2018年2月23日金曜日

天才を育てた女房

読売テレビの「天才を育てた女房」を観ることが出来ました。

日本が誇る天才数学者”岡潔”先生の女房役は天海祐希でしたが、良く演じられていたと思います。
若い頃から傑出した力を持ちながらも、その挑んだ壁の厚さと高さと硬さ故になかなか前進できない状況、そしてその思想の高度さと斬新さが理解できない故に上司の京大教授も冷たい対応の連続。

やっぱり天才の能力を測る事ができるのは天才のみです。結局、彼の理論の重要性を真っ先に理解し、戦後の和歌山の片田舎に直接やって来て岡潔先生に会いに来たのは皆が皆、教科書に定理や発見が綺羅星のごとく並ぶ数学会の巨星アンドレ・ヴェイユ、ジーゲル、アンリ・カルタン等という有り得ないような人々。
昭和三十年当時の和歌山では本当にびっくりするほどのミスマッチな風景だったことは想像に難くありませんね。w

先生はその76年の生涯においてわずか十報(解説論文一報?)程の論文しか書いていないと言うことですが、その何れもが珠玉の名論文ということです。(京大の教授も当時解らなかった論文が私に解るわけもありませんが・・・。)

今の時代のような論文の量と質の双方を年度単位で求められるようなせわしい時代においてはとてもとても高位の教職の地位を維持できるような数とは言えない量ですが、その一本一本が珠玉だった、本物だったことが世界に認められて日本を飛び越えての世界的評価となったという事なんですね。

家族全体が赤貧洗うが如き”どツボ”の貧乏の中で、夫の才能を信じぬき、数学だけに自分の夫を専念させることに集中していたこの奥さんは、本当にこれまた岡先生に負けずとも劣らぬ猛者ですよね。
今の時代でも、これほどに生活力というものの無い御主人であっても命と人生を賭して信じ続け、援助し続けることが出来るのか、当時であっても難しかったであろうそのような極貧生活をいろいろな本で読むにつけ、「うーん」と考えてしまいます。(こう言った極貧生活の中で実際には小さな娘さんを亡くすなどという事も起きておりますし。)

それにしても、ミソをつけられ続けていたのはあの京大教授。申し訳ないんですがタダのボンクラの悪役を演じさせられてましたね・・・。京大数学科の教授なのに、天才の前では分が悪かったとしか言いようがありません。

最後にニッコリしてしまった逸話は、この天才岡潔先生の娘さんは大の数学苦手人間だったとかいうお話でした。

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