2012年2月21日火曜日

アップルに突きつけられた問題

今夜、ABC newsのnight lineでapple, Dell, Nintendo等も深く関わっている中国の超巨大電気製品組立工場Foxconnの取材が公開されていた。これが大きな問題になったのは、一時期三ヶ月で9人もの飛び降り自殺者が出てきたからで、それ以来この工場が非人道的な取り扱いをする極悪工場であるかのような報道がNYタイムスなどを中心としてなされていたのでした。
取り敢えず、今日の30分程度の番組では何か前に見た愛知にあるトヨタの工場とあんまり変わらない気がしましたし、単純労働を要求される電子製品組立工場っていうのはこんなもんだろうなという感想しか持ちませんでした。結局問題なのは、人にとって単純労働の長時間にわたる反復継続が及ぼす人の心への影響なんだと思います。誰だって一日12時間もおんなじ作業を続けていたいとは思いませんよね。
最終的にはそれに耐えられなかった人達が辞めて行ったり、精神のバランスを崩したりという形での反応を見せるわけですが、取材の対象を働く若者たちだけでなく彼らの実家のあるごく平均的な中国の農村にまで拡げていたのはなかなかポイント高いなと思いました。そこの農家の中庭に集まってくる、昔の日本にも居たような素朴なジジババにiPadに映し出される自分たちの子供達が働いているFoxconnの工場の環境を見て口々に言うのは皆「自分たちの暮らしより何もかもが良いね」というものでした。
金をもらってモダンタイムスのような仕事を続けて安月給で暮らし続けるのが良いのか、それとも極貧とは言え田舎でのんびり暮らすのがいいのか、というような二項対立のような単純な世界観では無くなってきてはいますが、映像を見ていて考えさせられる事は沢山ありました。
今後、こういった人件費も絶対に中国の物価上昇にともなって急上昇するはずです。その時に、この世界の工場の代役というのはどこが担うのか、それともそういうことは不可能でやはり正常な価格上昇というのが始まるのか、興味は尽きません。しかし結果はやがて出てくるでしょう。
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