2016年9月22日木曜日

警察も進化している

この前少し驚いたことがありました。

あるイオンモールに本を買いに行った帰り道のことです、川沿いを車で走っていた時に何故かなんでもないところで車が少し滞留したような状態になったところがありました。例え小さなものであっても、通常は渋滞が起きるようなところではありません。

頭の中でクエスチョンマークが点滅しつつも、ゆっくりとクリーピングしながらその渋滞の原因のもとに少しづつ近づいていってその理由が判明しました。

原因は爺さんでした。倒れている訳でもなく、道に飛び出しているわけでもなかったのですがガードレールの”道路側”で車の流れをボーッと眺めながら只々突っ立っているのでした。一見すると”飛び込み志願の自殺者”にも見えます。普通の感覚を持っている運転者であれば、間違いなく何かを感じて徐行や迂回をするでしょう。そしてそれが実際に起きているせいでこの小渋滞が発生しているのでした。

しかし私が感じたのは少し違っていて、日常の臨床でみる認知症患者の観察と対比しても実に認知症で方向がわからなくなっている確率の高そうな爺さんに見えました。

爺さんは小脇に薄汚れたジャケットを小脇に抱えて本当にボーッと立っていました。時々ピクピクと位置を変えるのですが、明らかに怪しい・・・。

十秒ほど悩みました。ほんのちょっと前このブログにも書いたように、自分がどこにいるか誰なのか理解できずに疾走状態になってしまう認知症の人は日本中にゴマンと居ます。もちろん毎日発生しているわけでもしかしたらという気持ちと、ただの散歩かもという気持ちが8対2位の感じで揺れ動きましたが、結局110番通報をして警察に確認してもらうことにしました。

まず、コールの最初に聞かれたのは「事件ですか事故ですか」という男性の声。すぐに手短に事情を説明したあと、万一用の電話番号(当然警察側には私の携帯番号は表示されているはずですが)をもう一度言って更にその発生場所の説明をすると驚いたことに「今あなたが移動しているところの後方ですね?」と確認してきました。

内心で”ああ、電話の位置情報を示すGPS信号が警察側のマップにもリアルタイムで出てるんだ”と思いつつ、更に詳しく爺さんの身なりの説明や状況を説明すると「わーかりました、今から署員を向かわせて一度チェックしますね」との返答がありました。
間違いなら申し訳ないのですが、一度手間をかけていただいても良い案件だと考えましたので、逆に間違いであって欲しいと考えた夜でした。

認知症と徘徊、実はいつでも遭遇しうる出来事だと思います。自分の両親が何時かそうやってお世話になるかもしれませんしね。日頃から気をつけていると意外とそういう方って身の回りに居るのかもしれません。

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