されていることから直接的なプライバシーの保障を通して、国民の知る権利に委縮が及ばないことを狙いとするものだという事は先の大戦で特高警察その他の下種達が国民に何をしたのかという事を思い起こせばその制定理由は容易に理解できる事でしょう。

そして、その文言は我々の日常にも敷衍されていて当然の様に「人の手紙を開けてはいけない」という事になっています。これをcopilotに尋ねてみると以下の通り。

日本では、他人の手紙を勝手に開封して読む行為は「信書開封罪」に該当します。この罪は刑法第133条に規定されており、正当な理由がないのに封をしてある信書を開けた場合に成立します。罰則としては、1年以下の懲役または20万円以下の罰金が科される可能性があります。 さらに、この罪は「親告罪」とされており、被害者が告訴しなければ起訴されない仕組みになっています。

との事。明確に私の宛名向けに送られてきた親書を「病院の事務員等の誰か」が開封したという事はまさにコレ。誰が何の目的でやったかは別として実に薄気味悪い人間若しくは何かの力が働いている事になります。

実はこの手紙を読んでいる時に脇を通った若い先生に「この手紙気付いたら開封されてました」って話したんですが「実は僕の所に来た手紙も二回開けられていた事あるんです…」と即答され、お互いに無言で顔を見合わせてしまいました。

もしかしたらヤバい人が居るのか?まさに薄気味悪いです。エイプリルフールネタと言いたいところですが、ガチでリアルネタでした。