2017年10月14日土曜日

突然のコール

土曜日の11時55分。いきなり私の院内電話がなりました。

嫌な予感がしてPHSのボタンを叩くと精神科病棟から切迫した看護師の声が入ってきました。
「隔離室に入っている患者さんの様子が変なんです!」

私としてはそんな具体性の無い電話ではなくて、どういうバイタルでどんな意識レベルの分類なのかササッと手短に報告を入れてほしかったのですが、精神科の新米看護師さんに緊急時、それを求めるのは酷かなと・・・。
とりあえず帰り支度をしていたのはいきなり中止して、午後の家族の予定も中止だな〜と即中止。

白衣を羽織って五階までブッ飛んで行きました。

隔離室に入ると確かに呼吸の様子がおかしく目が虚ろです。SpO2モニタを見てみると70%台。脈は微弱でかなり促迫しており120ちょっと。誤嚥している様子はなかったのですが、看護師達の話を聞くとどうやら昨日の夜からほとんど飲水もしていなかった様子。体温は38度9分まで上昇しておりました。

ベースに脱水の存在を強く疑いましたが、とにかく呼吸自体がもう止まりそうな状況でしたので、直ちに気管挿管を行い中心静脈カテーテルでライン確保してCT室へ走りました。

脳梗塞はこの時点では未だ確認できませんでしたが、少なくとも脳出血は無し。ただし、肺にはアレルギー性肺臓炎の様な特異なイメージが得られました。誤嚥性肺炎のイメージは無し。採血結果からして脱水が強度のものでした。
大量の輸液を行なって30分もすると、人工呼吸器でファイティングが発生してきて意識が戻ってきていることを確認できました。更に10分もすると質問に容易に答えることが出来るようになってきました。

これでとりあえずは一安心。

家に帰って美味しいご飯でも食べに行こうかなという小さな予定は消えましたが、若い患者さんの命はとりあえず助かったようで何よりの午後でした。

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