2011年10月30日日曜日

グラント校正

ここ数日グラントの校正が続いている。
細かい部分の校正は英文の単なるケアレスミスにとどまらず、言い回しの好みなどもあるのが難しい。実際には、文体という点まで詰められたら最高なのだろうが、どうしても「何が自然か」ということになってくるとそれはもう文法を超えた領域に入ってくるので、所詮限界がある。ひたすら「正しい」英語と、こなれた言い回しに気を使うことに集中することになる。
日本語を書く時でさえ、文体の問題は非常に難しい問題なので、ましてや自分にとっての第二言語でこれを論じるのは難しいのだ。以前聞いた笑い話で、ある日本人が英語の論文を仕上げてアメリカ人ボスの所に持って行って校正してもらった後、イギリス人の同僚に見せた所「」こんな酷い英文は見たことがない、俺が直してやる」といって手を入れられ、その校正文を見たオーストラリア人に「これは酷い」と再訂正され、それを元のボスの所に持っていった所、ケチョンケチョンに言われたという。
コレなんかは笑い話として捉えられていますが、現実の論文の構成に関する話では似たような話は枚挙に暇がないほどです。これはたとえプロの校正に頼んでも、実際に実験の中身を知らない人が校正した人物のものは重大な間違いを内包している場合などがあり、その手の話もあちこちで見聞きします。ですから結局は自分が納得の行くバージョンをどこで止めるかという問題になります。
今回のグラントは全米でたったの14件しか採択されないグラントなので、殆ど魚の居ない釣り堀に数千本投げ込まれた釣竿の間でそれを取り合うような話ですが、まあ竿は投げ込まなければ魚を釣る可能性はぜろなのでこうして頑張るしかありません。(溜息)

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