2016年6月25日土曜日

イギリスのEU離脱・ブレグジット

ブレグジット起きましたね〜。

議員の射殺事件まで引き起こした今回の国民的投票。僅差(48.1:51.9)でEU離脱派が勝利しましたが、地図上の勝敗分布をみるとイングランド対その他の地域みたいな対立の構図になっているのが明確に出ているのが何とも強烈で、案の定、スコットランドを中心にEU残留の請願が、投票終了後のたった2日で200万を超える勢いで出されているという話。

これは素直に考えると、再びスコットランドがGBからの離脱へと舵を切るきっかけとなるはずで、6割を超える人間が残留を選択し、ほぼ全国全てが残留優勢地域として記録されたスコットランドとしては国を分かってでもEUに残留するという方向へ必死に動くのは当然ではないでしょうかね。

これでまた、スコットランド人のイングランドとの違いが明確に炙りだされた感じ。特にイングランドの田舎と年寄りの多いエリアでのEU離脱は彼の”栄光の大英帝国”を忘れられない斜陽の人々にとっては、俺達の街にやってくる英語をしゃべろうともしないEU移民と言うのは、”仕事を奪い生活の平穏を乱す連中”という意味でしか解釈されていなかったのではないかと推測します。

問題はGBの四カ国間の地政学上の問題だけではなく、世代と経済的格差をもつ人達の間での違いでも有るわけで、複雑な形状のモザイクの中で今後残された僅かな期間の”最終的な切り離し作業”の中で起きてくるであろう様々な本人たちの予想を超えた悲喜劇がどういうふうに彼らの実生活を変えていくのかという壮大な実験が始まるわけです。

この皮膚感覚というのは、多分(推測でしかありませんが)自分は関係ないと思っていた”戦争”が、始まる前の不安感に似ているんじゃないかと・・・。要するに自分の小さな力ではどうしようもない世論の”雰囲気”が醸しだした挙句の国民の選択。良いとか悪いとかではなく、そうなってしまったという結果にどちらの人間も100%の安堵感は得られない、しかし覚悟だけは決めないといけないという状況ではないかと思います。

脱出可能な人たちはきっと国籍をGBの他のエリアに変えてでもEU残留のメリットを活かせる国に居残るでしょうが、キャメロンの壮大な賭けは、結局、勝って自分の地位を盤石にするどころか彼自身を自らの椅子から蹴りだす結果として決着してしまいました。

他のEU首脳達は連鎖的崩落を断ち切るために早速イギリスの”速やかな”切り離しを勧告していますし、イギリス独立派は今後オノレの投票結果の責任をしっかりと受け止める長い長い年月を過ごすことになることでしょう。

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

ブレグ…あ、BritainとExitの合体ですか!
もうそんな造語があるんですね~

私は離脱派が勝利するとは思っていませんでした。
(なんだかんだいって変化するのって勇気いるし。)
国民の半分位は不満なわけで大変そうですね…

先日、smallGさんがコメ欄に「戦争とか起こらないと良いのですが」
と書いていらっしゃってますます不安になってきました~(汗)
そうでなくても中国が不穏な動きしてるのに…




small G さんのコメント...

中国の”一寸先の読めない”混沌さに比べればまだBrexitは可能性は無いとはいえなかった選択肢なのですが、それでも充分巨大な津波ですよね。
経済界の反応の大きさはやはり凄かったですし。
円も(私にとってはいい感じで)100円前後にやがては落ち着きそうですし、とりあえずは外野から様子見です。
ヨーロッパはEUの存在下に戦争が起こらない日々を送ってきているだけに、イギリスの離脱が後の歴史にどう評価されるのか見ものです。
キャメロンの一撃とポピュリストの意を理解せぬ衆愚の選択とか言うサブタイトルが付きそうな気がするんですが・・・。
今の時代にあっても、ヒトラーのコピーはどこにでも現れる可能性があると私は危惧しています。(イギリスでさえも!)