2015年3月24日火曜日

美しい墓場

巨星墜つ、とはこのことでしょう。

中華系の人間として生を受け、日本軍の占領も経験。ケンブリッジを優秀な成績で卒業した若く政治的才能の塊であったリー氏が、実に短期間で猫の額のような小さなエリアを経済的に世界の一流国家に伍するレベルまで引き上げていった物語は、氏の卓越した能力を雄弁に物語っていることは間違いありません。

しかし、しかし、物事には何事も表と裏があるもの。こうやって造り上げられた都市国家は彼の強権的手法をキッチリと「有無を言わさず」国内の政治に応用していった結果で、リーダーとしては己の理想を国家にとって良かれという形で敷衍していった結果ですよね。

まあ、超優秀なノビタがシンガポールで映画の如く、自分の理想通りの「雲の王国」を作ったようなものでしょうが、私はずーっと以前からこの国には観光旅行はしたくないなと思ってました。以前北朝鮮を旅行した時に感じた事をどうせこの国でも感じるだろうという前提があったからです。

私にとってのシンガポールというのはよく整備された美しい墓場というイメージです。
私が遥か昔訪れたことのある北朝鮮は、滑稽なほど何もかもが出鱈目で、必死の努力にもかかわらず舞台装置の裏側の骨組みが見えちゃってる惨めなポンチ絵国家でしたが、シンガポールは「多分」何もかもが完璧に整備され、優秀な人々が教育され、優秀な人々によって運営されているスマート極まりない能吏によって運営されていいる「鼻持ちならない」美しい墓場なのでしょう。

自国のトップを自由に批判することを許されず、自国のトップ達の一族の利権と支配を批判する事が許されない美しい墓場に住むことを許されたシンガポール国民を"これっぽっちも"羨ましいとは思いません。
例えは極端かもしれませんけど、これはある意味同じ人間という支配者に支配された現代版マトリックス国家そのものですよね?

National University of Singaporeは、近年、数多くの優秀な外国人を高額の報酬で引き寄せる手法で世界的にもランキングを上げてきた大学ですが、この大学で教えている「哲学」の授業に乱入して、そこの主任教授に直に質問したいものです。
「哲学における思想の自由と死とはなんぞや?」と。 まともな教授なら俯いて質問者の私の顔を見ることは出来ないと思いますが・・・。

近年、シンガポールの万年与党が支持を得られなくなっていた理由はシンガポールの国民自体が一番良く知っていることでしょう。ああ、またひねた蓋棺録もどきを書いてしもうた。w
しかし、不謹慎ではありますが主の死でで美しい墓場はさらなる完成に一歩近づいたのかも?だからといって、よく整備されて美しいから、と言う理由で墓場の見学はそうそうしたいとは思えませんが!

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