2014年6月12日木曜日

統合失調症と心因反応

当直室に緊急のコール。

内科病棟の看護婦さんからの「患者さんが突然大声で怒鳴り始めて困っています!どうしましょうか。」と言う内線電話でした。
私自身も状況がすぐには飲み込めず「直ぐに行くから」と言って白衣を纏って直ぐに目的の病棟に走って行きました。
そこの病棟がある階に到着すると革のソファに座った初老の患者さんを囲んだ数人のヘルパーさんと看護師さんが見えました。患者さんは何故か動いても居ないのに汗ダクダクでものすごい吃音状態で「俺のモノを皆が投げ捨てやがる」というようなことを繰り返し話しています。

看護師さんによると、昨日の昼くらいから何か独語があったということでしたが、それまでの個人の病歴で一切そのような精神症状関連の疾患には罹患されたことがないということでしたので、私は年齢などを考えると統合失調というよりも心因反応とか腫瘍などによる器質性のものとか、代謝性の疾患の一症状なのか?とかんがえたりもしました。

投薬によるsedationで落ち着いて頂くという方法も有りますが、この病院にはきちんとした精神科の先生方が控えておられるので何はともあれスペシャリストに観て頂くのがベストと考えそく当直看護師長に精神科に連絡をとってもらったところ、顔なじみのドクターが汗だくで駆けつけてくれました。
直ぐに仕事をバトンタッチ!

多分、心因反応であろうということで御本人を守る意味もあり任意入院という形で精神科病棟の方で一晩介護して頂く事になりました。非常に丁寧な応対で、患者さんにもみな優しく接して居られており、精神科の看護師さん達も含めて何だか別の世界の医療を垣間見た瞬間だなと感じました。
普通、こういった反応を示す方が街を歩いて居られたりすると多分「戸惑い」と言う言葉が最も当てはまるような反応を示す事が(精神科医でない私も含めて)多いのではないかと思うのですが、達人の世界はやっぱり違うなと感じた次第でした。

私の今までの人生において友人の中で統合失調で入院したり鬱を誰も見つけてあげられなくて亡くなった友人も少なからずおりました。そういった意味では精神疾患というのは実に誰の身の回りにも起き得る(無論自分も含めて!)病であり、家族や友人という輪っかの中に留まらず誰もがその一生の中で何処かの時点で遭遇する日常なのだと思います。

いつもは極めて大人しく優しいジェントルマンだったお爺ちゃんでしたので、一刻も早く元通りの元気で優しい人に戻っていただければと願わずに入られません。

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