2017年1月8日日曜日

アメリカと日本・サービスの質

昨年末に佐川の配達員が荷物を叩きつける動画がネット上で話題になっていました。
  実際に見たのはこのブログを書く直前なのですが、まあ、確かにやってますな。これが俺に配られた荷物だとすると正直「・・・」という気持ちなのですが、この配送担当者が佐川の多くの他のドライバーの標準だとも”全く”思えません。擁護など到底出来るものではありません、さりとてこの人の話を聞かずに罪を責め続けるのは片手落ちだと思います。

場合によっては、いわゆる心に障害を負ってしまった人なのかもしれませんし、真相はこれを見ただけでは全く不明ですので、この画像は「荷物やカートを投げたり蹴ったりしている佐川の配送担当者の動画」というタイトル以上のものではないと思います。

多分物凄いストレスのもと配っても配っても減らない荷物に心が折れてしまった兄さんだと思うのですが、佐川郵便の方は対応に頭を抱えたことでしょう。ただし、私自身はこの件に関しては少し斜に眺めております。
この兄さんをここまで追い込んだものは何だったかということです。

実は遠い親戚で大昔に佐川で配送ドライバーとして働いていた兄さんがいたのですが、その当時聞いた給料の払いが人によっては月百万を超える人も居たということで、当時学生で、授業料以外は親からの仕送りなしで生活していた私は素直に「ええ〜!」と感じたのでした。

ただし、この話にはちゃんと付帯事項があって、義兄が言うには「体が壊れるきるまでの若いうっちゃな〜」と大阪弁で明るく笑って話してくれました。仕事自体は物凄くキツくてフラフラボロボロになるまで毎日仕事したというのです。この仕事に飛び込んでくるのは当時結構問題になっていたサラ金の借金を短期間で返済するためにそれこそがむしゃらに短期間働いて辞めていく若人やおっさん達も沢山いたとのこと。なるほどです。

それではこの21世紀はどうなんでしょうか。私は今彼らがどれくらいの基本給と歩合給をもらっているのかは知りませんが、いわゆるネットショッピングの爆発による”何でもネット購入”が多くの世代で増えた為、配送量の爆発は多分大変なものだと思います。一応ネットでデータを見てみると、(ここにはグラフを転載できませんが)間違いなく毎年ネット由来の配送量の増大が佐川とヤマトに津波のようにのしかかっているのがわかります。

これに比してこの人手不足の時代に人手がグングン増えるわけもありませんから、当然その皺寄せは集荷・配送部隊に一手にかかってくるわけです。これに対してまともに給料が増大してるとは今の時代とても信じられませんので、無料配送云々などというシステムが抑制されないのであれば、アマゾンその他の大手ネット販売の会社がオノレが割を食う形であっても配送料金を利益から削ってでも多めの金銭を宅配業者に積み増ししなければ多分配送のシステムは近々完全なパンクに向かうと思ってます。

アメリカのように予告通りに着けばラッキー。4日で標準とかいうような配送で全く問題ないというように戻さないと、翌日配達とかはよっぽどの割増を払わないと無理です!という様にしなければ市場全体がおかしくなってくると思います。
サービスの質には”それ相応の代価”というものを払うのが人の世の仁義・原理であって、お客様は神様でもなんでもないということをもう一度確認しないと、先日逮捕されたXチガイ自称Youtuberみたいなのが今後も出てこないとは限りません。
奈落の底まで墜ちてるアホというのは世の中どこにでも居るもんです。

アメリカのあの”緩さ”を日本にもそろそろ導入していい時期とちゃいますでしょうか。幾らロボットを導入したところで、効率化出来る限界は出てくるわけで、その先をつなぐ人間の部分の負担は常にアナログでしか有り得ないことを理解しておくべきでは無いでしょうか。

ドローンが全てを運べるなどとは夢にも思わないことです。

人気ブログランキングへ

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

佐川の人、すっごい荒れてますね~
ブンッって音が聞こえそうなぐらい放り投げてる 笑

「お・も・て・な・し」by 滝川クリステル以前から、かゆいところに手が届くようなサービスを売りにしてきた日本ですが、労働環境にも配慮して変わってきてるところもありますよね。
24時間営業を止めると発表したロイヤルホストとか、2日の年賀状配達を止めた郵便局とか。

労働人口が減って大変だ、移民入れなきゃ!って言ってるわりに、残業しなければ仕事がまわらないぐらい忙しい人が多いのはどうしてでしょうね。
そのうち単純労働がAIで機械に置き換わって仕事にあぶれる人が出てきそうだし(世の中の仕事の5割ぐらいは機械で代用することが可能だそうです)、なんだか昔より生きにくい世の中になってるような気がする今日この頃・・・

small G さんのコメント...

そうなんですよね。

これから労働力は確実に減っていくにしても、それに合わせるようにそこを補完してくる人工知能とロボットがタイミングよく出現してきますので、これからの日本は益々必要とされる労働力のレベルが二極化してくるような気がします。
どう二極化するのか、それとも大多数が不要になるのかわかりませんが、少なくとも人が人として尊厳を持って働ける環境が社会の中に残り続けるといいなって心から思います。

移民導入は簡単ですけど、その後の融合までの大変さはどれほどのものなのかは多くのヨーロッパ諸国やアメリカが示してくれているよな気がします。