2012年3月22日木曜日

Mayo clinicから来た研究者の残念な講演

今日は昼にMayo Clinicから来られたある研究者の講演。
ミネソタから来られたんですだが、まず最初のパートの内容はGBM(Glioblastoma Multiforme)患者から採取した患者検体を、プラスチックウェアを介さず、直接マウスの生体を用いて継代培養することによる遺伝子変化の有無とその知見の応用。次のパートの話はもう一歩踏み込んで、このGBMの患者さんに対して実際に応用されたドラッグがどの程度の効果を発揮したのか、そしてその限界は等というものでした。
メチレーションの差によるこのドラッグの効き具合の差や、PARPインヒビタとのコンビネーションで起きる治療効果の差などを説明してくれたんですが、、、。残念ながらコンテンツと使われている巨額のバジェットとの釣り合いが全くとれていないなというのが正直な感想でした。R01だけでも2つ、それにMayo自身からの有名なファンドと、その他の有名なファンドの組み合わせで今日の発表のコンテンツをカバーする8個ほどのファンドが書きこまれていたのですが、正直「何処にも頭脳を使っていない力任せのテクニシャン仕事」だと思いました。しかも、臨床でのこのドラッグの効果も確かに統計学的な有意差を超えて効いてはいるのですが、やはり患者の大部分は数ヶ月の延命効果を得られたのみということで少し寂しいアウトプット。ドラマがありませんでした。
「こんな仕事」が他の研究者から諸々のバジェットを吸い取っているのかと思うとちょっと呆れてしまったというのが偽らざる気持ちでした。大金と多くの研究要員を使っているならもちょっとましなことをやってほしいと正直に思います。何でも大金を叩きこめば良いというものではない事がよく判る講演でした。
期待していただけに残念!
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