2017年3月30日木曜日

日本人による研究

二日前にここに記しました私の記事に対して匿名さんからのコメントがありましたが、ナルホドというようなコメントだと感じました。そのコメントに対しては”今の時点”で私の考えていることを書き付けておくのは後々の比較のためにもよい事かと考えましたので、私見、これからの出来事への予想なども含めて書こうと思います。

匿名さんのコメントに一つ一つ答える感じで・・・。

学術誌に掲載された日本の研究者による論文数が減っていて、このままでは世界トップクラスの座から落ちてしまうだろう・・・という分析結果をイギリスの科学誌Natureが発表した、という報道を見て、このままじゃ駄目だなあと思っていたところです。(『論文数減少「日本の科学研究が失速」…英誌警鐘』 2017年3月24日読売新聞)
大学生の海外留学もOECD加盟国中で下から数えたほうが早く、中国や韓国と圧倒的な差があると言われていますね。

実際に今の日本の科学に対する擁護というものは一切するつもりもないですし、私自身が”日本の”科学の世界からは少なくとも15年は離れておりましたので、日本の科学に関してアレコレ言うことは出来ません。しかし、世界の科学の俊英達が集まるアメリカという国においてそれだけの期間にわたって日本人がアメリカとの間でどういう風に科学を進めて来ていたのかというのは見てきたつもりですので、それを所感として正直にちょこっと書こうと思います。

上に書かれた韓国に関しては以前も書きましたので、二度三度というつもりは無いのですが、手短に言えばあの国は特殊で、アメリカに必死で来る皆さんの多くは実質的には「国外への脱出者」です。無論、アジア的な努力を重ねての出国ですからテストの勉強に関しては比較的よくデキる人が多いと言うのが正直なところですが、研究などを見ていてもスマートというよりも素早く結果を出すことが出来る実験を選ぶ人が多い印象を持っています。(テスト勉強の延長ですね。)オリジナリティが有るかと問われると・・・後はご想像におまかせします。
ただ、帰る所がないという意味では日本人とは少し切迫感が異なるのは確かで、アメリカで生活者として根付くしか選択肢が無いという点において生命力が違います。学生のうちは徒党を組んで大学内をウロウロするのは圧倒的に韓国人が多いというのは私の長女の観察です。

あれだけ人口の少ない国から実質的に恐ろしい数の中韓の人間が米国に来ているのを見ると、内心”Yellow Peril”を脳裏に浮かべる白人がいるのもまあ頷けない話でもないかなと感じたりはしますが、私自身はアジア人なのでそこらあたりは微妙です。

圧倒的なのは中国人とインド人。彼らは馬鹿も多いけどスマートな人間も多いし何よりもプレゼンス(押し)の強さが半端ない。もうウンザリするくらいの輩もいます。勿論、物腰柔らかくて異常にスマートな奴も居ますからやはり確率論というのは正しくて、母集団が多いと賢い人間も当然数が多いのですね。w

上記のアジア数か国に限って言えば、申し訳ないですけど経済的にはまだまだ平均的所得の低い国からの”実質的な移民の流れ”だと思っています。日本が戦前に集団で政府後押しレベルの移住を行っていたような経済格差の一挙解消を狙ったような一発逆転海外移住組が、ハングリー精神を以てアメリカという国で成功をつかもうと大挙してなだれ込んでくる訳ですから、今の日本のように一度繁栄を経験し、だるい生活をしていても取り敢えずはその日暮らしは出来てしまう国の人が勝てるわけがありません。

一言で言えば浸透圧の差だと思います。

いまは大隈氏をはじめとする諸先輩方の努力の結果、日本人がノーベル賞を受賞していますが、このままでは今後は厳しいのかも知れません。そのノーベル賞受賞者の皆さんも、海外に出て行って研究した結果そうなったという人が多いような・・・?
山中伸弥氏など、日本では研究資金が少ないため研究用マウスの世話も自分でしなくてはいけないが海外ではそうではなくて研究に没頭できるとおっしゃっていたような気がします。(記憶違いだったらすみません)

たしかに、この数年毎年のように連続してノーベル賞を受賞している素晴らしい”受賞”の状況ですが、私自身はこの賞の初期の胡散臭さや、確実に日本人受賞者がとるべきだった賞が戦前戦後の人種差別や陰謀で消された恥ずべき過去を隠し続けたままにしておりますので、権威付けという意味では世界最高なのでしょうが、それが全てでも無いことは研究者なら誰でもわかると思います。


今の研究の世界では特許との絡みもあり、素晴らしい発見や真実が特定の集団に囲われたまま世に出ていないものは沢山あります。そういう意味では21世紀はますます表舞台には出てこない優れた研究者(集団)が発見の数年後に表に出ていって華々しく受賞されるのをじっと見つめ続ける機会が増えていくのかもしれません。

また、お金を潤沢に使った研究分野はクズもダイヤもごった煮のように沢山研究が出てきてその裾野が広がりますので、実は今沢山受賞している日本の研究者の研究の一部はあのバブルの頃の正の影響もゼロでは無いと考えたりすることがあります。

日本の研究は高級車を買ってガソリン代は出さずみたいなところがあって、研究施設や設備を動かすためのマンパワーという最も大切な潤滑油と燃料部分に金を使うことが出来ない硬直化した予算制度のせいで、多くの税金が不必要に無駄になっていると感じています。ソフトパワーにカネを使うことを認めさせることが出来なければ文科省その他の今後の予算の投資効率は日本の生産性同様に世界標準とは大きく異なるものであり続けるだろうと思います。

また、私自身は日本人が正直にデータを取ろうとする人が多いことにも強い信頼感を持っていますしそのディティールへのこだわりは正にも負にも科学の研究において影響を及ぼしていると思いますが、人的資源の減少は”派手な賞の受賞”という意味では今がピークなのかもしれません。仰るように今後はノーベル賞の受賞者は減っていくものと思われます。日本にとっては残念ながら今が結構な華の時期だと言う”感じ”は私も抱いております。
しかし、今後とも数学その他の伝統的に日本人が強いエリアにおいては世界的に重要な貢献は続くと睨んでおります。

アメリカなど海外では企業や(お金持ちの)個人からの寄付が多いのか、政府がお金を出しているのか、その両方なのかわかりませんが、予算面で日本より苦労が少ないと聞いたこともあります。

予算獲得と言うステップで苦労が少ないということは事実としては実際の所”そんなことは無い”と思いますが、個人レベルで研究というものに篤志家が寄付をしてくれる件数も額も多いのは間違いないです。しかし、あくまでNIHやDARPAなどからの予算が本筋で、財団等からの資産も勿論日本よりかは遥かにデカイのですが、やはり政府の金が遥かに
デカイんですよ。
篤志家などからの資産の寄付や財団の設立は日米の税金のシステムの違いのせいでしょう。国の税調の皆さんがもう少しマトモな頭脳をお持ちでしたら、個人や企業の資産や税の寄付はドコっと爆発するんでしょうが、それをあの人達に求めるのはあと100年は無理かも?w

生活保護受給者が増え続けていて社会保障費がかさんでいるけど、学術研究費や教育のための予算(志ある優秀な学生への給付型奨学金など)を出し惜しんでいては日本はじり貧ですよね。
資源が少ないのだから人材を育てないとね。

ここは100%賛成です。ものごとを創造する方向にお金を使わない国は滅びると思います。しかしまあ、日本という佳き国が滅びるのは誠に誠に残念なのですが、それに代わって勃興してくれる国も百年間くらいは世界の進展に貢献してくれるのではないでしょうか。日本がそうであったように・・・。

韓国も然り、そして中国も然り、ロングレンジで見つめたら永遠に発展し続ける国など今のところどこにもない事はたった数千年の歴史が嫌というほど証明しているような気がしますが、皆様のお考えは如何でしょうか。

人気ブログランキングへ

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

わっ・・・あんな駄文を引用していただきとっても恐縮です・・・(いや~恥ずかしいですね~)

実際にアメリカで研究活動していらした方の言葉には説得力がありますね。
一つ一つになるほどなぁと感心しながら読ませていただきました。
研究に従事されてる方達に、研究に没頭できる環境が用意されて欲しいと強く思いました。

(予算獲得時の苦労は無いわけではないんですね。
あとになってよく考えてみればそうなんですよね。
沢山資金があっても、くだらない研究にホイホイと予算くれるほど甘くないですよね。)



small G さんのコメント...

駄文も何も、質問を読んでナルホドと言うしかありませんでしたヨ。

普通、研究に携わっていない方々から見れば研究の内側にあるドロドロしたものは見えないはずですから。
書けない生々しい話はいくらでもあるんです。確証がないだけでまことしやかに流されているいろいろな話も含めて。

しかし、それを書いていたら証拠もなしに書くという科学の流儀に反しますので書きません。w