2017年9月8日金曜日

因果応報

先日「やらかし系」の患者さん達のことをちょこっと書きましたが、今日もそれに関連したことが起きました。

10日ほど前に本院から他の老健施設へと移動していった肝硬変を患っていた患者さん。私の受け持ちの方ではなかったのですが、移った施設先でたったの数日で羽目を外して外の悪友と大量飲酒。ヘベレケになって施設に帰ってきたのは夜中のことでした。orz

実はこの方、病棟に居た頃から看護師にセクハラ紛いの発言をしたり、いろいろなことで細かく規則を守らなかったりというような事をやらかしていたのですが、それでも”何とか”私の勤める病院の関連施設ということで、患者さんの行為に関してある程度目を瞑り”善意の解釈”をしてくれた施設の担当者が受け容れてくれていました。

ところが、案の定その信義を真正面から叩き壊すような上記のような事をやらかしてくれたわけです。当然のことですが、施設としてはそのような方のそのような行為は到底容認出来ないわけで、退出させることになったのですが・・・ハテ、今度は出したところでそんな人を受け容れるところがない。当然ですが。

そこで、困ったのはこの人を担当している名古屋市の福祉担当者。本来であれば、そんな身勝手な行為を重ねる大人を擁護してあげる義務も義理も無い筈なんですが、そこはそれ”福祉課”と名前がつきますので、叩き出される人を野に放って「はい、ソレまでよ!」という訳にもいきません。ホームレスを作ったところでソレを再度世話しなければならないのは自分達自身ですし。

ここは正直な所、役所の限界。世間の目もありますし名古屋市健康福祉局生活福祉部保護課保護係(長い!w)の限りない優しさがソレを許しません。
と言うわけで、「何とか”短期でいいので”再度預かっていただけないか・・・」と担当の方二人が下げる必要もない頭を下げてお願いされますので、当院の社会課と医師の私も無碍に断ることも出来ません。

以前のこともありましたので、当然のことながら看護師さん達も病棟の師長さんも渋い顔をしておりましたし、何とか入って欲しくないと切々と訴えられたのですが、最終的には私と保護課の方々、社会課の担当者、師長さんの前で借りてきた猫のようにしおらしくなっていたこの男性に厳しいお話をした上で、「万一以前のような行いが私に報告されたら有無を問わず、時間を問わず、直ちに退院していただきます。」とピシッと言って再びの入院となりました。

私自身も、看護師さん達からは「・・・」という溜め息ともつかない視線を感じましたが、ここは役所に貸しを作った形となりました。

こうやって針のむしろのような状態で還ってこなければならなかったのは、偏に己の愚かな行い故の”嫌われ・嫌がられ”の集積の結果。旅の恥は掻き捨てならぬ、病棟の恥は掻き捨て程度で迷惑をかけていたことがアッと言う間に己に降り掛かっただけのこと。

まさに因果応報とはこの事と思った次第でした。

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